皆様、お久しぶりです。

 本当なら悠久のシルクロード展の会期中にアップできれば良かったのですが、あの後体調を崩してしまいずるずる日が過ぎてしまいました。


 さて、この展示は宝飾品が多数出陳されていたのも印象的でした。特に多かったのが首飾りです。

 青や緑のガラス玉が使われたパルティアの首飾りです。当時ガラス玉は交易品として珍重されたそうで、しばしば日本の古墳からも中央アジアやさらに遠くローマ製のガラス玉が出土することにとても納得が行きます。
 こちらはガンダーラの仏塔に「仏舎利」として納められていた宝飾品です。玉を連ねた首飾り、そして螺旋状の金の指輪を見ているとやはり日本の古墳(具体的には新沢千塚古墳群の126号墳辺り)の副葬品を思い出します。もっと言うなら126号墳の被葬者は渡来系の豪族(恐らく女性)とされていることや、日本でも仏教伝来から間もない頃の寺院ではまさに古墳の副葬品のような鏡や玉を「仏舎利」として納めた塔が信仰の中心だったことにも思いを巡らせました。

 もうひとつ興味深かったのが、ササン朝のペガサス形留め金具です。
 ペガサスのルーツは言うまでもなくギリシャですが、この留め金具、新羅の天馬塚出土の馬具(障泥にペガサスが描かれている)、そして日本では正倉院の「白石鎮子」に表現された干支の動物のうち午に翼が…と、長い時を経て西へ西へと伝わったのを実感しました。