P94年オフ
昨オフにHCに就いたフレッド・カーターは1年契約で、契約延長はなし。
また、5月にはジム・ライナムが、ブレッツのHCに就くため、フロントから去りました。
【6月半ば】
ジョン・ルーカスがHC/GM/バイス・プレジデントに就任しました。
4年契約です。
現役時代はPG。ここ2シーズンはスパーズのHCを務めており、2シーズンともプレイオフに進出(昨シーズンは55勝しながら1stラウンドでアップセットを喰らいましたが)。
ドラッグ&アルコール中毒から立ち直り、リハビリ施設を創設したことでも有名です。
スパーズとの契約は2年残っていましたが、6月頭に辞任しており、そのとき既にシクサーズの次期HC候補という噂があった模様。
ブレイザーズもルーカスに接触したようですが、ルーカスにとっては、シクサーズからの”HC兼GM”というオファーが魅力だったみたいです(GMは初)。
コートサイドをよく動き、選手が良いプレイを決めれば拳を振り上げて喜ぶ、熱いコーチです。
ACはスパーズでもルーカスのスタッフにいたロン・アダムス&トム・シボドー、モーリス・チークスの3人。
89年にトレードでシクサーズを去ったチークスは、移籍を繰り返し、93年に現役を引退。
昨シーズンはCBAでACを務めていました。
【ドラフト】
1巡目第6位でシャロン・ライト、第20位でBJ・タイラー、2巡目第33位でデリック・アルストンを指名。
ライトはクレムソン大出身のC(6フィート11インチ・260ポンド)。
ショーン・ブラッドリーがいるので、PFとしての起用を想定していますかね。
プレドラフトキャンプの身体計測では、ドラフト候補生の中でウィングスパンがいちばん長かったんだとか。
在学中にパーソナルトレイナーを雇ったことでコンディションニングが改善。
フィジカルでリバウンドやブロックが良く、また、走れる選手でもあります。
オフェンスのスキルは限られていますが、フックショットなど、得点パターンがないわけではないです。
尊敬する選手はモーゼス・マローンで、下記のようにコメント。
「もし2番を付けられるならつけたい」
「彼は僕が見習おうとした男だった。うつむく姿さえ真似したよ」
タイラーはテキサス大出身のPG(1年次はデポール大)。
6フィート1インチ・185ポンドと小さいですが、スピードとクイックネス、跳躍力を兼ね備えたエキサイティングな選手です。
ドライブや3Pで果敢に攻めてきますが、カレッジ時代の映像を観る限りではちょっと荒削りかな。
昨年の秋、鬱病の治療でルーカスの元にいたという経緯があり、シクサーズ入りを喜びました。
アルストンはデュケイン大出身のC(6フィート11インチ・225ポンド)。
インサイドを主戦場とする動けるビッグマンで、昨シーズンは所属カンファレンスの得点王でした。
ルーカスは、”ディフェンスを拡げることが出来て、ポストアップもできる”と評価。
ポテンシャルを買われていたドントニオ・ウィングフィールドにいくのでは?という見方もあったようですが、「指名できる中で最高の選手をとりたかった。ウィングフィールドは素晴らしいけれど、今必要な選手ではなかった」としています。
【補強①】
昨シーズン在籍した選手のうち、ディナ・バロスを含む5人の契約が切れ、更にクレアレンス・ウェザースプーンはオプションを行使して制限付きFAとなりました。
そして7月末、2つの動きを見せます。
①エリック・レックナーをピストンズに出して、96年のドラフト2巡目指名権を獲得。
②スコット・ウィリアムスと契約。
ウィリアムスは6フィート10インチのC/F。
90年にドラフト外でブルズと契約して以来4シーズン、ブルズで過ごしており、3ピートを経験。
控えビッグマンとしては悪くない働きをしていました。
「ブルズは過渡期にあって、違う方向に進もうとしている」
「彼らはそうは言わなかったが、コミュニケーションがなかったことから明らかだよ(ブルズからのオファーはなかったそう)。それが移籍しやすくしてくれたね」
「ここに来られてすごく嬉しいよ。ここでプレイしたかったんだ。シクサーズファンとして育ったんだ。小さい頃はDr.Jの大ファンで、彼のようになりたかったから、背番号6を着てアフロにしていたんだ」
(※ウィリアムスは高校までカリフォルニアにおり、wikiにはレイカーズファンだったとあります)
懸念としては、これまでのキャリアを通じて、何度か背中の怪我を経験しているということでしょうか。
【10月に入って】
バロス、ウェザースプーンと再契約。
ドラフト指名したルーキー3人とも契約を結びました。
バロスは1年契約で95万ドルほどと格安。
ウェザースプーンは4年間1650万ドルで、ライトは6年間1800万ドルほどと推定されます。
ウェザースプーンの件は、オーナーのハロルド・カッツ曰く、一旦は口頭合意に達していたものの、ウェザースプーンとその代理人がそれを破棄。
トレーニング・キャンプ前日にホールドアウトを選択し、キャンプ2日目に合意するというドタバタがありました。
フロントはこれらの契約のため、ジョニー・ドーキンスを解雇。
一方で、新戦力としてテイト・ジョージ、ロイド・ダニエルズを加えています。
ジョージは90年のドラフト1巡目でネッツに指名されたG。
ネッツではあまりいいところがなく、昨シーズンの開幕直前に解雇。その後はCBAでプレイしていました。
ダニエルズは、子供の頃からドラッグを使用していたとか、独特なキャリアのSG(キャリア2年)。
ドラッグのリハビリでルーカスと出会い、過去2シーズンはルーカスが指揮するスパーズにいました。
【2度目のオフ】
昨シーズンの怪我が癒えたブラッドリーは、カリーム・アブドゥル-ジャバー、ボディビルダーのリー・ヘイニーとワークアウト。
しかし、目視できる限り体つきは変わらず、スカイフックもマスターすることは出来ず(そんなすぐにマスターできるものではないと思いますが)。
プレシーズンが始まるとFG成功率20%ほどと大乱調で、おまけに4試合目のウルブズ戦ではまたしても左膝を負傷してしまいます。
今回は重傷ではなく、開幕戦で復帰できるんですが、期待に応えられるでしょうか。