華94年オフ
昨シーズンが終わったその日にパービス・エリソンをリリース(完全FAに)。
翌日にはウェス・アンセルドが宣言通り、HCを辞任しました。
【お疲れさまでした】
アンセルドは、シーズン途中でHCとなった87~88シーズンこそ勝ち越しますが、以降の6シーズンはすべて負け越し&ここ5シーズン連続で50敗以上。
再建モードのチームで、予期せぬトラブルも多かったとはいえ、惨憺たる成績でした。
長期政権となった理由のひとつがエイブ・ポリンとの蜜月関係。
「68年に最初に会ったとき以来、特別な関係なんだ」と語るポリンは、10連敗を喫した昨シーズン序盤に辞任の噂が浮上したときも、それを否定しています。
アンセルドのチームはハードにプレイする、アンセルドのお陰で体裁を保てている、といった評価もあったようですが、この戦績で6シーズン半はちょっと珍しいですかね。
そんなワケで今回はアンセルドの意志。もし続投を望めばできたようで、今後はフロントに入ります。
【ようこそ】
新HCは、ここ2年シクサーズのGMを務めていたジム・ライナム。
NBAではクリッパーズ、シクサーズでHCを務めた経験があり、シクサーズ時代には3度プレイオフに進出。ジョン・ナッシュGMとは当時からの付き合いです。
フロントは「教師」のようなHCを求めていたようで、その点、ライナムはカレッジでのHC経験もあります。
ACにはボブ・スターク、デレック・スミスが就任。
スタークは、カレッジでの指導歴が長く、NBAではクリッパーズ&ヒートでACを4年、ブレッツでスカウトを1年(90~91シーズン)務めています。
スミスは、これがコーチ初経験。NBAで9年プレイしており、シクサーズ在籍時のHCがライナム、GMがナッシュでした。
【ドラフト】
1巡目第5位でジュワン・ハワード、2巡目第32位でジム・マッキルベインを指名。
ハワードは6フィート9インチのF。ミシガン大出身で、ファブ・ファイブのひとりというのは有名ですね。
ナチュラル・ポジションはPFですが、カレッジ時代はCでもプレイ。
ポストプレイとミドルレンジのジャンパーが上手く、リバウンドとディフェンスも良いです。
マッキルベインは7フィート1インチのC。
マーケット大出身で、NCAAトップクラスのショットブロッカーです(4年次のアベレージは4本以上)。
1巡目後半の指名も予想されていたとか。
【トレード2件】
①96年のドラフト2巡目指名権&98年のドラフト1巡目指名権をマジックに出して、スコット・スカイルズ&96年と98年のドラフト1巡目指名権を獲得。
②マイケル・アダムスをホーネッツに出して、96年と97年のドラフト2巡目指名権を獲得。
スカイルズはキャリア8年のPG。スコアリングGのアダムスとは違い、オーソドックスなタイプです。
1試合30アシストは有名。チームにはジャンプシュートの上手い選手が揃っているので、フィットするかもしれません。
こんな見返りで済んだのは、マジックがホーレス・グラント獲得に向けてキャップに空きを作りたかったからでした。
【FA補強】
①アンソニー・タッカー、ブライアン・オリバーと契約。
②昨シーズン良かったジョージ・ミュアサン、ミッチェル・バトラー、ケニー・ウォーカーと再契約。
タッカーは生まれも育ちもワシントンという地元っ子F。
高校時代は大スターで、数多のリクルートを受けた上で、地元の名門ジョージタウン大へ進学。
この頃はジョン・トンプソンHCに「全米でベストの選手かも」と言わしめるほどでした。
しかし、地元なのが裏目に出てしまい(たくさんの友達と連んでしまったとか)、1年で同大を辞めてウェイクフォレスト大へ。
ここでは良いプレイを見せますが、スターのそれではなく、92年のドラフトにも掛かりませんでした。
一応、ナゲッツのキャンプに呼ばれるんですが解雇され、ドイツへ。
しかし、そこですぐ左膝の前十字靱帯を断裂してしまい、リハビリに約1年。昨冬、ようやくセミプロで復帰していました。
次はCBAで、と思っていたようですが、サマーリーグがきっかけでNBAへ。開幕ロスターに残ります。
ミュアサンは、スペインのチームからもオファーをもらっており、ブレッツには30分のプレイングタイムを要求。
ナッシュGMは、それに対して「15分」と応えたようですが、残留しました。
このオフ、ケビン・ダックワースがちゃんと?ダイエットに取り組んでおり、ダックワースが良ければ出番は減りますかね。
オリバーは、ここ2年CBAでプレイしていたSG。
バトラーはサマーリーグで絶好調。4年契約を結びました。
【問題】
①ブレント・プライスが左膝の前十字靱帯を断裂。
②ハワードとの契約交渉が難航。
プライスもサマーリーグで良かったんですが、この怪我で来るシーズン中の復帰は望み薄となりました(実際全休)。
ブレッツは10年3000万ドルほどの契約を提示しますが、ハワード側は、6年2400万ドルを望んで拒否(エージェントはデビッド・フォーク)。
昨年の5位指名のアイザイア・ライダーより初年度の年俸が低く、また今年の6位指名のシャロン・ライト(フォークのクライアント)が結んだとされる契約の方が条件が良く、順位に見合っていないというワケです。
しかし、この当時、ルーキーたちの契約が毎年のように大きくなっていくことを危惧するナッシュは、ここで折れません。
ハワードへのオファーはフランチャイズ史上最大だ、充分な金額だろう、2月まではトレードもしないぞ、と強硬な姿勢を見せました。
結局、ハワードの契約交渉が終わらぬまま、開幕を迎えます。