牛88~89プレイオフ:Cファイナル②

 

予想できたことではあったけれど、ネタも多く、このシリーズは長くなりそうです。

 

●ゲーム2@ザ・パレス・オブ・オーバーン・ヒルズ

 

この日の早朝、ジョーダンはインフルエンザに罹患。

カートライトも同様の症状で前日の練習を休んでいます。

 

~~~~~~~~~~~~

 

ゲーム開始からトーマスが積極的で、やや強引なシュートや3Pも決めてこのQだけで12点。

ただ、チームとしてはブルズの方が好印象。

色んな選手が得点に絡み、リバウンドもいい感じです(23対19とブルズリード)。

 

2Qは接戦。ブルズはグラントが良く、前半だけで12点&10リバウンドのダブルダブル。

一方のピストンズは、トーマスはおとなしくなりましたが、ジョンソンが連続で得点を重ね、こちらも前半だけで12点をあげました。

Q終了間際、ブザービーター狙いの3Pを打つジョーダンにロドマンがファウルを犯してしまい、(ジョーダンがFTを2本決め)49対49に。

 

このとき、反対側のゴールポスト前で反省?自身を宥める?ロドマンが印象的でした。

 

3Q。ピストンズはトーマスが再び積極的に攻め(このQも12点)、レインビアの3Pなども重なって先行。

ブルズは一時9点ビハインドとなってしまいます。

 

しかし、ここで持ち堪えるのが今年のブルズ。

ジョーダンでなかなか攻められず、おまけにQ終盤には4ファウルでベンチに下がりますが、グラントらが繋いで点差を詰めるんですね。

 

ゲームの流れがあらぬ方向に動いたのはこのQ終盤。

サム・ビンセント&ピッペン対レインビアという2対1の場面で、ピッペンがレインビアの上からレイアップを狙いますが失敗。

ボールを取り戻したピッペンは再びゴールに向かいますが、ここでレインビアに乱暴に叩かれ(ファウル)、これにビンタ?で応戦。

その報復でレインビアが両手でピッペンの胸を押しました。

 

そしてこの直後、レインビアはピックをセットしようとしてパクソンに肘が入り、退場。

レインビアは2Qにも肘うちでテクニカル・ファウルを喰らっていたので、これが二度目。

レインビアはFT中、レーンにしゃがみ込みんでいました。

 

しかし、ここでブルズもピッペンが左足の怪我でベンチへ。

どのタイミングで負ったものかわからないんですが、土踏まずを傷めたようで、ピッペンもこの後コートに戻りません。

(70対75と5点ビハインドで終了)。

 

4Q。ブルズは、残り7分を切ったところでジョーダンのジャンパーで82対83の1点差に迫りますが、ピストンズはここからトーマス&デュマースで点差を戻します。

そして残り3分45秒、アグワイアがダンクを決め、83対94と最大11点差となったところで勝負あり。

 

この後もトーマスとロドマンがテクニカル・ファウルを吹かれるなど(トーマスはレフェリーに噛み付き、ロドマンは判定に不服でボールをヘディング)、ピストンズはどこか散漫に見えましたが、それでもブルズは追い上げることが出来ませんでした。

 

最終スコアは91対100。

 

「寒気がして体中が痛かった」というジョーダンは27点。

負傷のピッペンは12点で、試合が終わる前にセラーズの肩を借りてロッカールームへ下がりました。

 

この試合のブルズのヒーローはグラントで、16点&20リバウンド(キャリアハイ)をマーク。

カートライトは、苦しいシュートを打たされる場面が多く、ホッジスもよくありませんでした。

 

ピストンズは、トーマスがゲーム最多の33点。

これに加えてデュマース20点、ジョンソン16点とバックコート陣を中心に得点を取りました。

最後にやからしましたが、ロドマンも8点&12リバウンドと持ち味を出しています。

 

レインビアは、二度の肘うちを故意ではないとし、もし別の選手だったら同じ判定はされなかったのでは?と示唆しました。

 

デイリーは ”この2年間で最も大事な試合だった” として勝利に安堵したようですが、雰囲気は微妙。

レインビアは「今、精神的に少し混乱している」、トーマスは「今夜のプレイの仕方は好きではない」とコメントしました。

 

更にトーマスは「4、5年前のように、勝つために責任をとらなければならなかった(ジョーダンを上回る27本のシュートを打ってます)。このチームでそんなことをする必要はない」

「もしアイザイア・トーマスとマイケル・ジョーダンの戦いなら、私は毎回その戦いに負けるだろう」など、現状を危惧。

試合後には選手のみのミーティングを開きました。

 

ミーティングを招集した理由についてトーマスは、

「我々は実行できていない。スマートなバスケットができていない。ボールを動かせていない。スクリーンをセットできていない」
「ディフェンス面では、多くのミスをしている。スクリーンアウトができていない。いつものようにボードを攻められない。ボールもうまくキャッチできていない」
 

ミーティング後のトーマスの表情はまるで、ヒートに負けたかのようだったそうで、「問題はゲーム3までに解決しそうか?」と聞かれたときには、「その方が良いに決まってる」と返しました。

 

レインビアのコメントから窺えるんですが、この頃のピストンズには、レフェリーやリーグの上層部が自分たちに目を付けている/監視している、という ”バッドボーイズのイメージとの戦い” という強迫観念みたいなものが、あったようです。

セミファイナル6戦の乱闘騒ぎでピッペンが罰金しか課されなかったことに不満を表したのも、その類ですかね。