帆76年オフ②

 

ラムジーは、ブレーブスを離れた約1ヶ月後にブレイザーズのHCに就任。

就任初年度でNBAチャンピオンとなります。

 

【トレード(6月16日)】

 

ケン・チャールズ&ディック・ギブス&金銭をホークスに出し、トム・ヴァンアースデイルを獲得。

 

ヴァンアースデイルはキャリア10年/33歳のスウィングマン。

これまで4チームでプレイしており、20代後半に在籍したロイヤルズ時代にはオールスターにも三度出場。

昨シーズンはスタッツをガクッと落としましたが、それでも75試合で平均10.9点をあげています。

 

そんなアースデイルはブレーブス加入を拒否。

そのため、このオフのうちに再度トレードで放出されます。

 

【移転騒動②】

 

上記のトレードが行われた6月16日、バッファロー市が、移転計画を発表したブレーブスに対して訴訟を起こします。

『新しい15年のリース契約にサインするという約束を破った』として、1000万ドルの損害賠償を請求しました。

 

そして、バッファロー市は、NBAに対しても反トラスト訴訟を提起。

主張内容は下記2つとされ、もしブレーブスが移転した場合には4800万ドルの損害賠償を払うよう求めました。

 

①NBAがフロリダ州南部の市場を独占しようとしている

この当時、北米4大スポーツのフランチャイズは、NFLのマイアミ・ドルフィンズしかありませんでした。

 

②トロントの市場もコントロールしようとしている

将来的にトロントにチームが誕生した場合、ブレーブスがバッファローにいると近隣エリアで潰し合うことになる可能性があり、それを避けようとしているのでは?という主張。

 

①②ともバッファロー市の主張であり、NBA側がこれらを意図しているという具体的な根拠はなかったようです。

 

当初、コーワンはバッファロー市のこうした動きを見てなお移転に自信を見せていましたが、結局は訴訟の重圧によって頓挫(売却自体なしに)。

翌7月、ブレーブスとバッファロー市は、バッファロー・メモリアル・オーディトリアムの新しいリース契約を正式に結びました。

 

ただ、スナイダーには、地元資本へのチーム売却を引き続き模索することに対する了解事項が付され、“契約期間中、年間5000枚のシーズン・チケットを売ることが出来なかった場合は、いつでも契約を解除できる”というオプションもありました。

 

【ABAのディスパーサル・ドラフト(8月5日)】

 

ブレーブスは、77年のドラフト2巡目指名権をバックスに渡し、バード・エイブリット(ディスパーサル・ドラフトの7位指名)を獲得しました。

 

エイブリットはキャリア3年のG(6フィート1インチ・170ポンド)。

サイズは小さいですがスピードと跳躍力があり、プレイスタイルはSG寄りです。

過去2シーズンは強豪カーネルズの主力のひとりでした。

 

ちなみに、ブレーブスは自前のディスパーサル・ドラフト指名権もバックスに渡していますが、バックスがこれを使わなかったため、記録では省略されています。

 

【そして売却】

 

8月の終わり、スナイダーは、今度はフランチャイズの利権の50%をジョン Y・ブラウンJrという実業家に売却すると発表しました(この時点では契約完了ではありません)。

 

ブラウンはケンタッキー州出身で、KFCを世界的な企業へと育て上げた人物(64~71年まで)。

70年からはABAのケンタッキー・カーネルズのオーナーを務めました。

 

カーネルズはABA随一の強豪チームでしたが、このオフのNBAとABAの合併に際し、NBA加盟のために必要な300万ドルを支払う代わりに、300万ドルの補償金を受け取ってチームを解散させる道を選択。

このとき、ブラウンは「バスケットボールは自分が関わりたい種類のビジネスではない」と話していました。

 

ブラウンとスナイダーが交わした取引には、

“ブラウンがブレーブスの選手の契約を売ったら、そのお金はスナイダーへの支払いに充てることができる”

という条件が含まれています。


【8月末からの補強】

 

①ヴァンアースデイルをブレイザーズに出し、77年のドラフト2巡目指名権を獲得。

ジム・マクミランをニックスに売却。

フレッド・フォスター、ジョニー・ニューマンと契約。

ボブ・ワイスを解雇。

 

②は、ブラウンの懐事情による投げ売りと推測したくなってしまいますが、ダントリーが高額の複数年契約を結んだことで、ポジションの重なる二人をキープすることが難しいという理由もあったようです。

マクミランの年俸は20万ドルで、ニックスからは推定25万ドルをもらったとされます。

 

ちなみに、マクミランは高校がブルックリンで大学はコロンビア大なので、このトレードは故郷帰還のようなもの。

「たとえ全試合負けたとしても、バッファローにいるよりニューヨークにいる方がいいよ」とすごく喜んでいます。

 

フォスターは6フィート5インチのSF。

NBAでは7年のキャリアがありますが、昨シーズンはNBAでプレイしませんでした。

ブレーブスが5チーム目となります。

 

ニューマンは6フィート6インチのスウィングマン。

71~72シーズンからABAでプレイしており、昨シーズンはスクワイアーズとカーネルズに在籍。

ディスパーサル・ドラフトでは指名されませんでした。

 

シュート力のある選手で、ABAでは5年間で平均14.9点を稼いでいます。

 

【10月、開幕直前】

 

①78年のドラフト1巡目指名権をブレイザーズに出し、モーゼス・マローンを獲得。

デイル・シュリューターを解雇。

 

マローンは74年に高卒でABAのユタ・スターズ入りしたC(6フィート10インチ)。

ABAでは、2シーズンで平均17.2点・12.9リバウンド・1.2ブロックをマーク。

この当時まだ21歳でした。

 

ブレイザーズがマローンを手放したのは財政的理由。

ブレイザーズにはビル・ウォルトン、モーリス・ルーカスとフロントラインに優秀な選手がおり、指名はしたものの、マローンの契約は(控えとしては)重かったようです。

 

マローンはこの当時すでに“プロバスケットボール界屈指の若手センター”、“一流のリバウンダー”という評価をされていたようですが、若さゆえか将来MVPを三度受賞するほどの選手になるとまでは思われていなかったのかもしれません。

 

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激動のオフでしたが、ブレーブスにはまだ問題があります。

ボブ・マッカドゥーとの契約延長交渉がまとまらないんですね(来るシーズン終了後に契約が切れます)。

 

つづく