■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第131話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
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ドアを開けると、そこには冬の冷気を少し纏った、見慣れた姿があった。

 

「セツナさん、いらっしゃい」


「来たよ、セイ。お邪魔するね」

 

玄関に滑り込んできた声が、部屋の静けさに柔らかな温度を混ぜていく。

 

「どうぞ。中へ」

 

セツナを迎え入れ、セイはキッチンへ向かう。


やかんを火にかけ、茶器に視線を落としたあとで声をかける。

 

「今日は僕の方でお茶を選んでもよろしいでしょうか」


?あ、うん。もちろん」

 

セツナは気軽に頷く。

 

「今日は、ほうじ茶にしてみました。いつもと少し違うものも、いいかと思いまして」

 

そう言いながら湯を注ぐと、香ばしい香りがゆっくりと広がる。

 

「へえ、新鮮だね。いい香り」

 

少し意外そうに、それでも嬉しそうに微笑む。


その反応に、セイの肩の力がわずかに抜けた。

 

「気に入っていただけたならよかったです」

 

菓子の皿もそっと置く。

 

「今日は少し軽めのものにしてみました」


「ほんとだ。いつもとちょっと違うね。でも美味しそう。ありがと」

 

セツナは軽く笑いながらそう言った。


(第132話に続く)