牛88~89シーズン②

 

オークリーとカートライトのトレードはギャンブルだったと思います。

昨シーズンから勝率は落ちてしまいましたが、当時、フロントやカートライトに対する評価はどうだったんですかね。

 

【F】

 

遅れて合流したピッペンは、73試合(56試合がスタート)で平均14.4点・6.1リバウンド・3.5アシスト・1.9スティール。

ルーキーイヤーから明らかな成長を見せました。

 

ジャンパーはまだ不安定でしたが、FTは6割台後半まで改善。3Pもジョーダンと同等くらいにはなりました(成功数20本台・成功率2割台後半)。

ボール運びをする機会が増え、ディフェンスもよく、攻守に活躍するオールラウンダーです。

 

気になるのはシーズン終盤に調子を落としたこと。

チームの負けが込んだ4月、ピッペンの、特にシュートは今ひとつでした。

 

グラントは、ピッペンとは対照的に開幕からフルスロットルで働き、出場した79試合すべてでスタート。

平均12.0点・8.6リバウンド・1.1スティールをマークしました。

ミニッツはジョーダンに次ぐチーム2位で、リバウンドはチームトップです。

 

この頃は、運動能力の高さと多さが武器という感じ。

オフェンスでは、ミドルレンジのジャンパーはまだ多くなく、味方の動きに合わせてインサイドにカットしたり、ゴール下の混戦で競り勝ったり…が、目立ちますかね。

 

【Fの控え】

 

セラーズは、ベンチスタートになってからもローテーションには入っていましたが、トレードの噂がちらほらと。

オフにはジェリー・クラウスが ”以前よりウェイトも増え、強くなっている” と評価していたんですが…

セラーズ&ドラフト指名権でジェローム・カーシーを獲るとか、クリッパーズのジョー・ウルフとトレードするとか、具体的な案も出て来ました。

 

チャールズ・ディビスは11月末にブルズデビュー。

しばらくはずっとローテーション外でしたが、2月末からミニッツが増加。

両Fの控えを務め、グラント欠場時にはスタメン起用もされました。

長く起用された試合では、リバウンドで健闘を見せています。

 

ルーキーのジャック・ヘイリーは開幕4戦目でNBAデビュー。以降、計51試合に出場しました。

出た試合のほとんどが10分未満のミニッツでしたが、シーズン通算のスタッツは1巡目第11位指名のウィル・パデューと互角(平均2.2点・1.4リバウンド)。

ベンチで立ち上がって応援する姿はこの当時からです。

 

【C】

 

カートライトは78試合で平均12.4点・6.7リバウンド。

得点は昨シーズンのオークリーと同じでしたが、リバウンドはオークリーよりも7本以上少なかったです。

 

ただ、カートライトの身長と腕の長さはオークリーにはなかったもの。

オフェンスでは(優先順位は高くないけれど)ポストプレイがひとつのオプションとなり、ディフェンスでも、相手CとのマッチアップをF陣やデイブ・コージーンで濁す必要がなくなりました。

コリンズは、試合の重要な局面でカートライトを使いたがらなかったという話もありますが…

 

極めて独特な、打点の高いフォームから繰り出されるジャンパーの精度はまずまず。

この当時は(速くはないけれど)まだ速攻に絡むことも出来ました。

ジョーダンが加入してからしばらく?カートライトに対して敵対的だったのは有名な話かと思いますが、カートライト個人はよきベテランで、ここから数年先まで重要な存在となってくれます。

 

バックアップ一番手はデイブ・コージーン。

スタッツは大幅に落ち、スパーズに移籍した3年目以降ではワーストのシーズンでしたが、バックアップCとして一貫した役割がありました。

 

パデューは30試合に出ただけで、ミニッツも平均6分ほど。

カートライトが欠場したときにはバックアップCの一番手として起用されましたが、それ以外はほぼガーベッジタイム要員でした。

コリンズは、パデューを状況に応じて1試合平均10分ほどプレーさせることに同意していたみたいなんですが、そうはなりませんでした。
 

【細かい動き】

 

デビッド・ウッド、アンソニー・ジョーンズは11月中に解雇

・4月、ドミニク・プレスリーと契約し、シーズン最終日に解雇。

 

ウッドはこの後CBAへ行き、ジョーンズはUSBLを挟んでマブスに加わります。

 

プレスリーはルーキーPG。

オフにブレッツと契約し、NBAデビューしましたが、12月半ばに解雇。CBAでプレイしていました。

ブルズが拾ったのはホッジスが離脱したからですかね。

 

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この頃には、コリンズとクラウスの関係が悪化。

 

コリンズは、クラウスの行った幾つかの人事や普段の行動(チームに帯同することが多いこと※これはのちにフィルも嫌がります)などに不満を見せていたんですが、

クラウスが(このシーズン中に)ジャクソンを次期HCとして既に考えているかのような行動を取ったことで、それが人間関係の悪化に拍車をかけました。

 

これによってコリンズはジャクソンとも微妙な関係になり、

更には、自身のコーチングに意見を言ったウィンターを練習から追い出したり、一部の選手(スターター3人を含む3人だとか)たちが解任を望み、そうなるように仕向けようとしたという話があったり…あちこちで不興を買っていました。

 

ジョーダンとカートライトのこともありますし、戦績が伸びなかったのはチームの雰囲気も関係しているかも?