山96~97シーズン
序盤のスターターはこんな感じ。
マーク・ジャクソン
ブライアント・スティス
デイル・エリス
アントニオ・マクダイス
アービン・ジョンソン
ジャクソンとD・エリスは開幕から好調。
ジャクソンは2戦目から10試合連続2桁アシストをマークしてアシスト1位を走り、D・エリスは開幕10試合で平均23.1点とソニックス時代のように得点を稼ぎました。
ただ、勝ち星にはなかなか結びつかず、4勝9敗となったところでバーニー・ビッカースタッフがHCを辞任。
フロント業に専念することになり、後任にはHC歴24年のベテラン、ディック・モッタが就任しました。
モッタは通算900勝を超えるベテランHC。
78年にはブレッツをチーム史上唯一のNBAチャンピオンに導いており、その当時、ACを務めていたのがビッカースタッフでした。
モッタ就任直後のナゲッツはいきなり10連敗。
1月下旬からオールスターブレイクまでの11試合を7勝4敗と勝ち越しますが、それでも16勝32敗。オフの補強は明らかな失敗でした。
そして、ビッカースタッフはオールスターブレイク中、チームを去ってしまいます。
●シーズン前半の細かい人事
リッチ・キング、エリック・マードック、ジェフ・マキニスは12月中旬までに解雇(マードックはイタリア、マキニスはギリシャへ)。
新たにブルックス・トンプソン、アーロン・ウィリアムス、メルビン・ブッカー、エルマー・ベネット、ケニー・スミスを加えました。
トンプソンはサウスポーのPG。
3年目の選手ですがここまで目立った出来事はなく、このシーズンも開幕直後にジャズをクビになったばかりでした。
ウィリアムスもまたサウスポーで、こちらはF/C。
ビッグマンとしては機動力があり、のちにネッツなどで活躍するんですが、この当時はNBAとCBAとヨーロッパを行ったり来たりしていました。
ブッカーは2年目のPGで、オフにホークスと契約しましたが、開幕前に解雇。無所属状態でした。
ベネットもまたPGで、こちらは92年の2巡目指名。NBAでのキャリアは2年・計12ゲームしかありません。
スミスはキャリア10年目のPG。
ロケッツ2連覇時のスターティングPGでしたが、このシーズンは開幕直後にピストンズをクビになり、その直後に拾われたマジックからも解雇されていました。
ウィリアムス&ブッカー&ベネットはすぐ解雇されますが、トンプソン&スミスは残りのシーズンをナゲッツで頑張ってくれます☆
●散々ロスターを弄って…
ビッカースタッフはブレッツのHCになるためにフロントからも退き、アラン・ブリストウが新GMとなりました。
80年代にはナゲッツでACを務めていたブリストウが、ホーネッツのHCを挟んで帰ってきました。
この人は、就任早々、大掛かりな人事を行います。
●トレード3件
①ジャクソン&ラサール・トンプソンをペイサーズに放出し、ビンセント・アスキュー&エディ・ジョンソン(すぐ解雇)&97年のドラフト2巡目指名権&98年のドラフト2巡目指名権を獲得。
②ダービン・ハムをこれまたペイサーズに放出し、ジェローム・アレンを獲得。
③リッキー・ピアースをホーネッツに放出し、アンソニー・ゴールドワイアー&ジョージ・ジィデックを獲得。
ジャクソンは平均10.4点&12.3アシストと素晴らしいプレイを見せており、初のアシスト王へまっしぐら(当時、アシスト王はジョン・ストックトンの指定席で、これはけっこうインパクトがありました)。
1月20日のネッツ戦ではキャリアハイの22アシストをあげ、トリプルダブルも2回記録するなどハイライトも多かったんですが、再建期に入るチームにとっては価値も半減といったところでしょうか。
このシーズンのペイサーズは調子が悪く、この時点でプレイオフに出られるか微妙なところ。
ペイサーズはラストスパートを掛けるために、ジャクソンを連れ戻したのでした。
ピアースもジャクソンと恐らく同じパターン。ホーネッツはプレイオフに備えてベテランが欲しかったんでしょう。
ハムはスラムダンク・コンテストに出場しましたが、それ以外に見るべきモノはありませんでした。
ゴールドワイアー、ジィデックはいずれも2年目のPG、C。
ゴールドワイアーは元々2巡目指名でしたが、バックアップとしてローテーション入り。
一方、1巡目指名だったジィデックは、このシーズン、出場機会が大幅に減少していました。
