英語うまいね
英語レッスンに通うことを決意し、体験入学に行ったが断られてしまった。理由は、CEFRというテストですでにC2レベルを記録しているためだ。C2(最上級): 聞いたり読んだりしたほぼ全てのものを容易に理解し、非常に繊細なニュアンスまで正確に使いこなせるレベル。IELTS (アイエルツ): オーバーオール 8.5 〜 9.0ケンブリッジ英語検定: C2 Proficiency (CPE)これほどのレベルに達しているため、「なんら改善点もなければ、ここで教えることがない」と言うのだ。それでもなんとかお願いして、C2レベルで授業だけ受けさせてもらうことになった。先日、その話をイギリス出身の長男としていた時のこと。長男:「まぁ…セリーナの英語を俺ら基準でネイティブかと聞かれたら、完全にアメリカなまりかつ、めちゃくちゃギャル語を話すよね。でも矯正が必要かと言われるとまったく必要ないと思う。そもそもネイティブってのは俺らイギリスネイティブのことじゃん?」“Well... if you ask whether your English is native by our standards, you have a total American accent and use a lot of crazy slang. But do you need to fix it? Not at all. In the first place, 'native' means us British natives, doesn't it?”ちょうどうちの手伝いのフィリピン人とご飯を食べていた時にそんな話をしていたので、彼女が長男に「英語上手ね!」と言うと、長男はこう返した。長男:「いや逆だ。英語が上手だねと言うべきなのは俺のほうだ。あなたこそ英語上手ですね」“No, it's the other way around. I'm the one who should be saying that. Your English is very good.”彼にとって、「英語がうまいね」と言われると感じる違和感には2つの理由があるらしい。1つ目の理由:生粋の「イギリスマインド」彼はイギリス育ちなので、マインドが完全にイギリス人なのだ。イギリス人はよほどのことがなければ傘をささない。なんならザァザァ降りの日でも「フードのある服を着ているから大丈夫だ」と言って傘をささない。先日長男に会ったのも雨の日だったが、「傘は?」と聞くと「持ってない」と当然のように答えた。イギリスのEU離脱時も、花火が上がるお祭り騒ぎの最中、酔っ払って私に電話をかけてきてこう言っていた。長男:「俺たち離脱するぜ!!イェーイ!!」“We are leaving!! Woohoo!!”もはや彼は、イギリス人にとっての「We」の中に自分が入っているのだ。1日何度もお茶の時間がある文化も染み付いている。7:00 アーリーモーニングティー8:00-9:00 ブレイクファストティー11:00 イレブンジズ13:00-14:00 ランチティー15:00-17:00 アフタヌーンティー夕食をかねた ハイティー19:00-20:00 アフターディナーティー就寝前 ナイトキャップティー彼は日本語も話せるが、日本語ネイティブレベルかと言うと難しく、複雑な会話や携帯で何かをリサーチする時は英語の方が良いらしい。長男:「ねぇ、Sukeってどういう選手なの?俺、クリケットはわかるけど野球は全然わからない」“Hey, what kind of player is Suke? I get cricket, but I don't know anything about baseball.”私:「Wikipediaで調べてみたら?」“Why don't you look him up on Wikipedia?”そう言って調べたものの、辰己涼介選手の英語情報が少な過ぎて、結局よくわからなかったらしい。そんな彼にとって「英語上手ですね」と言われることは、私たちネイティブジャパニーズが「日本語お上手ですね」と言われるのと同じくらい違和感があるのだ。2つ目の理由:アメリカ英語に対するプライド先に書いた通り、マインドがイギリス人であるため、アメリカ人と話す時に「英語上手だね!」と言われることをイギリス人は大変嫌う。英語はイギリス発祥であるという強烈な自負があるので、ネイティブスピーカーの基準をアメリカ人だと思っている風潮も、イギリスマインドの人たちには違和感でしかないらしい。例えばナスはイギリス英語で「aubergine」だが、アメリカ人が「eggplant」と呼ぶことについて、長男はこう憤る。長男:「なんであの紫色のものがegg plant(卵を植える)しているように見えるわけ!?」“Why does that purple thing look like an egg plant to them?!”そんな長男と、ある日「タルタルソース」の発音について口論になった。私:「ターラーソース(Tartar sauce)」[ˈtɑːrdər sɔːs]長男: [ˈtɑːtə sɔːs]「だからなんでお前ら(アメリカ英語)はTがRになるんだよ!?意味不明なんだけど。Tと書いてあるだろ?Tと発音しろよ!『ヘアリー・ポラ- [ˈhæri ˈpɑːtər])』ってなんだよ!?『ハリー・ポッター』[ˈhæri ˈpɒtə]だろ?」“Why do you guys always turn 'T's into 'R's?! It makes absolutely no sense. It's written with a T, so pronounce the T! What the hell is 'Hairy Podder'?! It's Harry Potter!”私:「大丈夫だ。アメリカ英語のほうが人口が多いからこれでいける」“It's fine. The American population is bigger, so this works.”長男:「それがネイティブというのには俺は同感できないね」“I can't agree with calling that 'native'.”そして最後に、彼はこう締めくくった。長男:「たしかに英語でのコミュニケーションにセリーナはまったく困らないけど、まぁそのC2レベルとやらで、どうせならぜひブリティッシュのネイティブを学んで来いよ」“Sure, you have absolutely no problem communicating in English, but with your so-called 'C2 level', you should definitely go learn proper British native English.”そんなわけで、イギリス英語の世界に飛び込んで頑張ってみようと思う、前向きな母である。