撮影後、セイは無言で腕の中のルカを見下ろした。
「……」
「もう、ルカったら」
セツナは笑いながら、撮れた写真を表示する。
画面には、驚いた表情のままルカを抱きとめるセイと、その様子を見て楽しそうに笑うセツナ。
そして勢い余って飛び込んだルカは、後ろ向きのまま丸いお尻だけが可愛らしく写っていた。
「ふふっ……なにこれ。最高の1枚じゃん!」
セツナは笑いが止まらない。
セイは写真を見つめ、小さくため息をついた。
「……まったくもう」
そう言って苦笑しながら、ルカの頭をぽんぽんと軽く叩く。
「ルカ、急に飛び込んだら危ないよ」
「えへへー」
「次からは気をつけるんだよ」
「はーい!」
返事だけは素直なルカに、セイはもう1度だけ小さく笑った。
そのやり取りを見ていたセツナは、また吹き出す。
「あははっ!セイって、そんな顔もするんだ!」
「えっ……」
「セイっていつも落ち着いてるでしょ?だから、こんな困った顔するんだって思ったら、なんだか新鮮で」
そう言って笑うセツナにつられるように、セイも少しだけ照れくさそうに目を伏せた。
その表情まで含めて、クリスマスらしい賑やかな思い出になった。
(第306話に続く)