●専門分野の発掘
・フレームワークで考える
様々な情報を集め、いろんな角度から分析をし、そして手にしたその新しいタネを育てるべく、いよいよ行動をとることになります。
意欲的に取り組もうと一歩踏み出したその瞬間に、成功を収める権利を得ることになります。大事なのは先ず「第一歩」を踏み出すことです。
その選んだタネが例えば資格だったとしましょう。
参考までに、今日本の中で国や公的機関、さらには民間団体の認定資格まで含めると、実に1000種以上あると言われているようです。
そんな数ある資格の中で、ビビッと新しい発見ができたものに取り組み、そして見事取得することができたとします(ちょっと簡単すぎますが)。
たまたまそれが、弁護士や弁理士、あるいは公認会計士のような業務独占資格(有資格者しか行うことができない、業務が法律で規定されている国家資格のこと)だったとしたら、取得された方はどうするでしょうか、ほぼ間違いなくその資格を活かし、その世界で仕事をして今後の人生を歩む、とは思いませんか。
もっとも、例として出した資格は、合格率も一桁台のものですから、いわゆる難関資格になります。しかし、その難しい資格に合格しても、それが本来自分の望む、もしくは望んだタネではないとしたら、それを活かすことすら難しくなるのです。また、見栄や体裁で難しいものに挑戦をする必要もありませんし、たとえそうしたところで結果的には徒労で終わってしまうのです。
世の中には、資格ゲッター、資格マニアと呼ばれる方々もいるらしいですが、有効に活かせている資格は決して多くないのではないかと思います。
ただ、資格自体はあまり活きていないにしても、その資格の取り方についての指導はできるかもしれませんね。事実、資格の取り方や、優良講座の選び方、などという本も発売されています。「資格の家庭教師(マンツーマン指導)」、なんていうのもアリかもしれませんね。
つまり、これが自己分析から派生した専門分野の発掘となるのです。もっとも先例にあげた業務独占資格でなくても、社会的に認知されている民間資格なども数多く有りますから、当然それらを活用しての専門分野への道もたくさん存在しているということになります。
勿論、どんな資格でも取得するのには、まずは自分の「意思決定(やるぞ!という気持ち)」が一番重要です。そしてかかる費用や取得までに要する時間、または受験するための基準要件を満たしているか、といった受験資格の有無など、それに対処すべく自分の資源も併せて確認することが必要にはなります。
このように、自己分析の派生の結果として、晴れて目的の資格を取得できたとしたら、今後のキャリアの広がりの可能性はますます大きくなるということが理解いただけると思います。
但し、ここでも注意が必要です。
また学生を持ち出して恐縮ですが、キャリア相談の中に「就職に有利な資格は何ですか?」といった質問よくあります。
これに対しては正直、取っただけでは活きないということを教えてあげるほかありません。本業をお持ちの皆さんにしてみたら、そんなのはごく普通に理解されていると思いますが、資格を取得してもそれを活かす努力が必要だということです。
参考までに、社会保険労務士の資格も国家資格、業務独占資格であり、その合格率も一桁台です。通常1000時間以上勉強しないと取れないとも言われています(一説ですが)。その資格でさえ、合格しても実際に労務士として仕事をするためには、実務講習なるものを受けなくてはならず、それを終えて晴れて登録が完了した時にはじめて「社会保険労務士」と名乗ることができるのです。
故に、資格マニアなどとは違ってくるのだということです。
さらに付記させて頂くならば、情報選択も意思決定も、そもそも自分たちの主観からスタートしますが、それだけではせっかくのものも無駄にしてしまう可能性があります。
それは、せっかく良いタネを選び出して見ても、それを求めるニーズの存在があるかどうか、ということを考察しなくてはなりません。先の例で、ある資格を取ったとしても、どれほどその資格の優位性や必要性を感じてくれるか、そして欲しているタイミングは何時なのか、といういわゆる重要度と緊急度を総合的に考えることが重要になります。
せっかく苦労して探し出したタネですから、意思決定も総体的な枠組み(フレームワーク)で考えていただきたいと思います。
このフレームワークを考えることが、目標達成のためのスケジューリングそのものになるはずですから。
「何事も行動すれば、失敗するかもしれないが、成功する可能性はある。」
「何事も行動しなければ、それは失敗と同じである。」
つづく