トークは アンミカさんの新刊とその写真のことから始まった。
気取りなく、低姿勢で話される下村先生は、従来の芸術家然とした方々とはかなり違う印象・・・それは今回のテーマの「美」に対しての姿勢も同様だった。
photographer だから「美」を求めつづけている、美への探求が尽きない、という点は違いない・・・でも、根底になにか違うものがあるような気がする・・・何だろうか?
「映画や絵画を参考にしている」と言われているけど、「こうでなければならない」というわけではなく、今回企画の「mimollet」の編集長の藤本さんの「撮ってみたい方は?」という質問にも「どなたも」と答えられる。
もちろん 誰であろうときれいに撮れる、という自信からとも思えるが それだけではない何か・・・。
そして、その発言からは、実のところ「美」にあまりこだわっていないのかも、と、最初は思わせた(「こだわる」というのは下記に述べたが私のそれまでの概念で)。
この LIVE 中に 藤本編集長が下村先生の著書「美女の正体」の内容に触れ、「女性の美のランクを『ピラミッド型』ではなく、『ドーナツ形』で、グラジュエーションで表したことに驚いた」と指摘されているが、私も本を読んでこの図を見た時には驚いた。
通常 女性のランク付けは『ピラミッド型』に陥りがち・・・ピラミッドの頂点のわずかな部分に「究極の美女」たちがいて 幸せのランクもピラミッド型に等しく、
頂点の方々が最高の幸せを手にする・・・と思われてきたのではないだろうか。そして photographer のような立場の方々はその頂点(にいる美女たち)だけを見つめ、大切にするような気がしていた。それが「美にこだわる」ということのように思っていた。
しかし 下村先生は 美女ランクを『ピラミッド型』ではなく、循環する『サークル』でとらえている。つまり、女性はどのランクにもいける(循環する)、ということだ。
そして いちばん幸せになれるのは、美女ランクの「中の上」くらい、まだ「美人」ではないあたりだ、とも述べている。「頂点」にいるような美女ではないということ。
その理由は 美女になれる「可能性」を秘めているから・・・。「向上心」があり、人間として「成長」できる。
同時に「美」だけではなく、「品性」「知性」の重要性も説かれている。
このあたりの言葉には 長くパリにおられたことを感じさせる。
「美」を求めながら 「美だけ」を求めているわけではない・・・
むしろ、多様性を受け入れる capacity の大きさを感じさせる。
お話の中でも、ヨーロッパ芸術に影響を受けながらも 日本文化への称賛は止まない。
このような感性と知性のバランスが TV番組のコメンテーターとして人気な理由なのだろうと納得。
ところで 以前 放映された「マツコ会議」にて「写真とは『止まった映画』、『瞬間を切り取る作業』」と言われていた。
瞬間を切り取る・・・つまり、下村先生が長けているのは「美しい瞬間を切り取ること」だろう、と思っていた。「最高に美しい一瞬」を逃さず切り取ること。
が、今回のライブを聞いて思ったのは、「美しい瞬間」というよりも「輝く瞬間」ではないか、ということ。
なにかに夢中になった時、ときめいた時、誰しも表情が明るくなり、意識せずともその表情は輝く。
その一瞬の「輝き」を引き出し、そしてその「輝いた瞬間」を切り取ることこそ 下村先生に備わる魔法で、つまり、「美の魔術師」というよりも「輝きの魔術師」なのではないだろうか・・・
Kiina の写真をみて、ハッとするのは、ただ「美しい」というよりも「輝いている」からかもしれない。内面の輝きが透けて見えるから、美しいのかもしれない。
すると「muse」とは 自分自身の輝き?
・・・そして、それは外観ではなく、自分自身の心の在り方ということだろうか?
自分を輝かせるために、自分をときめかせるために、美しさだけではなく、品性、知性、それらすべてを向上させようと努力することが美女になる正道なのかもしれない。
mimollet の インスタにこのようにまとめらている。
::::::
「自分が自分の飼い主になる」
「自分が自分の支配者になる」
ことが大切だと下村さん。
下村さんがお好きなアン ミカさんの名言は、「幸せは自分の心が決めるもの」(p14-15巻頭ページ)だそう✨
::::::@mimollet
・・・インスタライブの内容は 多岐にわたり、下村先生のインスタでお馴染みの助手の藤原さんまで登場し 楽しい雰囲気が満載だった。
しかし、1時間は短かすぎ、あっという間だった。 できれば続編を期待したい。
ライブ映像は 下村一喜先生のインスタグラム(@kazuyoshi_shimomura)にUPされているのを発見しました(今回「マツコ会議」の一部分も)。
期間限定の可能性がありますので 見逃された方、もう一度ご覧になりたい方はお早めに!