P95年オフ

 

このオフはエクスパンション・ドラフトがあり、BJ・タイラーを失いました。

契約切れの選手が多かったので、プロテクトしなかったのはタイラーだけです。

 

【ドラフト】

 

ドラフト1巡目第3位でジェリー・スタックハウスを指名。

 

ノースカロライナ大出身のスウィングマン(6フィート6インチ)。

NBAでは主にSGとしてプレイしますが、カレッジ時代はSFでした。

 

ノースカロライナ大ではラシード・ウォレスと同期。

2人を擁した94~95シーズンのチームはファイナル4まで進んでおり、このオフ2人揃ってアーリーエントリーを表明しました(ウォレスは4位でブレッツへ)。

 

スラッシャータイプで、跳躍力を活かしたダンクは見応えあり。体つきもしっかりしているでしょうか。

リバウンドやブロックも多く、オールラウンドな貢献ができます。

ドラフト時に指摘された弱点はハンドリングの悪さ。

また、カレッジ時代にミニッツが少ないと不満を漏らしていたという話もあります。

 

”ノースカロライナ大出身のウィングプレイヤーで1巡目3位指名”という経歴などから、マイケル・ジョーダンと比較する声も。

 

【FA】

 

ディナ・バロス、ウィリー・バートンが移籍。

デリック・アルストンだけ再契約で引き留めました。

 

昨シーズンのMIP、バロスはちょっとした人気銘柄となり、6年間3000万ドルを超える契約でセルティックスへ移籍。

シクサーズに対しては7年契約を求めており、交渉はまとまりませんでした(シクサーズの提示は3年契約)。

 

バートンは、自身に来た最も高額なオファーをチョイス。

イタリアへ渡ります(のちにこれを後悔しているとコメント)。

 

新戦力として、リチャード・デュマス、バーノン・マクスウェル、エルマー・ベネットと契約。

 

デュマスは6フィート7インチ、25歳のF。

ポテンシャルが高く、93年のファイナルで活躍したのは有名ですが、ドラッグとアルコールの問題を抱えており、これまでにNBAからのサスペンションを2度喰らっています。

 

このオフ、サンズから解雇されており、今回はそこにジョン・ルーカスHCが手を差し伸べたかたち。

ルーカスのリハビリ施設にいたことがあり、その当時は、ルーカスのチームでもプレイしています(HCはルーカス)。

 

ルーカスは「リチャードほど才能のある選手はそういない」と高く評価しており、デュマスも「ジョンとは長い付き合いだ。彼は僕のことを理解してくれる」としています。

 

マクスウェルはキャリア7年のG。

ここ5シーズン半はロケッツにおり、そのほとんどをスターティングSGとしてプレイ。

シューターとしては確率が悪いんですが、外しても打ち続ける姿勢と爆発力があり、94年の優勝に貢献しています。

 

難点はこちらも素行の悪さ。

デュマスほどではないけれど(タイプが違うとも言える)、これまでコート内外問わずちょいちょいトラブルを起こしており、昨シーズンはプレイオフ中にチームから離脱。

オフに入って間もなく解雇されていました。

 

ロケッツ解雇~シクサーズと契約までの間にも、車内にマリファナを所持していたのが見つかって摘発されたり、父子関係絡みの訴訟を起こされたりしています。

契約後には素行の改善を誓っていますが…

 

因みに、ルーカスは今回、マクスウェルをPGとして起用します。

 

ベネットは(この時点では)CBAが主戦場のPG。

92年のドラフト2巡目指名なんですが、NBAデビューは昨シーズン途中。キャブスでした(10日間の在籍)。

 

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このオフの一連の補強について、オーナーのハロルド・カッツは、「昨シーズンのうちはソフトだった。ルーカスと私はそれを変えられる選手を探したんだ」とコメント。

マクスウェルもデュマスも、たしかにソフトではないかもしれませんが…