兵庫県立考古博物館では、11/23まで秋季特別展「土器からみる弥生時代中期社会」が開催されています。


土器というと貯蔵用か炊飯用か、それとも…と用途が気になるところですが、焦げ付きや吹きこぼしの痕跡があれば炊飯用と判断できるそうです。


この特別展は兵庫県の他大阪府、岡山県、香川県の大阪湾・播磨灘に面した地域の土器について形態や文様の違いを比べることができるのが目玉ですが、「兵庫県-淡路地域」のコーナーに徳島市立考古資料館で見たものと瓜二つの土器がありました。
中央奥のオレンジ色の壺(南あわじ市神子曽遺跡出土)です。右下の解説板に胎土がホルンフェルスと粘板岩主体で現地の地質とは異なる=他地域からの持ち込みと記載があります。

(再掲:徳島市立考古学資料館の弥生土器)

それなら徳島県内からだろうか?と思いかけましたが、徳島県内、特に徳島市立考古学資料館蔵のほぼ同型の土器が出土した徳島市名東町やその近辺の地質にホルンフェルスはほとんどないそうです。つまりこれも他地域からの持ち込みの可能性が出てきました。大阪湾に面していて海路での移動に適し、かつ粘板岩とホルンフェルスが両方分布する地質となると、紀伊地域(和歌山県)ではないかと想像しています。

もうひとつ徳島市立考古学資料館で見て気になっていたのが上の写真だと下段右から3つ目、南庄遺跡(徳島市南庄町および名東町)出土の「ビールジョッキに似た取っ手付きの土器」ですが、玉津田中遺跡(神戸市西区)の出土品にもまさにその特徴を持つ土器が含まれていました。
しかしこちらは脚の部分に透かし付きで取っ手にも装飾があるもっと凝ったデザインです。

土器の他に生活に必要な道具として、石器も紹介されています。
河内地域(東大阪市)出土の石器です。この地域では二上山産サヌカイトに加えて「阿波の青石」と呼ばれる徳島県産の青色片岩も使われていました(右上2つ)。先程の紀伊地域から淡路地域や阿波地域に運ばれた可能性のある壺といい、当時の人々が大阪湾を船で活発に往来していたことを今に伝えています。
青色片岩の石器は「木材加工用の斧」です。
このような鍬や鋤を作るのに使われました。