狼89年オフ:創設

 

初代オーナーはマーブ・ウォルフェンソン、ハーベイ・ラトナーというビジネスマン。

この2人はジョージ・マイカンの援助も受けており、以前にはスパーズやジャズの購入も試みていますが、そのときは失敗。

87年にNBAが打ち出した今回のエクスパンション・プランで、晴れてオーナーとなりました。

 

チーム名の最終候補はティンバーウルブズ、ポーラーズ。

そして、87年1月23日、ミネソタ・ティンバーウルブズとなりました。

 

【初代エグゼクティブ&HC】

 

エグゼクティブにはビリー・マッキニーが就任。

元選手なんですが、30歳で現役を終えており、就任当時33歳でした。

NBAのフロント業はこれが初めてです。

 

そして88年8月末、マッキニーは初代HCにビル・マッセルマンを雇いました。

60年代後半からカレッジ、ABA、CBA、NBAで指揮を執ってきたベテランです。

 

モットーは「負けるくらいなら死んだ方がマシ。負けたらそれを背負って生きなければならない」。

70年代前半、ミネソタ大のHCを務めていた際、オハイオ州立大戦で事件を起こしています(マッセルマンに焚きつけられた選手たちが相手選手を必要以上に痛めつけ、被害にあった選手は後遺症を患うほどの重症)。

 

ABAやNBAでは短命で結果を残せていませんが、CBAでは4連覇を達成。

指導力はあるけれど要注意人物、といった感じでしょうか。

 

ACはトム・シボドー、ボブ・ザフェラートの2人。

2人ともプロでのプレイ経験はありません。

 

シボドーはこの当時31歳。まだNBAでのコーチ経験もなく、ウルブズに来る前はハーバード大のACでした。

ザフェラートはベテランですが、こちらもカレッジ中心。

NBAでは、ウォリアーズでジョニー・バックのACを3シーズン務めたくらいです。

 

【エクスパンション・ドラフト】

 

マジックとウルブズはコイン・フリップで勝負。

勝ったマジックはエクスパンション・ドラフトで先に指名する方を選び、ウルブズは来るドラフトで高順位を得られる、となりました。

ウルブズが指名した主な選手は指名順に下記の通り。

 

リック・マホーン

タイロン・コービン

スティーブ・ジョンソン

ブラッド・ローハウス

デビッド・リバース

マーク・ディビス

スコット・ロス

 

ロールプレイヤーばかりですが、マホーンは優勝したピストンズの主力でジョンソンは2年前のオールスター。

レイカーズにいたリバースも、ファイナルで健闘を見せました(開幕直前に解雇されますが)。

 

【ドラフト】

 

1巡目第10位でプー・リチャードソン、2巡目第34位でゲーリー・レオナード、第38位でダグ・ウェストを指名。

 

プーはUCLA出身のPG(6フィート2インチ)。

1年次からスターターを務め、主にプレイメイキングとディフェンスで活躍。スピードがあり、速攻ではダンクも見せるなど、身体能力もまずまずです。

 

本名はジェローム。「プー」は、くまのプーさんに由来しています(赤ん坊の頃、太っていたことからおばあちゃんが名付けたそう)。

フィラデルフィア生まれなんですが、NFLのミネソタ・バイキングスのファンで、子供の頃はバイキングに入りたかったとか。

 

ちなみに、これはやや予想外な指名。

ティム・ハーダウェイ、ムーキー・ブレイロック、BJ・アームストロングらを差し置いてのプーは少々サプライズだったようで、指名時の会場の反応は微妙でした(特にハーダウェイはドラフト前、ウルブズがミネソタの街に連れてきていたとも)。

 

レオナードはミズーリ大出身のC(7フィート1インチ)。

カレッジ時代のスタッツは平凡ですが、4年次はまずまず。1巡目中頃での指名も予想されていました。

因みにこの指名権は、EDの際、バックスとの取引で得たモノです(ディビスを指名する見返り。ディビスは解雇しちゃいますが)。

 

ウェストはヴィラノバ大出身のSG。

どこからでも点が取れる選手で、ディフェンスの評価も◎。跳躍力もあります。

 

【FA】

 

サム・ミッチェル、シドニー・ロウ、トッド・マーフィー、ドナルド・ロイヤル、トニー・キャンベル、エイドリアン・ブランチと契約。

 

ミッチェルは6フィート6インチのF。

85年のドラフト3巡目でロケッツに指名されますが残れず、CBA&USBLを経てフランスへ。

88年5月にはヒートのトライアウトに挑戦しますが残れず、もう一年フランスへ。

そしてこのオフ、ウルブズの三度のトライアウトをクリアし、晴れてウルブズと最初に契約を結んだ選手となったのでした☆

 

ロウはNBAとCBAを行き来するPG。

昨シーズン終了時はホーネッツにおり、制限付きFAでした。

 

マーフィーは6フィート9インチのビッグマン。

88年にCBAでアルバニー・パトルーンズが優勝したときの、チャンピオンシップ・シリーズのMVP。

当時のHCはマッセルマンで、マーフィーはシーズン終盤にNBAチームからオファーを受けますが、優勝を目指すために断っています。

昨シーズンはスペインでプレイしていました。

 

ロイヤル&ブランチは6フィート8インチのSF。

ロイヤルは87年のドラフト3巡目指名で、過去2シーズンはCBAでプレイ。

ブランチはCBAや海外リーグを挟みつつも、NBAで3シーズンのキャリアがあります。

 

キャンベルはキャリア5年のこれまたSF。

ここ2シーズンはレイカーズにおり、ベンチプレイヤーでしたが、昨ファイナルでは活躍を見せました。

今回は4年契約です。

 

マーフィーの他、ミッチェル、ロウ、キャンベル、そしてEDで指名されたロスの計5人がマッセルマンのCBA時代の教え子です。

 

【問題】

 

EDで指名した選手のうち、マホーン、ジョンソン、コービンは、トレーニング・キャンプ前に行われる身体検査に姿を現しませんでした。

3人は契約の更改を求めていました。

 

特にマホーンの契約には、「プレイオフに進出した場合」「優勝した場合」にインセンティブを貰える条項があったらしいんですが、エクスパンション・チームでは無理だから見直したいということなんですね。

ちなみに、マホーンとコービンは代理人が同じです。

 

【そしてトレード】

 

マホーンをシクサーズに出して、90年のドラフト1巡目指名権&91年の2巡目指名権&92年の2巡目指名権を獲得。

 

マホーンの要求内容は、「ウルブズに加入する場合は元々のサラリーの3倍近くにして欲しい」、「トレードされる場合も20万ドルの上乗せをして欲しい」というもの。

 

ウルブズはこの要求を拒否(特に2つ目はトレードしにくいですし)。

これに対してマホーン側はイタリア行きを仄めかし、ウルブズはそれを阻止するために訴訟をちらつかせます。

こうして長期戦となり、最終的にシクサーズとの取引に合意しました(レイカーズからもオファーがあった模様)。

 

ちなみに、ルーキー3人とは8月中に契約。

プーとレオナードもまたイタリア行きを匂わせたようですが、こちらは長期戦にならず済みました。

ルーキーとマッセルマン・コネクションでNBAに臨みます。