アレンもまた2年目のPG。このシーズンが終わった後はヨーロッパを転々とします。
アスキューはジョージ・カール政権下のソニックスで開花したスウィングマン。複数のポジションをこなすことが出来、控えとしてはいい選手です。
これらトレードの主な目的はサラリー・キャップに空きを作ること。
ジィデック以外の4人はいずれもオフに契約が切れる選手ばかりで、戦力的には大きなダウンです。
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これだけゴタゴタしたチームが勝てるわけもなく、21勝61敗でシーズンを終了。
4月にも10連敗を喫しています。
因みに、このシーズンはスパーズとグリズリーズが酷かったので、この成績でもディビジョン5位でした。
【1シーズン生き残りました】
このシーズンの中心はマクダイスとWエリス。
マクダイスは1年目を上回る平均18.3点に加え、7.3リバウンド・1.7ブロックをマーク。
開幕直後は今ひとつでしたが、11月末頃からはコンスタントに2桁得点を稼ぎました。
リバウンドはちょっと少ないですかね。
ラフォンゾ・エリスは開幕3戦目に負傷し、いきなり1ヶ月ほど欠場を強いられましたが、復帰以降はチームの主軸として大活躍。
このシーズンは主にSFとしてプレイし、キャリアハイの平均21.9点をあげました。
度重なる故障のためかプロ入り当初のパワフルさは失われた感がありますが、このシーズンは3Pがグレードアップ。
過去4シーズンで13本しか決めていなかったんですが、このシーズンだけで259本中95本を決めました(成功率36.7%)。
4月4日のサンズ戦で右足のアキレス腱を断裂したのが悔やまれます。
D・エリスは全82試合に出場して、うち51試合がスターター。
シーズンが進むに連れてムラが目立つようになりましたが、それでも過去4シーズンでは最高となる平均16.6点をあげました。
36歳のこの人は528本中192本の3Pをヒット(試投数、成功数ともにキャリアハイ)。
FG成功率は41.4%でしたが、シューターとしての存在感は充分で、NBA史上初となる通算1400本の3Pを成功(!)
3Pコンテストにも出場しました。
ブライアント・スティスはキャリアハイの平均14.9点を稼ぎましたが、FG成功率は2シーズン連続の41.6%。
負傷した左足を手術するため、3月11日に早々とシーズンを終了。52試合の出場に終わりました。
度重なるロスターの入れ替え&主力の故障で出場機会が増したのがトム・ハモンズ。
特に、シーズン終盤にL・エリスが離脱した後の出来はキャリア最高クラスで、残った8試合すべてでスタートし、平均18.6点・6.4リバウンドをマークしています。
【新加入組の出来①】
全82試合でスターティングCを務めたジョンソンは、平均7.1点・11.1リバウンド(リーグ4位)・平均2.7ブロック(リーグ5位)と数字だけならムトンボの後釜として合格点。
シーズン最終戦では21点&26リバウンドという、パフォーマンスも見せました。
ラウーフを出してまで獲得したサルナス・マーシャローニスは、右膝を傷めたために65試合を欠場。
12月の頭に誰よりも先にシーズンを終えました。NBAではこれが最後です。
【新加入組の出来②】
ジャクソン放出後のほとんどの試合でスターティングPGを務めたのはゴールドワイアー。
ムラがあり、ダメな試合ではさっぱりでしたが、それでも平均7.3点・4.6アシスト・3P成功率39.4%という成績は、CBAデビューということを考えれば悪くないです。
B・トンプソンも意外と活躍。
チーム事情に助けられた感は否めませんが、プロデビュー以来初めて戦力として機能し、平均6.8点をマーク。
武器は3Pで、成功数97本はD・エリスに次ぐチーム2位です。
ベテランのスミスは、キャリアで初めてフルタイムのベンチ・プレイヤーとしてプレイ。平均7.9点・3P成功率42.5%でした。
かつてのようなドライブはほとんど見せなくなり、FGのほとんどが3Pでした。
また、4月の頭には10日間契約でジミー・キングという2年目のSGを追加。
キングはミシガン大出身で、クリス・ウェバー、ジュワン・ハワードらのファブ・ファイブのメンバーの1人。
昨シーズン、ラプターズでNBAデビューしたばかりですが、NBAではこれが見納めとなります。