R67年オフ

 

66年、NBAコミッショナーのJ.ウォルター・ケネディはサンディエゴを訪問。

ケネディはそこでWHLのサンディエゴ・ガルズに対する地元ファンのサポートを見て、ガルズのオーナーであるロバート・ブライトバードを直近のNBAオーナー会議に招待しました。

(※WHLはウェスタン・ホッケー・リーグの略で、52~74年まで存続したリーグ。ガルズは66年に誕生)

 

この当時、NBAはイースタンとウェスタンの2ディビジョン制だったんですが、ウェスタンは【レイカーズ、サンフランシスコ・ウォリアーズ、ピストンズ、ブルズ、セントルイス・ホークス】の5チーム。

リーグは、西海岸のチームがもっと欲しかったんですね。

 

ケネディは、ガルズの様子と立地に加え、経済成長、人口増加などの点からもサンディエゴを気に入ったんだとか。

 

こうして67年1月11日、NBA12番目のチーム、サンディエゴ・ロケッツが誕生しました。

来るシーズンからはシアトル・スーパーソニックスも加わることが決まっており、こちらは66年の年末に承認されています。

 

ロケッツというネーミングは、サンディエゴのテーマである”a city in motion”と、アトラス(ミサイルの名前。ICBM)とブースター・ロケットを開発する、General Dynamicsの地元部門を意識して、(名前のコンテストで)名付けられました。

 

因みに、ブライトバードは地元のフットボールの英雄的存在だったそう。

前年の66年にサンディエゴ・インターナショナル・スポーツ・アリーナもオープンしており、ガルズ同様、ロケッツもここをホームとします。

 

【エクスパンション・ドラフト】

 

67年5月1日に行われました。

 

ジム・バーネット(セルティックス)

ジム・バーンヒル(ブレッツ)

ジョン・ブロック(レイカーズ)

ハンク・フィンケル(レイカーズ)

デイブ・ギャンビー(シクサーズ)

ジョニー・グリーン(ブレッツ)

トビー・キンボール(セルティックス)

ドン・コジス(ブルズ)

ジョン・マグロックリン(ロイヤルズ)

ジム・ウェア(ロイヤルズ)

 

15人指名したうち、開幕ロスターに残るのは上記10人。

未来の殿堂入りプレイヤーなどはいませんが、グリーンはこれまでに三度オールスターの出場経験あり。

ギャンビーは昨シーズン、シクサーズで優勝を経験しています。

 

また、コジスは2年連続でエクスパンション・ドラフトにかかった選手となりました(史上3人しかいません)。

このままロケッツでプレイするので、史上唯一、3つのエクスパンション・チームでプレイした選手にもなります。

 

因みに、ロイヤルズから指名したフレディー・ルイスはABAのペイサーズへ。

ABAは67年2月に発足しており、このオフからNBAチームの選手獲得人事に絡んできます。

 

ルイスは、ロイヤルズでのルーキーイヤーはオスカー・ロバートソンの控えで、出番も少なかったんですが、ABAで素晴らしいキャリアを築きます。

97年にはABAの偉大な30人(ABA All-Time Team)にも選出されます。

 

【2日後にドラフト】

 

1巡目第7位でパット・ライリー、3巡目第31位でニック・ジョーンズを指名。

 

選手としてのライリーは6フィート4インチ・205ポンドのスウィングマンで、ケンタッキー大の出身。

同大ではアドルフ・ラップの指導を受けており、3年次にはNCAAファイナルまで進んだチームの得点王でした。

 

カレッジではフットボールをプレイしていなかったにもかかわらず、この年、ダラス・カウボーイズからも指名されており、更にABAのシャパラルズからも指名されています。

 

因みに3年次、同大はテキサス・ウェスタン大(現テキサス大エルパソ校)に敗れるんですが、このときのテキサス・ウェスタン大の話は06年に『Glory Road』というタイトルで映画化されています。

 

ジョーンズはオレゴン大出身のG。

2つ年上のスティーブ・ジョーンズというお兄さんがおり、こちらもオレゴン大出身(在籍時期は被っていません)。

 

ドラフト指名したうちの何人かはABAに行ってしまうんですが、その中でいちばんの大物は2巡目で指名したボブ・ネトリッキー。

この人も、のちにABAの偉大な30人に選ばれるような選手です。

 

【HC兼GM】

 

ジャック・マクマホンが就任しました。

 

マクマホンは52~60年までNBAでプレイし、引退後はコーチに。

62~63シーズンをゼファーズ、63~64シーズンから昨シーズンまではロイヤルズでHCを務めていました。

 

ロイヤルズでの4シーズンは、毎年成績が落ちていきましたが、プレイオフには毎シーズン進んでいます。

今回、ロイヤルズを辞任したその日にロケッツと契約しているので、ロケッツのためにロイヤルズを辞めたということですかね。

 

【開幕10日ほど前】

 

アート・ウィリアムスと契約を結びました。

28歳になったばかりのルーキーです。

 

ウィリアムスは、カリフォルニア州立ポリテクニック大パモナ校の出身。

生まれはテキサスですが、中学のときにカリフォルニアに移り、高校はサンディエゴ(パモナもサンディエゴに近いです)。

6フィート1インチのPGで、クイックネスがあってハンドリングもよいです。

 

愛称は「ハムボーニ(Hambone)」。

中学時代に誰かがこう呼び、それ以来この呼び名らしいんですが、”大根役者”など、いい意味ではありません(由来は不明)。