どうも深夜にこんばんわ。SERAPHCOです。
先般の全国宝石学協会の倒産。ダイヤモンドグレーディング問題に端を発した一連の出来事ですが、業界関係者は「当然」の出来事として、割合冷静に受け止めています。ですが色石に関しては知らない人も多いかと思いますのでここに書き記しておきます。
パライバトルマリンを多く扱う当社ですが、銅及びマンガンの含有量を示す分析報告書ですら、平気で偽装している気配は有りました。
具体的に言うと、銅含量の水増しですね。
こんなのは仔細な分析データを開示しない全宝の分析報告書では「偽装し放題」な訳でして、さりとてそれに権威を持たせる販売業者や、それを由とする購入者の末路な訳です。非常にくだらない。
全宝鑑別済みの石を当社で再度分析した結果は、軒並み銅の含有量は少なかったと言う事実。
これなど世間で「銅が多いほど高品質」などと馬鹿げた喧伝をした業者と鑑別屋の結託でしょう。下らん。
確かに商売は大切で、それでメシ食えなくなれば意味が無い。
だが、「真実」を捻じ曲げて、業者の風潮に迎合してまで売り上げを伸ばさないとダメなほど脆弱な鑑別機関ならば、早晩辞めたほうがマシだし、もっと言えば早晩倒産します。今回のはまさに反面教師として見ないとダメな事例です。
当社など非常に稚拙な機材しか持ち合わせていない。
が、産技研やその他のご協力にて客観的にデータ蓄積は模索して現在進行形です。
無論、全宝の「素」のデータの恩恵もある。海外の研究データの恩恵もある。
がしかし。宝石と言うか鉱物の鑑別作業と言うのは決して完全完璧全能では有りません。
コランダムに例を挙げましょう。
まずアルミ(Al2o3)ですね。コランダムの主成分です。
これにさまざまな端成分が絡んで、いろいろな色味が形成されます。
産地によって特徴は有るのですが、そこは自然の産物。分からない部分はたくさんある。
一例を挙げます。
まず屈折率検査。これで合成か天然かのコランダムを見ます。慣れていれば屈折率を計ると同時にベルヌイ合成か、その他合成か、天然かの判断はある程度可能です。
長波短波紫外線検査。これは屈折と並び非常に重要な検査です。これで天然由来か合成かはかなり分かります。
次に拡大検査。これでベルヌイ以外の合成か、天然かを検証します。沃化メチレン浸漬拡大検査も必須となります。
ここで天然と判断された場合、且つ加熱非加熱が疑わしい場合。
FTIR検査やレーザートモグラフィ検査に掛けて、非加熱由来の痕跡を探します。
ただ、この辺りから経験則にて非常に判断が分かれてきます。
だって、まるでインクルージョンの無いコランダムの場合、よほど数多くの分光分析データが無い限り加熱石と判断されてしまうからです。これはLA-ICP-MS検査でも看破できません。
宝石鑑別の悪い部分は、前提として持ち込んだ当事者が「・・・・・○○のどこそこのなに何です」と言う部分です。これを鑑別屋が照らし合わせると言う行為に問題があるのですね。
研究者、と言う立場では、そんな戯言は完全の蚊帳の外に置かねば研究ではありません。
ただ現状、それを信じないとダメな程度の技術しか無いのです。鑑別というのは。
この部分を加味して宝石を見る事が大切です。で無いと、全てに於いて疑念は払えなくなります。
当社では
「分からない事は分からない」と、お客様にはっきりと申し上げますし、深いところまで検査しても分からない事は分からない、費用は掛かる、と言う部分まではっきりと告知、お知らせした上で検査いたします。
その上で、決してお客様の意に沿う鑑別結果は出ないと言うことは、是非お含み置き頂きたく存じます。