騎98~99シーズン
開幕直後、キャブスを悪夢が襲います。
開幕5試合目でジドルナス・イルガウスカスが左足を骨折し、シーズン絶望が決まってしまいました。
イルガウスカスの代役はビタリー・ポタペンコが務めますが、チームには他にCがいません。
8勝9敗というところでフロントが動きました。
●将来的には良いトレード
ポタペンコをセルティックスに放出し、アンドリュー・デクラーク&99年のドラフト1巡目指名権を獲得。
キャブスはポタペンコと延長契約を結ぶか否かのデッドラインが迫っていました。延長契約を結ばず、オフに無償で失うのも避けたということです。
(因みに、この1巡目指名権はアンドレ・ミラーになります)
デクラークは4年目のC。
ポタペンコと比べてグレードアップになっているかは微妙なところで、もちろんイルガウスカスの穴埋めにもなりませんが、Cとしては走力・機動力があります。
~~~~~~~~~~~~
トレード後のキャブスは多少盛り返し、勝率5割前後をキープ。
好調シクサーズ、不調ニックスと下位シード争いをしていました。
しかし、21勝18敗としたところから7連敗を喫し、プレイオフ圏外へ転落。
この時期にショーン・ケンプ&ブレビン・ナイトが相次いで離脱したのは、キャブスにとって致命傷でした。
シーズン最後の11試合で(7連敗を止めた)1勝しかできず、最終成績は22勝28敗。
終盤にペースを上げてきたホーネッツ、ラプターズにも抜かれてカンファレンス11位まで落ちてしまいました。
課題はオフェンスで、平均86.4点はリーグ全体で下から4番目。
このシーズンはリーグ全体が低得点だったんですが、それを考慮してもよくありません。
シーズン最後の17試合の一試合最高点は91点(3回)で、60点台の試合もありました。
平均88.2失点はリーグ9位と決して悪くないんですが、得点力不足を補うほどではないです。
【どう評価していいのやら】
ケンプは42試合で平均20.5点・9.2リバウンド・1.1ブロック・1.1スティール・FG成功率48.2%・FT成功率78.9%。
オーバーウェイトながら昨シーズンを上回る成績を残し、得点やFT成功率は意外にもキャリアハイでした。
ファウルやTOも減り、キャリア最長の平均35.1分プレイしたのも◎。
ソニックス時代のような輝きはなかった印象なんですが、スタッツだけを見ればこのシーズンがケンプのベストと言えるかもしれません。
左足の怪我でシーズン最後の8試合を欠場したのは本当に残念でした。
そして、途中加入のデクラークも健闘しました。
セルティックスではバックアップでしたが、キャブス移籍後は33試合中31試合でスターターとしてプレイ。
平均9.0点・5.8リバウンド・1.1スティールはすべてキャリアハイです。
パーソンは45試合で平均11.2点・FG成功率45.3%・3P成功率37.5%。
シューターとしては決して悪くないんですが、昨シーズンがすごく良かったので、それと比べると見劣りするかなぁ。
特にシーズン序盤&終盤はムラが激しく、プレイングタイムは昨シーズンから平均で約10分も減りました(39分→29分)。
【2年目のジンクス?】
ブレビン・ナイト、セドリック・ヘンダーソン、デレック・アンダーソンは揃って昨シーズンほどのインパクトを残せず。
ナイトは、39試合で平均9.6点・7.7アシスト(リーグ7位)・1.8スティール・2.7TOとスタッツ自体は昨シーズンからほぼ横ばいでした。
ケンプが怪我をした次の試合で左手を骨折し、シーズン最後の7試合を欠場したのが痛かったです。
ヘンダーソンは全50試合に出て、うち48試合がスタート。こちらもアベレージは昨シーズンとほぼ変わりませんでした。
ただ、FG成功率が、50%近い高確率で決めていた昨シーズンから41.7%までダウン。
ムラがあり、特にシーズン序盤と終盤は精彩を欠くことが多かったです。
アウトサイドシュートが改善されないのが響いているでしょうか。
そして、アンダーソンは(もしかしたら)そんなヘンダーソンよりもパッとせず。
基本的には今シーズンもベンチスタート。シュートの波が激しく、スタッツはスターターとして起用された方がよくありません。
【主なベンチ】
ダニー・フェリー&ボブ・スーラ&ジョニー・ニューマンは揃って全50試合に出場。
フェリーはイルガウスカス離脱もあってか出場機会が増加。シーズン終盤にケンプが戦列を離れたときは、スターター起用されました。
スターターを務めた10試合に限れば、平均11.5点・FG成功率50%・3P成功率42.4%と、ブレイクした3シーズン前に近い成績を残しています。
スーラはとにかくシュートが酷く、FG成功率33.3%と壊滅的。
全体的にもキャリアワーストのシーズンだったんですが、どうしちゃいましたかね。
ニューマンもルーキーシーズンを除けばキャリアワーストの出来(平均6.1点・FG成功率42.2%)。
ウィングの層が厚く、パフォーマンスの不安定な選手が多かったのが影響したでしょうか。
ルーキーのライアン・スタックは戦力にならず。
怪我人が出たシーズン終盤に出場機会を与えられますが、貢献は限られたモノでした。
【出たり入ったり】
・2月半ばにリテリアル・グリーン&ロイ・ロジャースを解雇。
・セルティックスとのトレード前にミッチェル・バトラー&アントニオ・ラングを解雇して、アール・ボイキンスと契約。
・トレード後にコーリー・ブラントと契約してボイキンスを解雇し、バトラーとまた契約。
・3月末、再びボイキンスと契約。
グリーンは開幕戦に出たのみで、ロジャースに至っては一度もコートに立ちませんでした。
グリーンは解雇後CBAでプレイし、ロジャースはイタリアへ渡ります。
ラングも10試合しかプレイしませんでした。
出入りを繰り返したバトラーはトータル31試合に出場。
シーズン終盤は主力の故障や不振で出場機会が増え、ラスト10試合ちょっとに限れば、5試合連続2桁得点をマークするなど良い働きを見せました。
4月&5月は17試合で平均8.0点をあげています。
ブラントは6年目のPF。95年から在籍していたレイカーズを解雇されたばかりでした。
キャブス加入後は主にリバウンドで貢献していましたが、左膝の怪我でシーズン終盤にダウン。この人もまた最後の6試合を欠場しました。
ボイキンスは5フィート5インチ・135ポンドのルーキーPG。
昨夏のドラフトにかからず、ロックアウト明けにネッツと契約し、開幕ロスターには残りますが、すぐ解雇されていました。
このシーズンはネッツ&キャブスでプレイする合間にCBAでも29試合プレイするんですが、そこでの成績も特に目立つモノではありません。