騎01年オフ①

 

昨シーズン終了の翌日(4月19日)、フロントはランディ・ウィットマンを解任しました。

 

【コーチ交代へ】

 

ウィットマンは契約が1年残っており、シーズン最終戦後には”来シーズンもコーチとして戻ってくる”という主旨のコメントをしていたのですが…

 

ジム・パクソンGMは「彼はいいコーチだと思うけれど、今このチームに必要な人材ではなかった」とコメント。

ジドルナス・イルガウスカスの離脱が痛かったことを認めつつ、その後の10連敗を看過できなかったようです。

 

チーフ・アシスタントだったマイク・ウッドソンも解任となりました。

 

【新HC】

 

パクソンは後任の条件として、NBAでのHC経験があることを挙げました。

まず、マブスでACを務めるデル・ハリスの名前が挙がりますが、これは早々になしに。

 

ハリスは、NBAのHCとして約13シーズンのキャリアがあり、何度もプレイオフに進んでいるベテランですが、マブスに留まることを望みました。

「選手たちは若く勤勉で、どんなコーチも望むような働きやすいグループなんだ。街もファンもプログラムも最高級で、今ここにいられることを、私の家族は恵まれていると感じている」


次の候補はナゲッツでACを務めるジョン・ルーカスと、フォーダム大でHCを務めるボブ・ヒル。

ヒルは同大で10年契約の2年目を終えたばかりでしたが、その契約には、プロ復帰のためのバイアウト条項があるようです。

 

2人ともキャブスでの仕事に関心を示していましたが、キャブスが最終的に選んだのはルーカス。

ドラッグ中毒から立ち直った過去があり、その後は自らリハビリ施設を運営するなど面倒見が良く、選手から慕われるコーチです。

 

ただ、HCとしての指導力は微妙。

スパーズとシクサーズで2シーズンずつ指揮を執りましたが、スパーズでは(シーズン中はよかったものの)プレイオフで結果を残せず、シクサーズでは再建に失敗しました。

 

ACはキース・スマートが残り、新たにジェリー・イーブス、ロン・エッカーが加入。

 

イーブスは90年からカレッジとNBAでACを務めており、ここ2シーズンはホーネッツにいました。

エッカーはこれまでカレッジやCBAでのコーチキャリアが長く、NBAでの仕事は97~98シーズンにマブスのACを務めて以来です。

 

【ドラフト当日】

 

①1巡目第8位でサガナ・ジョップ、2巡目第36位でジェフ・トレパニアーを指名

②1巡目第20位でブレンダン・ヘイウッドを指名し、マジックのマイケル・ドレアックとトレード。

 

ジョップはセネガル出身の高卒C(7フィート・300ポンド)。

出身はオーク・ヒル・アカデミーです。

 

バスケを始めたのが高校から(15歳)と遅く、だいぶ荒削り。

2月に左足を疲労骨折してスクリューを入れており(イルガウスカスと同じ医師が治療)、オーバーウェイト気味でもありますが、動きは良く、腕も長いです。

 

「ジョップは我々が欲しかった男だ」

「このドラフトにあたって、うちはもっとサイズが必要だと感じていた。ジョップはまだ発展途上だが、長くこのリーグで活躍するポテンシャルがあるよ」

 

…とパクソンは大喜び。

パクソンは ”骨折がなかったらこの順位では指名できなかった”とまで考えていたようで、ドラフト前にはジョー・ジョンソン、ロドニー・ホワイトに関心がある素振りを見せるなど、獲得を切望していました。

 

ルーカスもジョップを気に入っており、自分の家に住まわせようとしたとか(実際にそうなったかは不明)。

「3年目の終わりには、彼はオールスターになる準備が出来ていると思う」としました。

 

トレパニアーはサザンカリフォルニア大出身のSG(6フィート4インチ)。

跳躍力があり、運動能力の高い選手で、ドライブやダンクに魅力があります。

ポジションの割にはリバウンドも取れ、スティールも◎。

アウトサイドシュートとハンドリングが難点でしょうか。

 

ルーカスは、”このドラフトでジェラルド・ウォレスの次にアスレチック能力の高い選手”と評しています。

 

ところで、この人には4年次に大騒動がありました。

 

トレパニアーには、1年生の時からマリカ・エドモンソンという彼女(同大の陸上選手)がおり、トレパニアーは、その父であるウォーレンを連帯保証人として車のローンを組みました。

 

問題となったのは、マリカの母でありウォーレンの妻であるバーバラが同大の元女子陸上のコーチであり、この当時、ボランティアでアシスタントも務めていたこと。

NCAAは、エドモンソン夫妻が大学関係者であると捉えたんですね。

 

トレパニアーは別の連帯保証人を探しますが上手くいかず、01年の年明けにマリカと結婚(元々、夏に結婚する予定)。

”親族がローンの連帯保証人になるのであれば問題はない”ということで復帰が認められたのでした。

 

この問題の前には、代理人からお金をもらって、友人のティト・マドックスとラスベガスに旅行していたという件もあり、NCAAがそれぞれの調査をしている間、トレパニアーはプレイできず。

計9試合の出場停止処分となりました。

 

怪我と処分で出遅れたためか、4年次のスタッツはかなり伸び悩んでいます。

ドレアックはキャリア3年のC(6フィート11インチ)。

ミドルレンジのジャンパーが上手く、マジックでは主に控えでしたが、一定の働きが期待できます。

アンドレ・ミラーとはユタ大でチームメイトでした。