狼89~90シーズン①

 

開幕戦はシアトルでのソニックス戦で、94対106で敗戦。

チーム史上初得点はサム・ミッチェルのFTでした。

 

ホームでの開幕戦は3戦目(vsブルズ)。

ミネアポリスでNBAの試合が行われるのは60年以来ということで、試合前にはジョージ・マイカンら、嘗てミネアポリス・レイカーズでプレイした元選手たちがコート上に招待され、コミッショナーのデビッド・スターン、球団社長のボブ・スタインが挨拶をするなど、ちょっとしたイベントが行われました。

 

そんなウルブズの序盤のスターターはこんな感じ。

 

シドニー・ロウ

トニー・キャンベル

タイロン・コービン

ミッチェル

ブラッド・ローハウス

 

ミッチェルは6フィート6インチしかなく、ローハウスも(6フィート11インチあるけど)インサイドは不得手。

この当時としてはだいぶ小さいラインナップです。

 

動きがあったのは年末。

ビル・マッセルマンHCはロウに代えてプー・リチャードソンをスタートさせるようになり、年明けにはCを獲得しました。

 

●トレード

ローハウス&92年の2巡目指名権をバックスに出して、ランディ・ブリューワー&92年の2巡目指名権を獲得。

 

元々は12月、(スティーブ・ジョンソンがサンズ、ブリューワーがウルブズ、アーモン・ギリアムがバックスへ行く)という△トレードの噂があったんですが、サンズがホーネッツとトレードを成立させてしまい、破談になっていました。

 

ブリューワーは7フィート3インチのC。

フックシュート、パス、ブロックはまずまず。

故障とデル・ハリスの不興を買ったことがトレードに繋がったとか。

 

因みに、オフから契約の件でフロントと揉めていたジョンソンは、△トレードが潰れた直後にデビューしますが、「(トレードされなかったのが)信じられない。今はプレイするシェイプじゃないよ」と落胆。

結局ウルブズでは4試合しかプレイせず、トレード期限に、ブラッド・セラーズと交換でソニックスに放出されます。

 

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昨シーズンのヒートほどではないにしろ、やはり負けが込んでいたウルブズでしたが、1月末に[プー、キャンベル、コービン、トッド・マーフィー、ブリューワー]でスタメンを固定してから調子が上がります。

 

ラインナップ変更直後に3連勝をマークすると、その少し後にはなんと4連勝。

シーズン終盤の、11試合中10試合がロードという厳しい日程も4勝7敗で乗り切りました。

 

最終成績は22勝60敗。

エクスパンション・チームとしては悪くなく、4つのエクスパンションの中では1年目最多勝(2位がホーネッツの20勝)。

また、大健闘だったのが得失点差で、ウルブズの-3.6点はダントツで◎でした(2位がホーネッツの-7.7点)。

 

ウルブズ健闘の理由はディフェンス。

平均得点はリーグ最下位でしたが、平均失点は王者ピストンズに次ぐ第2位でした。

ピストンズと違って相手チームのFG成功率は高いので、ゲームのペースが遅かったというのはありそうですが、スティールが多く、自分たちのTOは少ないなど、目を惹く点も多いです。

 

マッセルマンの戦術のひとつが、CBA時代から用いていたゾーン気味のディフェンス。

2-3のゾーンをアレンジしたものだったようで(CBAもゾーン禁止)、イリーガル・ディフェンスをコールされることも多かったらしいんですが、上手く機能したときには効力を発揮。

ジャズを苦しめた試合では、カール・マローンも「見たことのないディフェンスをしてきた」と評しています。

 

因みに、マッセルマンのミネソタ大のHC時代の教え子にフリップ・サウンダースがおり、サウンダースものちにウルブズでゾーンを積極的に使います。

 

【PG】

 

プーは全82試合に出て、うち48試合でスタート。

平均11.4点・6.8アシスト・1.6スティールをマークし、オール・ルーキー1stチームに選ばれました☆

この人は外からも打てるし、FGの成功率も高いんですが、カレッジ時代から何故かFTが苦手で59%ほどでした。

 

ベテランのロウは38試合でスタート。

スタッツだけ見るとシュートが酷いんですが、アシストはまずまず。プーもなんですが、TOが少ないのも◎です。

 

ロウとキャンベル、スコット・ロスは88年にマッセルマン指揮のアルバニー・パトルーンズで優勝を勝ち取った仲です。

 

【ウィング】

 

キャンベルは大ブレイク。

全82試合で(81試合がスタート)平均23.2点を稼ぎ、MIPの投票でも3位に入りました☆

 

3Pを除けば得点のバリエーションが豊富で、82試合すべてで2桁得点をマーク。2月のセルティックス戦ではキャリアハイの44点をあげています。

ディフェンスやリバウンドもなかなか。ハンドリングはもうひとつですかね。

 

コービンはオールラウンドに活躍。

こちらも全82試合に出て(80試合でスタート)、平均14.7点・7.4リバウンド・2.1スティール(リーグ6位)でした。

この人は、過去の所属チームでもそれなりに出場機会を得ていましたが、ウルブズ移籍で一気に開花しましたかね。

 

ドナルド・ロイヤルは66試合に出場。

控えながら2桁得点を稼ぐこともしばしばで、1~2月頭にかけては特に好調でした。

2月末以降は出場機会が激減しています。

 

ダグ・ウェストはシーズン通して出番をあまりもらえず。

エイドリアン・ブランチは年末に解雇されています。