騎99年オフ

 

95年と97年のオフにチーム作りをやり直す動きをしていましたが、このオフ、遂に抜本的な改革に動きます。

 

【6月頭】

 

チームはHCのマイク・フラテロを解任。

更にウェイン・エンブリーがGMを退き、新たにジム・パクソンが就任しました(エンブリーはフロントには残る模様)。

 

フラテロのキャブスでの戦績は、6シーズンで248勝212敗。

4度進んだプレイオフはいずれも1stラウンド負けでしたが、この間のチーム事情を考慮すると悪くなかった気がします。

契約も1年残っており、フラテロは驚いたとも。

 

フロントは後任を探すにあたって、フラテロのスローペースなスタイルから離れることを目標に掲げており、集客の悪化が解任の大きな理由かなと思います。

(94~95シーズンと昨シーズンで比べると、1試合平均で4000人ほど減ってしまいました)

 

パクソンは、79~90年までNBAでプレイし、現役時代はオールスターにも二度出場。

引退後は古巣ブレイザーズのアシスタントGMを務めていました。

 

【ドラフト】

 

ドラフト1巡目第8位でアンドレ・ミラー、第11位でトレイジャン・ラングドン、2巡目第39位でAJ・ブラムレットを指名。

 

ミラーはユタ大出身のPG(6フィート2インチ)。

オープンコートでもハーフコートでも活躍できるフロアリーダーで、ペネトレイトが上手。

PGとしてはリバウンドも多く、この年のドラフトではいちばんのPGという評価もありました。


カレッジ時代のハイライトは3年次(98年)のNCAAトーナメント。

ディフェンディング・チャンピオンのアリゾナ大相手にトリプルダブルをマークし、チームも勝利を収めています。

 

難点はスピードに欠けることと、アウトサイドシュートですかね。

 

ラングドンは6フィート3インチのSG。

デューク大出身のシューターで、ニックネームはアラスカ育ちに因んで”アラスカン・アサシン”。

2年次を膝の故障で全休しており、同大には5年間在籍しています。

 

シュートが抜群に上手く、3Pも4割を超えますが、SGとしては小柄で、身体能力とスピードに欠けるのが欠点。

ハンドリングも良くはなく、ディフェンスも今ひとつです。

 

ドラフト前の評価はもう少し低く、この順位で指名されたのはややサプライズ。

ラングドン自身も驚いたようで、会場のファンからはブーイングが起こりました。

 

高校時代には野球でも結果を残しており、94年(デューク大に入った年)にはMLBのドラフトでパドレスから指名され、ここで契約。

在学中の3年間、夏の間はマイナーリーグでプレイしています。

 

ブラムレットはアリゾナ大出身のC(6フィート10インチ)。

在学中の同大は強く、マイク・ビビー、ジェイソン・テリーらと共闘しました。

2年次(97年)にはNCAAチャンピオンを経験しています。

 

機動力のあるビッグマンでハードワーカーですが、NBAのCとしては線が細いですかね。

FTは苦手で、カレッジ4年間の通算は5割台です。

 

【新HC】

 

ランディ・ウィットマンが就任しました。

 

ウィットマンは、現役時代にフラテロの下で5シーズンプレイしているんですが、フラテロのゲームプランを踏襲する意思はないようで(でなければ雇われないと思いますが)、柔軟にやるつもりだとしています。

 

92年に引退後はペイサーズ、マブスを経て、ここ5シーズンはウルブズのACを務めていました。

HC経験は、どのレベルでもありません。

 

ACはビル・ブレア、ボブ・オシープカ、マイク・ウッドソンの3人。

ブレアは57歳のベテランで、NBAではこれまでに4チームでAC、2チームでHCを務めたことがあります。

 

オシープカの、NBAでのAC歴は5チームで計9年。

最初にACを務めたペイサーズで選手としてのウィットマンと出会っており、92~93シーズンは共にACを務めました。

ウッドソンは96年にバックスでACデビューしたばかりで、これが2チーム目。

 

【パクソン初トレード】

 

デレック・アンダーソン&ジョニー・ニューマンをクリッパーズに出して、ラモンド・マレーを獲得。

 

契約最終年に入るアンダーソンは、過去2シーズン、それなりのポテンシャルは見せましたが期待に応えたとは言えず、それでも7年間6000万ドルの延長契約を求めていました。

パクソンGMは契約問題がトレードの要因であると認めています。

 

マレーは、94~95シーズンにクリッパーズでデビューしたキャリア5年のSF(6フィート7インチ)。

得点力のある選手ですが、クリッパーズ時代は出場機会&起用法にムラがあり、シーズン毎にスタッツのアップダウンがみられました。

昨シーズンは主に控えとしてプレイし、平均12.2点をあげています。

 

これはサイン&トレードで、マレーは7年間2500万ドルの契約を結んでいます。

 

【FA関係】

 

ライアン・スタック、セドリック・ヘンダーソンと再契約。

マーク・ブライアント、ベノイト・ベンジャミンと契約。


ブライアントはキャリア11年のF/C(6フィート9インチ・245ポンド)。

これまで主にバックアップとして、強かったときのブレイザーズやロケッツ、インサイドの弱いサンズなどで重宝されてきました。

 

ベンジャミンはキャリア14年の7フッター。

かつてはスターティングCとしてそれなりの数字を残してきましたが、3シーズン前から突然需要がなくなってしまいました。

このオフはレイカーズと契約するも解雇されており、今回はその直後の契約です。

 

因みに、フロントはブレビン・ナイトと契約延長も締結。

ポジションの重なるミラーを取っていますが…

 

【怪我の話】

 

ジドルナス・イルガウスカスが開幕から8週間は欠場することが決まりました。

 

昨シーズン開幕直後に左足の舟上骨(足の甲から土踏まずにかけてある骨)を疲労骨折したイルガウスカスは、手術をせず、ギブスで固定していただけ。

夏の間はワークアウトに励んで復帰の準備をしていました。

 

しかし、トレーニングキャンプが始まるとすぐに左足に痛みが出てきたことで、複数の医師に相談。

”スクリューを埋め込めばより完全に治るかもしれない”というアドバイスもある中、イルガウスカスは”手術をしたら来るシーズンをプレイできる保証はない”として、ヒューストンの医師に言われた”8週間の安静”をチョイスしました。