王83年オフ
昨シーズン終盤の83年3月、新たな労使協約が合意に至りました。
これによって大きく変わったのがふたつ。
ひとつはサラリーキャップ制度の導入、もうひとつが収益分配制度の導入でした。
収益分配については、それまでもなかったわけではないみたいなんですが恣意的なものだったようで、このときは “NBA全体の総収益の53%を選手側が受け取る” と制度化されたんですね。
そして、この新労使協約を受け、NBAチームを持とうと動き出した人たちがいました。
【83年6月8日】
ジョセフ・
このグループは北カリフォルニア(特にサクラメント)にビジネスの拠点を持つ投資家たちで、まずペイサーズの買収を試みますが失敗、キングスに落ち着きました。
ベンヴェヌーティが利権の約50%を持ち、残りの半分を(確認できる限りでは)ルーケンビルを含む5人で所有するかたちです。
旧オーナー・グループのレオン・カロセンは、新オーナー・グループについて太鼓判。
「このチームをカンザスシティに残すために尽力してくれているのは、この人々です」
「本当にそれだけです。チームを売却するのは、移転を目的としたものではないことを強調したいと思います。彼らは、カンザスシティで質の高いNBA運営を提供することを第一の目標としており、コートの継続的な改善を最優先に考えていると確約しています」
ルーケンビルも、キングスとケンパー・アリーナの残り2年のリース契約を履行すると公式にコメントしました。
「我々は成績の向上を目指しています」
「観客動員数の増加と財務の改善を目指しています。これは我々にとってビジネス投資です」
ただ、リース契約終了時に5年間の延長オプションがあるんですが、キングスがその後もカンザスシティに留まるかどうかは、今後2シーズンのコート内外での成績次第。
ルーケンビルの言葉は、説得力がないと捉えらていたようです。
因みに、旧オーナー・グループの負債は約800万ドルにも上ったとか。
【ドラフト当日】
①1巡目第13位でエニス・ワットリー、2巡目第38でクリス・マクニーリー、7巡目第152位でデイン・サトルを指名。
②ワットリー&マク二ーリー&84年のドラフト2巡目指名権をブルズに放出して、マーク・オルバーディング&ラリー・ミショウ(2巡目第29位指名)を獲得。
サトルはペパーダイン大出身のSG(6フィート3インチ)。
同大史上ではトップクラスの名選手で、卒業時には幾つものチーム記録を保持していました。
プレッシャーのかかる状況でも力を発揮できるシューターで、相手チームのHCたちからも評価されていました。
オルバーディングはキャリア8年のF(6フィート8インチ)。PFが適性かと思いますが、両Fでプレイ可能。
攻守に潤滑油のようなはたらきができるロールプレイヤーです。
7シーズン近く在籍したスパーズでは、平均10.5点・5.6リバウンドという成績を残しています。
ミショウはヒューストン大出身のPF(6フィート9インチ)。
同大が、3度NCAAファイナルに進んで「ファイ・スラマ・ジャマ」 と呼ばれていた頃のメンバーで、アキーム・オラジュワン(二学年下)、クライド・ドレクスラー(一学年下)らとチームメイトでした。
速攻やダンクで知られた同チーム出身のプレイヤーらしく、運動能力が高い選手。
オラジュワン加入前はブロックやFG成功率でチームをリードする存在でした。
FTはカレッジ通算で55%ほどとよくありません。
【実際のところは…?】
オーナー交代から約1ヶ月後、カンザスシティの市議会議員であるフランク・パレルモという方が、
“キングスの新オーナーたちは、84~85シーズン終了後、ケンパー・アリーナのリース契約が切れ次第すぐに移転できるよう、サクラメントに仮設アリーナを建設する計画を立てている”と主張しました。
キングス幹部はこれを激しく否定し、球団社長兼GMのジョー・アクセルソンは怒りのコメントを出します。
「パレルモのように思いつきで発言する人物が、市議会のスポーツ委員会委員長だというのは残念なことだ。こうした無責任な発言を、こんな間接的な形で否定しなければならないのは心外だ。
『キングスはどうせ出て行く』と言って何もしない人間がいる限り、その発言自体が移転を現実のものにしてしまう。協力する気がないなら、むしろ害にしかならない」
【補強一覧】
①レイ・ウィリアムスをニックスに放出して、ビリー・ナイト&金銭を獲得。
(ナイトは元々ペイサーズにおり、ニックスにトレードされたその日に成立したのがこのトレードです)
②ブルック・ステップをペイサーズに放出して、84年のドラフト2巡目指名権を獲得。
③ケニー・デナードをナゲッツに放出して、85年のドラフト3巡目指名権を獲得。
④ドン・ブージと契約。
⑤レジー・キングをソニックスに放出して、85年のドラフト2巡目指名権を獲得。
ナイトは、ABAとNBAで計9年のキャリアがあるスウィングマン(6フィート6インチ)。
そのうち7シーズン半をペイサーズで過ごしており、昨シーズンは80試合で平均17.1点・4.1リバウンドという成績でした。
ブージはキャリア11年のベテランPG。
ディフェンスに定評があり、これまでオール・ディフェンシブ1stチームにNBAで4度、ABAで2度選出されています。
得点力は高くありませんがシュートは上手で、3Pも武器です。