「日曜日はプーレ・ロティ ちょっと不便で豊かなフランスの食暮らし」
川村明子:著
CCCメディアハウス
パリの本、2冊目。
著者は製菓と料理を学ぶためにフランスに留学し、それ以来フランス暮らしをしているらしい。
「プーレ・ロティ」とはローストチキンのこと。
フランス人は日曜のお昼に家族そろってローストチキンを食べる。お店では生でも売っているし、店頭で串に刺されてくるくる回ってあぶられているのを買ってきてもいい。
著者はホームステイ先で、チキンがまるごと出てきて、それをマダムがナイフでさばき、「胸肉にする?モモにする?」と聞かれたそうな。
そんなフランスの食生活が書かれているのですが、「知らなかった!」と思うことがいっぱい。
まずフランスにはコンビニがない。不便なことだらけ。
ドレッシングも種類が少ない。しかし、フランスの家庭では油、酢、塩、マスタードを常備していてその都度作るのが当たり前らしい。市販のドレッシングはもちろん、マヨネーズやケチャップを常備している家は少ない。そうしたら、著者もそのうちドレッシングを作るようになった。オリーブオイルのほか、ピーナッツオイルやくるみオイル。酢は白ワインビネガー、赤ワインビネガー。
そのうちハーブを買って、合わせるようになり、ハーブもフードプロセッサーでペースト状にして好みの調味料やスパイスを合わせていくと、どんどん組み合わせが増えていく。増えていくと自分の好みも出てくる。するとますます自分の好みの味付けを追求し、さらにいろいろな材料を試していき、自家製ペーストの瓶がどんどん増えていく…。もう市販のドレッシングには戻れない。
食材のお店では、お店の人と話をしながら買い物するのが普通。どんな料理を作るのか聞かれる。肉ならステーキと言えばステーキ用に切り分けてくれ、煮込み料理、ハーブ焼きなどと言えばちょうどいい部位を勧めてくれる。
果物を買おうとすれば、いつ食べるか聞かれる。今日食べるなら今ちょうど熟しているものを、週末に食べるなら少し待った方がいいものを出してくれる。さらに、食べる用かジュース用か、甘いのがいいか酸味のあるのがいいか…といったことを聞かれる。
ハムまで、買おうとすると「どうする?」と聞かれる。焼いて食べるのか、スライスするのか、スライスするなら厚みはどれぐらいか…。「シフォナード」と言えば、シフォンのような極薄に切ってくれる!
フランスは農業国だとは知っていました。パリでも郊外の農家から取れたものが運ばれて売られていることも知っていました。しかし、本当にパリのマルシェでは農家から直接運ばれたものが売られているのですが、買う方も自分の好みの生産者を見つけて、誰が作ったものかわかって買うのです。そうすると、新鮮で自分の好みに合った食材が手に入るのです。
そして、バターにも季節があることがわかったといいます。春夏秋と、牧草が変化するのでミルクの風味も変わり、バターの味も変わるのです。
…すごいな、フランスの食生活。
