【No.255】

久しぶりに聞いた「グリーフケア」という言葉。
なんか、懐かしい言葉のような気がしました。

皆さんは、「グリーフケア」を、知ってますか?

私が、この言葉を、初めて知ったのは23年前のこと。
知るべくして知った。というより、偶然に知った言葉です。
まだ、葬儀屋さんにパラサイトして生計を成していた所謂、仕事屋といわれる花屋でした。

花屋を起業し、インターネット環境も整備し、ホームページを開設していた時に、「今後の葬儀の形態は、どうなるんだろう?」と単に、今後の花業界の行く末を調べていたときに、たまたま見つけた言葉が「グリーフケア」でした。それと並んで記載されていた言葉が「グリーフワーク」でした。

✳グリーフワークとは、ある日、突然に、大切な家族を失った遺族(特に配偶者)が悲痛な哀しみや悲壮感から抜け出し、普段の生活を取り戻す為の過程や行動(作業)のことであり、周りの人が、この遺族を支えケアしていく事をグリーフケアといいます。

私の身近な話をしますと、父が他界してから数年間、母は、父に対して「なにもしてやれなかった」と、後悔から人前には出なくなり、仏壇からも離れず、食事も満足に食べず、人とも会話もせず、自分を責めて責め抜いたり、自殺までも考えたりした結果、認知症が発症してしまいました。
グリーフケアという言葉を知っていた私は、私たち男三兄弟と嫁三人、三兄弟の子供9人でグリーフケアをしていこうと決め、色んな取り組みをしましたが、最大の課題は、母本人が後悔や罪悪感の殻に閉じ籠ってしまったことでした。
昔から、両親は、近所でも評判の「おしどり夫婦」で、いつも、一緒に居て、喧嘩もしない、母は、いつも、父に寄り添う関係でした。
つまり、父の死は、母からしたら、単なる夫を失っただけでは無く、寄り添う人を失った孤独感でもあったんです。
殻に閉じ籠った母を、私たち息子でも、嫁三人でも、孫9人でも、割ることが出来ませんでした。いつまでも、悲痛な哀しみから立ち直れ無いままでした。

私の場合は、父や母だったんですが、特に、大切なお子さんを無くされたお母様の悲痛な哀しみは、私の想像を遥かに越える悲痛な哀しみだと思います。
なかには、伴侶を亡くされても、悲痛な哀しみから立ち直り、元気に明るく過ごしていたりする人もたくさんおられます。


前置きが長くなってしまいましたが、グリーフワークという悲痛な哀しみから立ち直る過程がスムーズに進まないと、普段の生活を取り戻す事が困難になるだけではなく、後追い自殺を考えたり、認知症にまでなってしまいます。
この時の殻をどうやって割ってあげるか?他の家族が理解し行動してあげなければならないですね。

自分自身がGISTという重篤な病気を発症したことによって見えてきたものがあります。人によって、様々な死生感がある中で生きていますが、最愛の人を亡くしてしまい、悲痛な哀しみから抜け出せないまま、元通りの社会生活に戻れないまま、悲痛な哀しみを、いつまでも引き摺ったままになっている人に、微弱な支えしか出来ないですが、お手伝いをしたい。という気持ちになりました。

私に、何が出来るのか?
何をすれば、支えになれるのか?

ずーっと、考えていました。

それは、「否定せずに、話を聞いてあげる」ことしかないのです。
重篤な病気を罹患した方への接し方と同じなんですよね。
とにかく、「話を聞いてあげる」
これしか無い。

今までは「グリーフワーク」や「グリーフケア」という言葉を知っているだけでしたが、この先は、知る➡実践する。ことだと考えに至りました。
少しでも、お手伝いが出来れば。

本当に微弱な支えしか出来ないと思いますけど、、、、





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