●得意分野が近道
・得ただけでは実益にはつながらない
前項では資格の取得を例に挙げてみました。先の例では新しいタネを手にしたことを前提としていました。
当然ながら読者の皆さんは本業を持っているのですから、今現在携わっている仕事・職種・職務内容などを今一度検証してみることを、まずはしてみてください。
営業・販売・経理・人事・製造・企画・広報・・・・この、今自分がいる環境をぐるりと見回してみましょう。自分のいるフロアは勿論、社屋の全フロア、難しいかもしれませんが別棟の職場、あるいは地方に置かれている事業所など。
ここで何が言いたいのかといいますと、心理学でいうところの「モデリング」なのです。日本語で端的に言えば「模倣」ですね。つまり、自分の身近な方や、見える範囲内に於いて、自分もその道(資格や・技能・経験を活かす可能性があるもの)で、できそうなものがないだろうか?あるいは尊敬(必ずしも必要はないかもしれませんが)に値し、真似てみたいなと、自分のモデルにできそうな人が居ないかどうかを確認してみるのです。
そして運よく自分のモデルとして相応しい方がいたら、今度はその方の経歴や持っている技能や資格、そして経験などをリサーチするのです。まあ、どこの会社にも情報通な方もいるでしょうからそんな人を利用するとか、あるいは直接コンタクトを取って、敬意・尊重の念で対応し、その持っている情報を教えてもらうのがベストでしょうね。もしここで直接のコンタクトに成功したとすれば、相手の方の自尊心をもくすぐることに繋がるでしょうし、相手は間違いなくあなたに感心を抱いてくれるのではないでしょうか。
そうなれば、
「一挙両得」、「一石二鳥」
・現実業務をそのままシフト
今自分が携わっている仕事というのは、その期間にもよりますが、少なくとも自分でこなせる仕事にはなっているはずです。であるとしたら、その走行可能なレールの延長線上において専門性を高めていく、あるいは技能の更なる向上を目指す、そしてその取り巻く業務範囲で活かせる資格の取得に向かう、などが可能になると思います。
例えば、
・営業や販売の方などは、販売士や管理層ではビジネスキャリア検定など
・経理の方であれば簿記会計や、更なる専門資格と思うならば、会計士や税理士など
・人事・労務・総務系の方は社労士やビジネス法務検定、秘書検定など
・製造や現場の方は各種技能検定や技能講習、労働安全に関する資格など
・企画・広報の方はwebデザイナーやカラーコーディネーター検定、あるいはコピーライター養成講座を受講するなど
とまあ、誰しも知っているような例ですが、必ずやその業務の範疇、またはその周辺で活用できそうなものがあるはずです。そしてそれが副業で活かす手段とも成り得るのですから、こう考えると今現状やっていることと遠くかけ離れていることを目指すよりも、日々行っていることの延長線上で更なる手段を身に付けたほうが、精神的にも肉体的にもとってもリーズナブル(?)だとは考えられませんか!
また資格の取得に限らず、習得した知識や経験を活用して他者(社)への支援なども可能です。コンサルタント、コーディネーター、アドバイザー、カウンセラー・・・ この際名称はなんでもいいわけです。自分の知識や技能を外部に対して提供できるのであれば、その道の選択もありではないでしょうか。
さらに、証券業界や銀行業務のなかで、例えば為替業務に携わっている方(経験のある方)などは、個人的に外貨の両替なども可能になる(但し認可が必要)かもしれませんね。本業の内容やその全体、勝手を把握していれば個人で実践できる可能性も大いにあると思います。
・専門性の後追いもあり
日本人は肩書きに弱い人種、とよく言われますが、おそらくそれは事実だと思います。通常名刺の交換をした場合、肩書きを目にした時にそこから会話の展開が始まる、といったことは読者の皆さんも経験がおありだと思います。
つまり、その肩書きや名称、あるいはキャッチなどを見て、まず相手を判断するといった習性があるようですので、そこに食いつかせる意味においても、興味や関心を持たせるような、肩書きなどを表記することが得策だと。名刺の作り方なる情報も多く出回っていますから、それを参考にするのもいいと思います。
最近よく言われている、「自分ブランディング」というやつの一つの方法です。
そしてもう一つ、そのような肩書きを付けた場合に、その肩書きを裏づけるような実績や能力や、経験も無いから・・・などの心配もあろうかと思います。
肩書きやキャッチや、インパクトを与えるような構成をいろいろと考え、実際に名刺が形になるまではまだまだ気持に勢いもあって、とにかく目標を目指しているものです。 が、いざ名刺が完成して手元に届き、そしてできた名刺をまじまじと見つめながら、これを人に配ることになるんだと思った瞬間に「大丈夫かな~?」「少しやり過ぎかな~?」などと、不安が脳裏を過ってしまうことも多々あるのです。
もっとも、正式に取得していない資格やライセンス名を表記するなどといった、いわゆる不正的行為はもちろん論外ですが。
実はこれも考え方一つで解決できるのです。
仮に営業をされている方がいるとします。そしてその営業の「いろは」をコンサルしようと思った時に、当たり前ですが自分よりも目上の方や先輩へはしませんよね。やるとしたら新人とか、自分よりも経験の浅い人たちや、あるいはそれを望んでいるような、組織や集団が対象になります。
お分かりでしょうか、自分の現状レベルを基準にして、上を見たら「無理だな~」と、萎えてしまいます。でも、自分のレベルよりもまだ低いと思われる対象を捉えたら、実行可能だと思えますよね!
何を基準にしてみても、上には上がいるのが現実、故にそれを捉えて自分を見下すのはまことにナンセンスなことなのです。またその逆も有りで下には下もいるのです、むしろ大勢かもしれません。過のように引き下げの心理に陥ることなく、あるがままの自分を活かし、前を見据えて進もうとすれば、それなりのフィールドも自然発生的にたくさん見えてくるはずです。そしてその中でよりフィットするターゲットをきちんと選別すれば、上昇スパイラルに乗れる可能性は大です。
また、コンサルタント会社や、それを名乗る個人もまた最近多いですし、開催しているセミナーや研修の内容も、だいたい似たようなものが多いのではないでしょうか。このように、ある程度成熟していると思われる分野、そしてかなり専門性が高いとみえる組織体やそのコンサルタントを、自分の戦う相手として位置付けてしまいますと、そこは1日の長のごとくで、普通に考えれば勝ち目は無いに等しいでしょう。
しかし、敢えてその中で勝負をかけるとしたら、どこもやっていないような内容にするとか、欲している内容やまた人をより厳選し、そして対応させるなど、今までには無いようなアイディアを練る必要があると思います。対企業コンサルにおいても、社員マンツーマン指導なども面白いのではないでしょうか、個人技として考えるならば。
ちょっと戻りますが、先の名刺にしても、あるいは作成しようとするホームページにしても、倫理的にウソはいけませんが、自分の目標設定としてある種のネーミングや肩書を作ることは、プロセスの中においてはとても必要なことですし、それは見方によっては良い効果も含んでいるのです。
ということは、自分で課した目標達成が、健全なプレッシャー(義務ではなく楽しむための)となり、気持を鼓舞させることにつながるのです。ましてや、既に何らかの方法でプロモーションをかけているとしたら、そう易々とは後戻りできないはずです。何故なら、「その程度の自分」という認定は、誰しもしたくはないと思うからです。
尚、資格について詳しく知りたい方は、インターネットで検索すると資格のポータルサイトなどもあり、資格名称を選択するとその認定機関などへのリンクもされていますから、より詳しい情報が掴めると思います。
最短は現状の立ち位置からの出発
つづく