力道山がやって来た | 上田 真一郎 犬のためのヒーリングデバイス CS60

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   大切なことは全部犬が教えてくれた
ペットと飼い主さんを「言葉」でつなぐコミュニケーションを。

アゲハが給水に来たんだけど、我が家の睡蓮

鉢は、メダカ最優先のトンボ対策の為に全面

ネットが張ってあるので、水が飲めなくてゴ

メンよ。

 

 

 

 

はるき悦巳さんの「力道山がやって来た」を

読みました。

 

じゃりン子チエの作者さんです。

 

 

舞台は大阪、長屋の一軒に暮らす咲ちゃんと

いう少年と近所の人々の姿を描いた短編です

 

しっかり者で強引でガメツイ守銭奴の様にも

見える咲ちゃんですが、大人たちからも何故

か一目を置かれる存在。

 

「あらロクなもんにならんど」

 

と揶揄されながらも愛されているのです。

 

プロレス中継のある日は、唯一テレビを持っ

ている安ッさんの家にみんなが集まって観戦

するのです。

 

まだ終戦から十年ほど。

力道山の空手チョップがシャープ兄弟の胸板

に炸裂するシーンを観て人々は戦争で負った

心の疵を塞いでいった、そんな時代です。

 

プロレスの日には決まって咲ちゃんはリヤカ

ーで暮らす徳じいと呼ばれる老人を誘うので

すが、その徳じいの口ぐせが、

 

「子供がマッカーサーに殺された」

 

徳じいのアメリカさんを憎む理由と徳じいの

招待、咲ちゃんとの関係が時代背景と重なっ

て、短編ながらとても奥行きの深いドラマに

描かれています。

 

物語の最後、今にも死にそうな徳じいの為に

咲ちゃんは、徳じいの大好きな力道山をなん

とかして徳じいに会わせてやろうと奔走する

のです。果たして、、、

 

力道山が喧嘩の傷が原因で亡くなったのは僕

がまだ二歳にも満たない頃だったので、残念

ながら力道山の印象はありません。

 

そのくせ、子供の頃のプロレスごっこでは空

手チョップを使っていました。

 

もっとも昭和の子供で、空手チョップや四の

字固めをかけたことのない子どもはいないの

ではないでしょうか。

 

僕がその頃、一番好きだったレスラーは、力

道山を慕って韓国から密航して来た大木金太

郎でした。得意技は頭突き。

 

男たちはみんなプロレス観戦が大好きで、僕

も祖父や父と一緒にテレビで興奮しながら観

戦するのが楽しみだったのですが、ある日、

大木金太郎が外国のレスラーに角材で耳を削

がれるという事件が起きて、それ以来母から

プロレスを観ることを禁止されたのです。

 

三島由紀夫が自衛隊の市ヶ谷駐屯地でクーデ

ターを呼び掛けた時も、ドキドキしながらニ

ュースを観ていたのに、割腹自殺を知った母

はテレビを消してしまったのです。

 

とにかく血が嫌いだったんでしょうね。

 

舞台とは数年ズレてはいますが、そんなあの

頃の事も色々と思い出させてしまう名作。

 

「力道山がやって来た」

 

   

   ベル インスタはじめました ベル

   わんわん ワンコがいっぱいです わんわん