王84~85シーズン①
シーズンと並行して移転の話が進んでいきます。
開幕からホーム4連戦というありがたいスケジュールだったんですが、そのすべてに負け、更に5試合目のロード戦にも敗れ、開幕5連敗。
スタメンは昨シーズン終盤と同じなんですがまったく勝てず、1勝8敗となったところでなんとジャック・マッキニーがHCを辞任してしまいます(!)
●お疲れさまでした
当時の記事を見ると、辞任の理由はストレスが原因という感じなんですが、wikiを確認すると、この人は記憶力の問題が続いていた(79年の事故の後遺症でしょうか)ことと情熱がなくなってしまったことを理由にこれ以後コーチをやらないとのことなので、そもそもコンディションがよくなかったのかもしれません。
マッキニーは次のようにコメントしています。
「この決断は本当に残念な思いで下しました。この2か月間、私はチームを立て直し、堅実なNBAチームにするために懸命に取り組んできました。しかし、それを成し遂げようとする過程は、私にとって非常にフラストレーションのたまるものでした。そのストレスのせいで、何夜も眠れない日が続き…ついには、完全に燃え尽きてしまいました。自分の健康のためにも、この仕事は他の誰かに任せた方がいいと考えています」
「私の決断のタイミングが、キングスという組織にとって不利な状況になっていることは承知していますが、それでも、チーム、ファン、そしてフランチャイズにとって、別の方向に進む方が良いと考えています。
キングスには感謝しており、経営陣が私に貢献できると判断されるのであれば、別の立場での残留を申し出ました」
後任はフィル・ジョンソン。
70年代にキングスで約4シーズンHCを務めたジョンソンが戻ってきました。
ジョンソンはキングスを離れた後、ブルズとジャズでACを務めており、今回の人事はキングスのフロントがジャズのフロントに許可を得て成立したのでした。
ジョンソンの契約は、3年間+このシーズンの残りをカバーするもの。
このタイミングで、ACのフランク・ハンブレンにも2年の契約延長が与えられています。
ジョー・アクセルソンは、
「ジャックは先週の水曜日に辞意を表明し、できるだけ早く職務から解放して欲しいと私に言ってきた」
「彼の決断は全く予想外だった。マネージングパートナーのグレッグ・ルーケンビルとすぐに状況を確認し、以前このチームでHCを務めたフィル・ジョンソンに一度相談することを決めたんだ」と経緯を説明。
「ジャック・マッキニーは、優れたコーチであり、人間としても立派な人物だ」
「彼には大いに同情している。こちらからプレッシャーをかけないようにしてきたつもりだが、プロスポーツの世界では、結局は自分たち自身が重圧を背負ってしまうものだ。主力選手の何人かがスロースタートだったことに新しいシステムへの移行が重なり、残念な出だしになってしまった。時間さえあれば、彼なら必ず立て直していたと思う」とフォローもしています。
ジョンソンHCについては、「フィルは金曜の夜(レイカーズ戦)の試合を見ているし、プレシーズン中の我々の試合もチェックしている。だからチームの強みも弱みも当然わかっている。彼なら役目をきちんと果たしてくれるし、我々も必要なサポートはすべて惜しまないつもりだ」とのこと。
~~~~~~~~~~~~
ジョンソンHCは初陣を勝利で飾りますが、その後は勝ったり負けたり。
12月に少し借金を減らすんですが、1月に6連敗を喫したことで借金が2桁へ。
この頃には、サクラメントへの移転話が着々と?進んでいました。
●移転に向けて①
開幕2戦目が終わった84年10月31日、アクセルソンは、ケンパー・アリーナのリース契約における5年間のオプションを更新しないと発表。
そして、11月21日には “アリーナに関する、市とのリース契約が当初の条件に戻らない限り、カンザスシティにおけるチームの将来についての交渉を再開しない” と発表しました。
この日は、チームをカンザスシティに残留させるために必要な条件(観客動員数や収入面の数字)を公表する期限でもあったんですが、ルーケンビルらは、最終的にこれらを公表しないことにしたとも述べています。
キングスは長年に渡って、“市が、ケンパー・アリーナのリース契約で、キングスに認められているはずの権利を十分に行使・執行しようとしてこなかった” として不満を抱いていたようなんです。
ルーケンビルは、“リース契約が当初の条件に戻され、リース契約更新の期限が85年2月15日まで延長された場合に限り、財務上の数字を公表して交渉を再開する” としました。
「要するに、市政府が “ゲームのルール” を変えてしまった。彼らがそれを元に戻さない限り、我々はカンザスシティにおけるプロバスケットボールの将来を、より公にならない方法で判断していくことになる」
キングスとしては、“ケンパー・アリーナで行われるすべてのイベントにおいて独占的な広告権を有している” という認識だったようなんですが、市は、MISLのコメッツに対して「広告に関しては好きなようにやるように」と認めたらしいんです。
これがキングスとのリース契約に抵触するんですね。
●移転に向けて②
12月18日、キングスのオーナー陣は、プロバスケットボールおよびその他のスポーツに使用できる、収容規模1万人のアリーナを建設・運営するための許可を、サクラメント群当局に申請したと報道されました。
(開幕2週間前にサクラメントの地元紙で報道されたやつですかね)
これは、ケンパー・アリーナの現在のリース契約が満了する(85年6月)までに契約を更改できなかった場合、キングスの本拠地として使用される可能性がある、ということ。
サクラメント・スポーツ協会は、12月5日付で、軍直轄地(倉庫や工業団地として用途指定されている土地)に1200万ドルをかけてアリーナを建設するための許可申請を行っており、これを群の当局が承認すれば、85~86シーズンの開幕に間に合わせることも可能だとしています。
そして、群の関係者曰く、この許可申請はおそらく承認されるだろうとのことです。
オーナー側のスポークスマンは、まだサクラメントへの移転を決定したわけでないと話していますが…
「このアリーナ建設の決定は、カンザスシティ・キングスがサクラメントへ移転することを意味するものではない」
「我々は準備を整えておきたいだけだ。大きな出来事が自然に転がり込んでくるのを待って、いざとなってから適切な施設を探して右往左往するようなことはしたくない」
つづく