P94~95シーズン①

 

1勝6敗と出遅れますが、12月頭には7勝9敗と浮上。

 

スケジュールが比較的楽だったことに加え、開幕からスタメンに定着したディナ・バロス、3年目のクレアレンス・ウェザースプーン、開幕直後に契約したウィリー・バートンあたりがよかったですかね。

 

崩れたのは12月半ばから。

7勝10敗となったところでジェフ・マローンが足の怪我で離脱したのが響いたか、5連敗と9連敗を喫し、1月半ばにはドアマットへ。

オールスターブレイクの時点で14勝34敗と、カンファレンスで下から2番目まで落ちました。

 

後半戦はブレッツと最下位争い。

3月の8連敗で一時ビリになってしまいますが、ラスト8試合を4勝4敗とし、なんとかブレッツには負けず。

最終成績は24勝58敗でした。

 

得点力が低く、平均得点は下から3番目。

ディフェンスの方が幾らかマシですが、オフェンスの弱さを埋めるほどではなかったです。

 

ミスも多く、オフェンスではアシストがリーグ最少だったのに対し(平均19.1本)、TOはリーグで6番目の多さ(平均16.5本)でした。

 

よかったのは3Pとブロックで、後者はリーグ2位。

これはバロスとショーン・ブラッドリーのお陰ですかね。

 

【PG】

 

バロスは全82試合でスタートし、平均40.5分(リーグ2位)もプレイ。

平均20.6点・7.5アシスト・1.8スティール(リーグ10位)・FG成功率49.0%・3P成功率46.4%(リーグ3位)・3P成功数197本(リーグ4位)・FT成功率89.9%(リーグ3位)とキャリア最高のシーズンを過ごし、MIPを受賞しました☆

 

オールスターウィークエンドでは、3Pコンテストだけでなく(1stラウンド敗退)、本戦にも出場。

3月半ばのロケッツ戦ではキャリアハイの50点を稼ぎ、4月頭のマジック戦ではキャリア唯一のトリプルダブルをマークしています。

 

アシストも増えましたが、この人の魅力はやはりシュート力。

スピードとシュート力を活かしてマークを外すのが上手く、プルアップの3Pも武器のひとつです。

58試合連続3P成功というこの当時の記録も作っています。

 

ルーキーのBJ・タイラーは55試合で平均3.5点・3.2アシスト。

8試合でバロスと並んでスタートしましたが、特にインパクトは残せませんでした。

身体能力の高さとハンドリングのスキルはありますが、得点力があるわけでも、プレイメイクが上手いわけでもないんですよね。

 

2月半ばには10日間契約でケビン・プリチャードが加入。

27歳のジャーニーマンGで、NBAでプレイするのは3シーズンぶり。

5試合で解雇されますが、直後にヒートに拾われます。

 

因みに、これは実現しなかったんですが、シーズン序盤には”ACとしてシクサーズに戻ってきたモーリス・チークスが現役復帰する?”という話がありました。

 

チークスはこのとき38歳。

”自分はプレイするために戻ってきたのではなく、コーチとして戻ってきたんだ”としつつも、”自分がどうしたいのかわからない”と迷いもあった様子。

ジョン・ルーカスHCも、”彼はリーダーシップをもたらしてくれる”とコメントしており、チークスの意思によっては復帰もあり得たかもしれません。

 

【SG①】

 

マローンはトータル19試合の出場。

12月頭に戦列を離れた後は、年末に1試合、3月末に1試合プレイしただけでした。

 

3月末の試合ではチーム最多の28点をあげて勝利に貢献しましたが、ルーカスHCが復帰を少し急かしたらしく、これによって怪我が悪化。

その後の試合はすべて欠場となりました。

 

マローンの代役を務めたのはバートン。

90年のドラフト1巡目でヒート入りしたスウィングマンで、まずまずの得点力がありますが、鬱病やアルコールの問題からルーカスのリハビリ施設にいたことも。

このシーズンの開幕直前にヒートから解雇されていました。

 

シクサーズでは加入直後から一定のミニッツをもらい、2桁得点を連発。

マローン離脱直後、94年12月13日の古巣ヒート戦ではなんと53点をマークしました(!!)

 

過去4シーズンの得点アベレージが10.1点、昨シーズンが7.0点、オールスター出場経験なし…という選手がこんな数字を叩き出すのは極めて異例。

これは、キャリアハイなのはもちろん、シクサーズの選手でここまでのハイスコアをマークした選手は、67~68シーズンのウィルト・チェンバレンまで遡らないといません。

 

この試合では前半だけで29点をあげており、本人曰く、38点までいったときにもうシュートを打つのをやめたかったようですが、チームメイトが自分を探し続けてくれたんだとか。

チームメイトからの応援、祝福をバートンも喜びました。

 

3月半ばのロケッツ戦で足首の怪我を悪化させ、そこでシーズン終了となりますが、それでも多くのカテゴリーでキャリアハイを更新。

53試合中31試合がスターターで、平均15.3点・3P成功率38.5%(106/275)でした。

 

得点が伸びた理由のひとつに、ヒート時代はそこまで打たなかった3Pの大幅増があるでしょうか(4シーズンで計75本しか打たず)。

SGとしてはサイズがあり、FTも多いです(53点試合では28本中24本をヒット。試投数、成功数ともにこのシーズンのリーグ最多)

 

【SG②】

 

オフに契約したテイト・ジョージ&ロイド・ダニエルズは序盤のうちに解雇。

ジョージは1試合もプレイしませんでした。

 

バートンの契約から1週間ほど経った11月半ばには、ジャレン・ジャクソンが加入。

NBAではこれが5チーム目で、CBAにもちょいちょい行くジャーニーマン。

2ヶ月弱で解雇されますが、加入直後はそれなりに起用され、21試合に出場しました。

 

年明け、ジャクソンと入れ替わりでやって来たのがジェフ・グレイヤー。

7年目の選手で、ここ2シーズンはウォリアーズでプレイ。開幕時には無所属でした。

 

起用にはムラがありましたが、2月末~4月頭にかけては、ほとんどの試合でスターターを務めています。

47試合(25試合がスタート)で平均8.3点は、大体平常運転でしょうか。

 

4月頭に加入したのがコーリー・ゲインズ。

88年からCBAや海外リーグを含む、あちこちのチームを渡り歩く苦労人で、これまで1シーズン通してNBAチームに属したことはありません。

 

この人は加入3試合目でスターター起用され、そのままシーズンラスト9試合中8試合でスタートしました。

スタッツは11試合で平均5.0点・3.0アシスト。

これがNBAでは最後のシーズンです。