P98~99プレイオフ:1stラウンド②

 

オーナーのパット・クローチは、士気を高めるため、ホームでの一戦を前に髪を剃ってスキンヘッドになりました。

クローチはファンにもそれを要求し、実際に剃った人たちもいたとか…

 

●ゲーム3@ファースト・ユニオン・センター

 

試合開始からシクサーズのペース。

アイバーソンは1Qだけで10点をあげ、一方のマジックは10個のTOを犯します(ペニーとアームストロングが4つずつ)。

23対15とシクサーズ8点リードで1Q終了。

 

2Qは、前半はマジックも粘りますが、後半にシクサーズがスパーク(というかマジックが停滞したというべきか)。

ヒューズのアクロバティックなシュートや、スノウのエアボールをアイバーソンが空中でキャッチして得点に繋げるといった魅せるプレイもあり、46対31で前半を終えます。

 

マジックは前半だけで18TO(シクサーズは2本)。

ペニーは2本しかシュートを打てず、僅か2点でした。

 

3Q序盤、マジックはアンダーソンが得点を重ねますが、シクサーズはアイバーソンやヒューズの活躍で更にリードを拡げます。

アイバーソンはディフェンスも絶好調で、このQまででプレイオフ記録の9スティールをマーク。

ヒューズのダンク3本はアリーナを盛り上げました。

75対55と20点リードで最終Qへ。

 

4Q。マジックはようやく少し追い上げますが、残り1分半ほどで11点差とするのが精一杯。

97対85で2勝1敗としました。

 

アイバーソンは33点&10スティール。

10スティールは、プレイオフ記録というだけでなく、シーズンを含めても、30点&10スティールを達成したのは史上3人目という快挙でした(あと2人はアルビン・ロバートソンとマイケル・ジョーダン)。

 

この他、リンチが17点&8リバウンド、スノウが13点&8アシスト、ヒューズも13点、タイロン・ヒルは11点をマークしています。

 

マジックはペニーが後半復調して18点(3P4/8)&5アシスト。

アンダーソンが23点(3P4/11)&8リバウンド、ハープリングもベンチから10点をあげましたが、またしてもアームストロングが今ひとつ。

15点&7アシストでしたが、シュートの確率が悪く、おまけに9TOでした。


●ゲーム4@ファースト・ユニオン・センター

 

あとがないマジックが7対0と良いスタートを切りますが、1Q後半にはアイバーソンの連続得点でシクサーズが逆転。

23対18で1Qを終え、前半終了時には47対36としました。

 

3Qもシクサーズのペースで進みますが、64対46と18点差をつけたところからマジックの反撃が始まります。

アンダーソンの連続得点で点差を詰めると、残り4分を切ったところではペニーの3P(この日初めてのFG)で6点差に。

 

77対71で最終Qに入ると、4Q序盤にはアームストロングの3Pで同点、マット・ハープリングのFTでマジックが逆転とどちらに転ぶか分からない展開となりました。

 

残り5分を切って86対86と同点の場面。

シクサーズはアイバーソンがドライブからのプルアップジャンパーを決め、ここから15対5のランを出します。

 

マジックは残り2分10秒ほどでペニーが3Pを決め、89対93としますが、シクサーズは残り45秒でアイバーソンがフローター気味のジャンパーをヒット(95対89)。

ここで勝負が決まりました。

 

シクサーズは101対91で勝利。

3勝1敗でシリーズ突破を決めました。

 

アイバーソンは37点&9アシスト。

ブラウンはそのプレイを次のように絶賛しました。

 

「いい選手は周りの選手をよくする。ここに来た当初、彼がそうなるとは思わなかった。でも、昨シーズンの後半から今年にかけて、彼は偉大な選手がすることをやっている。周りの選手をより良くしているし、多くの責任を負っている」

「私はこれまで、勝負どころで逃げたり隠れたりする選手をたくさん指導してきた。彼はステップアップするんだ」。
 

スノウの20点はキャリアハイ。ペニーに対するディフェンスも◎です。

リンチ8点&10リバウンド、ヒューズ14点、ヒル9点もいいですかね。

 

マジックはペニーが17点(FG3/17)と大乱調。

3本のシュートはいいところで決めたものですが、スノウのディフェンスが効果的だったようです。

試合前、ペニーは、勝つためには自身の得点力が必要だから少なくとも20本のシュートは打つつもりだとしていましたが…

 

アンダーソンはチームトップの29点でしたが、28本打って10本しか決まっていません。

アームストロングは14点&8アシスト&4スティール、グラントは12点&8リバウンドでした。

 

この試合についてブラウンはこのようにコメント。

 

「18点差をつけたんだから、楽勝だと思っていた。でも、彼らが素晴らしいゲームにした。残り6分で、これは我々が成長し、シリーズやプレーオフの大一番に勝つとはどういうことかを理解する絶好の機会だとチームに伝えた」
 

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アイバーソンの活躍については、チャック・デイリーも「ほとんどアイバーソンのショーだった。彼がチームのためにしていることに、彼らが気付いているのかもわからない」と高評価。

シクサーズは、ガイガーがゲーム2以降不調で、シオ・ラトリフもシーズン中を下回る出来でしたが、大きな問題にはならず。リンチやヒルがカバーしましたかね。

 

マジックは、ゲーム2こそ良いチーム・ディフェンスを見せましたが、総じてスピードに欠け、アイバーソンやヒューズについていける選手がいませんでした。

アイバーソンのマークが、(ダブルチームも仕掛けるとはいえ)アームストロングやハープリング頼みでは厳しいですよね。


オフェンスも低調で、FG成功率はゲーム2の40%が最高。

ペニーは「このシリーズの自分のプレイに失望している」と振り返りました。