突然大声を上げたセツナに、セイは驚き、思わず問いかけた。
「どうかされましたか?」
セツナは慌てたように答える。
「今日ってクリスマスイブじゃん!!」
セイは一瞬、どう返せばいいのか分からず、ただ小さく頷いた。
「……はい」
「そうだったー!!毎日忙しすぎて完全に忘れてた!」
セツナは頭を抱えた。
「街でもいっぱい飾ってあったし、目にも入ってたのに、全然自分事だと思ってなくてすっかり忘れてたー!」
セイは静かに瞬きをした。
そして、そうだったのかとほんの少しだけ肩を落とす。
(僕はなんでガッカリしてるんだ?)
そう自問自答した時、セイは気が付いた。
自分は彼女と一緒にクリスマスイブを過ごすことを実は楽しみにしていたのだと。
そして彼女は、クリスマスイブそのものを特別に意識していたわけではなかったのだと。
そのことに気が付いてセイはそっと溜息をついた。
(第261話に続く)