王72~73シーズン①
キングスの初陣は72年10月11日、オマハで行われたレイカーズ戦。
この試合にはボロ負けしますが、カンザスシティで行われた開幕2戦目で初勝利をあげました。
序盤のスターターはおそらくこんな感じ。
タイニー・アーチボルド
マット・グーカス
トム・ヴァンアースデイル
ロン・ライリー
サム・レイシー
アーチボルドは昨シーズン後半の勢いを開幕から発揮。
ほとんどの試合が出ずっぱりで、30点オーバー&2桁アシストを連発し、チームを引っ張ります。
エースのこの活躍が効いたか、チームは3勝7敗と出遅れた後の10試合を9勝1敗として貯金生活へ(12勝8敗)。
開幕から1ヶ月以上経っても勝ち越していたのはひさしぶりです。
崩れたのは年末。20勝17敗としたところから7連敗。
25勝29敗でオールスターブレイクを迎えると、ブレイク明けにはトレードを敢行。
インサイドの補強に動きました。
●意図はわかります
ヴァンアースデイル&74年のドラフト3巡目指名権をシクサーズに放出し、ジョン・ブロックを獲得。
アースデイルは、キャプテンで、昨シーズンまで3年連続でオールスターにも選ばれ…と中心選手のひとりだったんですが、このシーズンは低調。
(おそらく故障による)欠場もあったんですが、11月から大幅にスタッツを落としていました。
このシーズンのハイライトは、1月にオマハで行われたサンズ戦で ”双子無料キャンペーン” が行われたことでしょうか(サンズには双子の弟ディックがいました)。
21組の双子がこのキャンペーンを利用したようです。
ブロックは7年目のF/C。
ドン・コジス、トビー・キンボールと同じく、67年にエクスパンション・チームのロケッツで花開いたひとり。
このシーズンはシクサーズで平均17.9点・9.2リバウンドをあげ、オールスターに初選出されていました。
因みに、このシーズンのシクサーズは歴史的に弱いチームでした(9勝73敗)。
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トレードにより、こんなラインナップが主に。
アーチボルド
グーカス
ネイト・ウィリアムス
ブロック
レイシー
トレード直後は9試合を6勝3敗とするなど悪くなかったんですが、2月半ばからの6連敗で31勝39敗とトーンダウン。
36勝46敗でシーズンを終え、6年連続でプレイオフ出場を逃したのでした。
アーチボルドのお陰か、オフェンスのスタッツは悪くないんですが、ディフェンスとリバウンドが脆弱(先のトレードでも改善されなかったでしょうか)。
被FG成功率とリバウンドはリーグ最下位でした。
【スーパースター☆】
アーチボルドにとってはこれがキャリアのベストイヤー。
80試合で平均46.0分(リーグ1位)プレイし、平均34.0点(リーグ1位)・11.4アシスト(リーグ1位)・FG成功率48.8%・FT成功率84.7%をマークしました。
同一シーズンに得点王とアシスト王になった選手は史上初めて☆
総アシスト数910本もリーグ記録でした。
(※オスカー・ロバートソンも平均得点&平均アシストで同一シーズンにリーグ首位になっていますが、ロバートソンの時代はまだシーズン通算でリーグーリーダーが決まっていました)
40点以上あげた試合が18試合もあり、得点アベレージは、Gとしてはこの当時のリーグ記録。
また、平均出場時間は、これ以後ここまで長くプレイする選手は現れません。
この他、平均FG試投数、平均FT試投数&成功数などもリーグ1位。
平均FG試投数26.3は非常に多い数字で、これもまた、今後これより多く試投する選手はほとんど出てきません(マイケル・ジョーダン、アレン・アイバーソン、コービー・ブライアントが1シーズンずつ)。
初出場となったオールスターにはスターターで出場。
オールNBA1stチームにも初選出され、MVPの投票ではデイブ・コーウェンス、カリーム・アブドゥル-ジャバーに次ぐ3位に入っています。
この当時の映像を見ると、他の選手と比べて、スピードとクイックネスのレベルが違うでしょうか。
その圧倒的なスタッツはロバートソンと重なる気もしていまいますが、ボブ・クージーHCとの関係性は良好だったようです。
「彼は選手としての私を助けてくれた」
「彼は能力をもっとも効果的に使う術、チャージのかけ方、チームの動かし方を教えてくれた。彼は俺をよりよい選手にしてくれたんだ」
クージーHCも、アーチボルドはコーチングをうまく吸収し、体格にも関わらず得点力があり、ボールの扱い方を心得ていたと評価。
「彼は練習にいちばん乗りして、いちばん最後に帰るんだ」
「チームのニーズに適応しようと懸命に努力してきたんだ。」とも語っています。
アクシデントとしては、遠征中、カンザスシティに一緒に住んでいた弟が、強盗とドラグの使用で逮捕されるということがありました。
アーチボルドが大急ぎで遠征先から戻ると、弟はドラッグの使用過多のために支離滅裂な言動と幻覚作用を引き起こしていたとのこと。
最終的には、アーチボルドのもう1人の兄弟が生活を正すためにカンザスシティの家に来て、リハビリに励むそうです。
【ウィング】
グーカスは自己ベストだった昨シーズンを更新。
79試合でキャリアハイの平均36.0分プレイし、平均9.1点・5.1アシスト・FG成功率57.0%(リーグ2位)をマークしました。
FG成功率は、グーカスはランキングに名を連ねている他の選手たちよりもシュート数が少ないんですが、それでもFG成功率55%を超えたのは素晴らしいです(グーカスを含めて3人のみ)。
因みに、1位はウィルト・チェンバレンの72.7%です。
ウィリアムスは80試合で平均11.8点。
FG成功率は47.7%にアップさせていますが、全体的には昨シーズンからほぼ横ばいですかね。
アースデイル移籍後にスタッツを伸ばしており、特に3月の10試合では平均19.4点をマークしています。
ドン・コジスは77試合で平均8.5点。
おそらく主に控えとして起用され、ミニッツが7シーズンぶりに平均20分を割るなど(昨シーズン比で平均9分ほどダウン)、多くのカテゴリーで数字を落としました。
ただ、FG成功率48.0%はキャリアハイです。