おきみゅーで、旧石器時代に関する展示が開催されています(2/12まで)。

展示の目玉はサキタリ洞遺跡で出土した9000年前の人骨(ポスターの写真にもなっています)や、3万年前の航海術を検証する実験航海(台湾〜与那国島)に使われた丸木舟「スギメ」です。


石器というと教科書でおなじみなのは黒曜石やサヌカイトですが、サンゴ礁の島である沖縄では貴重品です。


実際、今回展示されていた黒曜石の石器(1枚目は全部、2枚目は右上の3つ)はほぼ全てが北海道からの出土品でした。1枚目の左上の1つは赤い筋状の模様がある、いわゆる紅十勝石です。

北海道からの出土品としては、他には琥珀玉や何か動物を表現していると考えられる意図的に加工された石が出陳されていました。

この石の出土地は千歳市の柏台1遺跡で、年代はおよそ16000〜19000年前だそうです。

旧石器時代の沖縄では、実用品にも装身具にも貝殻が活用されているのが印象的です。
現状では世界最古ともされる、貝殻で作った釣り針です。会場内の映像資料によると、これの再現品を制作し、使い物になるか検証を行ったところ見事オオウナギを釣り上げることができたようです。実際のサキタリ洞遺跡でも加熱された痕跡のあるウナギ類の骨やカニの殻が出土しているので、当時の人にとってもウナギやカニは美味しかったのかと想像したり、私自身がそうなので甲殻類アレルギーの人はいなかったのかと心配したりしました。
貝殻の装身具です。右下のツノガイ製ビーズは弁柄を塗って着色されています。

日本国外における旧石器文化として、フランスやスペインで栄えたマドレーヌ文化も紹介されていました。
アルタミラ洞窟壁画のレプリカです。
壁画にはバイソンのほかトナカイも描かれていて、実際に同時期の遺跡からトナカイの角や骨で作った骨角器(右上の2つ)が出土する例は多いようです。柄を取り付けるための茎や抜けないように返しがついていて銛と分かるこれらを見ていると、この地域の人達も魚を美味しく食べていたのが想像できますね。