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世羅の気功と日常ブログ

「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
テーマに、気ままに想いのままに
書き綴るブログです。

セツナがウェアを決めた後、セイは次に必要なものを、順に確認してい


手袋、帽子、ネックウォーマー――

 

……準備は、これで一通りか)

 

セイがそう考えた、そのときだった。

 

セツナが、棚からひとつニット帽を手に取る。


少し眺めてから、ふっと何か思いついたように振り返る。

 

「セイ、ちょっといい?」


「はい」

 

近づいたところでぽん、と軽く頭にかぶせられる。

 

一瞬、思考が止まる。

 

……どう?」

 

セツナは少し距離を取って、全体を見る。

 

セイはわずかに視線をさまよわせてから、

 

……問題ないと思います」

 

と、静かに返す。

 

「問題ない、じゃなくてさ」

 

セツナが小さく笑う。

 

「好きかどうか」

 

少しだけ言い直すように促されて、セイはわずかに間を置く。

 

そして、

 

……いいと思います」

 

短く言い直してから、

 

「素材も悪くないですし、長く使えそうですし……悪くないと思います」

 

と、さらに理由を並べ立て、自分に言い聞かせるように静かに言った。

 

「ふふ、なにそれ」

 

セツナは楽しそうに笑ってから、少しだけ首を傾げる。

 

……似合ってるよ」

 

ぽつりと添えられた一言。

 

その言葉に、セイはほんの一瞬だけ視線を落とす。


何かを考えるように――


だが、すぐに元の位置へ戻る。

 

……そう、ですね。問題はないと思います」

 

曖昧に、だが否定はしない。

 

そして――

 

……では、夜は冷えますし、購入しておきますね」

 

自然な流れでそう言った。


セイは帽子を手に取り、他の防寒具と一緒に静かにかごへ入れた。

 

(第137話に続く)