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世羅の気功と日常ブログ

「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
テーマに、気ままに想いのままに
書き綴るブログです。

朝の片付けを終えて戸棚を開けると、いくつかの茶葉が並んでいる。


数種類のハーブティーに、コーヒー、紅茶、煎茶、それからほうじ茶。

 

……今日は、どうするか)

 

いつも彼女はハーブティーを選ぶ。

 

種類は増やしているが、それでいいのかと手が少しだけ止まる。

 

どうして、いつもハーブティーなのか。

 

味や香り、それとも――

 

(カフェインが少ないから、か)

 

ふとそう思う。


確信はないが、それなら納得はできる。

 

ほうじ茶の缶に手を伸ばし、軽く振って中の音を確かめる。

 

……これなら、近いな)

 

完全に同じではないが、離れすぎてもいない。

 

……たまには、違うのもいいか」

 

そう呟いて、缶をカウンターに置く。


茶器を選び、配置を整え、棚の別の段からいつもとは違う菓子を取り出して皿に乗せる。

 

準備を終えて1歩下がり、部屋の中を見渡す。


いつもと同じで、少しだけ違う。

 

その確認が済んだところで、端末が小さく震えた。

 

――〈今から行くね〉

 

短い一文だったが、それだけで思考が静かにまとまる。

 

――〈わかりました。お待ちしています〉

 

送信して端末を置き、無意識に息を整える。

 

「ルカ、もうすぐセツナさんが来るよ」


「うん!」

 

ルカの声が弾む。

 

そのままやかんに水を入れるが、火にかけるのはまだ少しあとでいい。


やがてインターホンの音が鳴り、1度だけ呼吸を整えてから扉へ向かった。

 

(第131話に続く)