狼94年オフ

 

移転問題も佳境です。

 

【遂にニューオリンズへ?】

 

5月上旬、ミネソタ州の議会が、「40ミリオン以上の額でターゲット・センターを購入する」という議案を承認しました。

 

ただ、それは「オーナーグループが、少なくとも向こう30年はチームをミネアポリスにキープする」という条件付き。

加えて、アリーナの負債を完全にカバーするには、あと30ミリオンほど足りません。

つまり、結局「アリーナ問題」に帰結してしまうんですね。

 

こうして94年5月23日、マーブ・ウォルフェンソン&ハーベイ・ラトナーの2人はTop Rankにウルブズを売却することで合意。

これは、「94年5月20日までに、ミネアポリスに新オーナーを見つけられなかったらTop Rankの購入を認める」という合意に基づいたモノでした。

 

売値は152.5ミリオン。

ニューオリンズへの移転が前提となっており、あとはリーグの認可を得るだけです。

 

【決まりません】

 

94年6月6日、Top Rankは「来る94~95シーズンからのニューオリンズ移転」をNBAに申請。

もうこの時点では「新チーム名」、「移転後のホーム・アリーナ」などが具体的に検討されていました。

 

しかし、6月15日、NBAは満場一致でこれを棄却。

以下の理由で、「財政面で信頼できない」ということのようです。

 

・152.5ミリオンのうち40ミリオンがよくわからない投資者から支払われる

・銀行から借りる予定の76.25ミリオンもまだ保障されていない

・残りの50ミリオンも、これから建てられるアリーナの(予想される)収入に基づいている

 

リーグは、ミネアポリスの連邦地裁に移転の差し止めを申し立て、6月21日に公式にTop Rankの購入を否定。

Top Rankは法的措置に動きますが、連邦地裁はすぐ、「ウルブズは95年の6月15日まではミネアポリスにいる」としました。

 

そして今度は、ビル・セクストンという人物を代表とするグループとの売却交渉が始まります。

(因みに、Top Rankは95年に倒産)

 

【こんな最中のドラフト】

 

・1巡目第4位でドニエル・マーシャル、2巡目第30位でハワード・アイズリーを指名。

・96年のドラフト2巡目指名権をソニックスに出して、2巡目第54位で指名されたゼリコ・レブラチャの権利を獲得。

 

マーシャルは6フィート9インチ・218ポンドのF。

のちにストレッチ4的なPFとしても起用されるようになりますが、この頃はSFという認識でした。

細身ながら手足が長く、得点力はもちろん、ディフェンスの評価も◎。カンファレンスのディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞するほどでした。

 

アイズリーはボストン・カレッジ出身のPG。

カレッジ時代は3Pも高確率で決めていました。

 

【こんな最中の人事】

 

・7月1日、チャック・パーソンの契約をバイアウト。

・8月1日、アスキア・ジョーンズと契約。

 

パーソンが不満を抱えていたのは先述の通り。

フロントはトレードを画策したようですが、上手くいきませんでした。

シドニー・ロウHCは、パーソンの不振(もしかしたら起用も?)は色々なことが要因で、問題児ではなかったとしています。

 

これによってウルブズは経費削減に成功。

そのお陰か、マーシャルと9年間4000万ドル以上の大型契約を結びます(こちらは9月末)。

 

ジョーンズはカンザス州立大出身のルーキーFA。SG。

お父さんは60~70年代にNBAでプレイしたワリ・ジョーンズ

4年次には3Pを武器に高得点を稼いでいました。

 

【ようやっと…!】

 

7月頭、セクストンのグループとの交渉は破談に終わります(お金が充分ではなかったと)。

 

同グループは、そこから2週間も経たないうちに新たなオファーを提示して再度購入を試みますが、それも8月頭になしに。

セクストンは一連の移転問題が表面化した2月頃からずっと購入を検討していたようなんですが、ここで手を引きました。

 

今回は、セクストンは充分なお金を用意。

一旦は合意したようなんですが、ウォルフェンソン&ラトナーがTop Rankからの法的措置に対する保護を保障せず、決裂してしまいました。

 

しかし、その僅か4日後、グレン・テイラーを代表とするグループが遂にウルブズを購入します(そしてこのまま新オーナーとなり、ウルブズの残留も決まります)。

 

テイラーは、“シュミット・プリンティング”というミネソタ州に拠点を置く企業のトップ。

同州ではトップ10に入るほどの金持ちで、嘗ては議員も務めていたとか。

リーグから正式に承認されるのは2ヶ月後の10月ですが、テイラーに対してはこの8月の時点で暫定でOKが出ていたようで、長きに渡った移転&売却問題がようやく収まりました。

 

球団社長にはロブ・ムーア(テイラーの義理の息子)が就任。

ボブ・スタイン、前オーナーの2人はコンサルタントとして暫く残るなんて話もあったようなんですが、実際どうだったんでしょ。

 

とりあえず、チーム購入にあたって再建を誓ったテイラーは早速チームの改革に乗り出します。

 

【すぐ動きました】

 

8月17日にロウを解任し(ACも全員解任)、その2日後、アシスタントGMとしてケビン・マクヘイルとサイン。

そしてそのマクヘイルも恐らく絡み、新HCにビル・ブレアを招聘しました。

 

ブレアはNBAで14シーズンACを務めてきたベテラン。AC時代はディフェンス担当で知られ、昨シーズンはペイサーズでラリー・ブラウンのスタッフにいました。

HCとしては、暫定HCを6試合務めたのみで、正式に就任するのは今回が初めて。3年契約です。

 

ACにはマイク・シューラー、ランディ・ウィットマン、グレッグ・バラードが加入。

シューラーはAC、HC合わせてNBAで14年のコーチング・キャリアがあるベテラン。

ブレアとは、80年代前半にブラウンのACを共に務めた仲です。

 

ウィットマン&バラードは、それぞれ主に80年に活躍した元選手。

2人とも、昨シーズンは(ウルブズ以上に低迷した)マブスでACを務めていました。

 

【また別の話】

 

9月、昨シーズン中に起こしたスポーツ・バーの暴行事件でアイザイア・ライダーが有罪となりました。

 

報じられたところによると、ライダーは某スポーツ・バーで行われるイベントに遅刻。

到着後、バーのGMの女性がライダーに文句を言ったところ、ライダーは悪態をつき、肘を捕まれたのを振り払おうとしてその女性を蹴飛ばし、女性は腰を負傷してしまいました。

 

有罪となったことで、30日間の懲役、罰金、執行猶予2年、35時間の地域活動、カウンセリングを受講することになります。

 

また、この当時、(詳細はわかりませんが)ライダーの人間関係&身の危険を案じたミネアポリスの警察がNBAに接触してくる、ということもありました。

どこぞのガレージにライダーを脅すような落書きがあったとかで…

 

【補強ポイントはC?】

 

チャールズ・シャックルフォードと契約。

・開幕直前、将来の1巡目指名権をマブスにあげて、ショーン・ルックスを獲得。

 

シャックルフォードは88年にネッツ入りしたC。

ドラッグの問題などもあってか、不安定なキャリアを送っており、今回は2シーズン振りのNBAです。

 

ルックスはキャリア2年の若手C。マブスにいた2年間はまずまずの成績を残していました。

ここで出した1巡目は、96年は「ロッタリーピックなら97年に持ち越し」、97年は「上位6位までだったら98年に持ち越し」というモノです。