「夜来香ラプソディー」 | 世界史オタク・水原杏樹のブログ

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世界の史跡めぐりの旅行記中心のブログです。…のはずだったんですが、最近は観劇、展覧会などいろいろ。時々語学ネタも…?
現在の所海外旅行記は
2014年9月 フランス・ロワールの古城
2015年3月 旅順・大連
2015年8月 台北(宝塚観劇)
を書いています。

 

もう1週間過ぎてしまいましたが、見てきました。

「魔都夜曲」からもう5年になるんですね。
「夜来香(イエライシャン)」も「蘇州夜曲」も私のカラオケレパートリーです。早くカラオケに行けるようになりたい。

今回は、1945年6月すなわち終戦直前に上海で行われたという李香蘭のコンサートがモチーフになっています。
まず舞台には服部良一(松下洸平)がタクトを持って登場し、「このような状況の中、よくいらっしゃってくださいました…」とあいさつを始めると、今の状況にかぶるような気がして、観客はこのコンサートに参加しているような気分になります。

そして、「夜来香」の作曲者、黎錦光(れい・きんこう:白洲迅)も登場して、このコンサートが行われるまでのいきさつを語り始めます。

…というのが物語の大枠です。

上海に来た服部良一は、「ラ・クンパルシータ」というクラブに案内され、黎錦光や李香蘭に出会います。
そこにはクラブの花形スター、マヌエラとダンサーたちがいて、川島芳子がやってきて…。

李香蘭本人は華やかな美貌の持ち主ですが、今回李香蘭を演じる木下晴香はそこまで派手ではなく「大丈夫?」と思ったのですが、歌い始めると済んだ高い声がとても美しく、この声なら李香蘭役で大丈夫、と思いました。

服部良一はこの時はすでにヒットを飛ばす作曲家。しかし日本ではだんだん軍国主義になって、書きたい曲を書くことができなくなっていました。しかし今回李香蘭のコンサートの企画を聞かされ、「夜来香」の歌をアレンジした「夜来香幻想曲」という曲を作り、自分のやりたいことを貫こうとします。
1945年6月に上海で実際に「夜来香幻想曲」というコンサートが開かれたのは事実ですが、こんなにたくさんの人が歌っていたのかはナゾ…。
特に中川牧三というナゾのオペラ歌手。演じている上山竜治が暴走しているのか、妙に笑いを呼ぶ。

ソ連のスパイの爆破予告もあり、緊迫感を持って開催されるコンサート。
コンサートが無事終わると、劇場にいる観客もこのコンサートを追体験して「無事終わって良かった」という気分になります。それは図らずも現在の状況があり、どの舞台も今は無事に幕が開いて、幕を下ろすことがどんなに困難かを実感しているから…。特に「この非常時に芸術など不要」と言い捨てる軍部の人たちと、「芸術は生きていく上で必要なものだ」と考える人たちの対立などもあります。

やっぱり気になるのはもとタカラジェンヌ3人。

「魔都夜曲」と同じく川島芳子を演じる壮一帆。男装姿がサマになっていてカッコいい。さすが。でもチャイナドレス姿で歌う姿も美しい。両方見られてうれしいです。

マヌエラの夢咲ねね。華やかでスターの貫禄があります。衣装も豪華。この人は実在の人物なんですね。松竹楽劇部(現在のOSK日本歌劇団)の、なんと一期生。国籍を隠して「マヌエラ」と名乗り、上海で活躍していたそう。

そして、仙名彩世はソ連の諜報員リュバ。ガチガチで冷徹なスパイです。セリフもすごみがあります。
さらにすごいのは、ショースターの一人で1幕で朗々と歌を聞かせ、2幕ではコンサートのゲスト、当時の中国の人気歌手、白光(バイクアン)になって、これまためいっぱい歌ってくれます。芸達者ぶりを堪能させていただきました。

この時代の上海が好きで、ある程度のことは知っているんですが、今回初めて知ることやうろ覚えのことなどがあって、気になって調べ始めました。
その経過はまたいずれ。