山98年オフ
新GMのダン・イッセルは、チーム史上最悪のシーズンを過ごしたナゲッツを建て直さねばなりません。
手始めに、昨シーズン終了直後、HCのビル・ハンズリックを解任しました。
契約は2年残っており、イッセルは「(昨シーズンのチームのHCを任されたことについて)フェアな状況ではなかった」とハンズリックを擁護する旨のコメントをしていますが、変えていかないとってことですかね。
AC陣も一緒にリリースされています。
【そしてドラフト日①】
ドラフト1巡目第3位でラエフ・ラフレンツ、23位でティロン・ルー、2巡目第54位でトレメイン・フォルクス、55位でライアン・ボウエンを指名しました。
ラフレンツはカンザス大出身のサウスポービッグマン(6フィート11インチ)。
カンザス大で4年間スターターを務め、3年次&4年次にはオール・アメリカンに選出されました☆
90年代にこの偉業を達成したのはシャキール・オニール&ティム・ダンカンの2人だけです。
因みに、当時はポール・ピアースとチームメイト。
プロ入り後のラフレンツは「3P&ブロックが得意なC」といった感じになりますが、実は、カレッジ4年間で決めた3Pは13本しかありません。
フォルクスはフレズノ州立大出身のSF。
NBAに来るのは01~02シーズンです(クリッパーズでデビュー)。
ボウエンはアイオワ大出身のこれまたSF。
ディフェンシブな白人Fで、アイオワ大の通算スティール記録を持っている選手ですが、このシーズンはトルコで過ごします。
【ドラフト日②】
トニー・バティ&ティロン・ルーを出して、レイカーズからニック・ヴァンエクセルを獲得。
ヴァンエクセルは93年のプロ入り以来5シーズン、レイカーズでスターティングPGを務めていました。
得点とアシストを両立でき、TOが少ないのも特徴。勝負強さもあります。
ただ、シュート・セレクションはいまいちで、シュートの精度も低め。
また、素行の悪さも心配のひとつで、レイカーズではHCのデル・ハリスと何度も衝突。昨プレイオフでもその言動がチームの不興を買ったとされていました。
~ロックアウト~
【ロックアウト中に新HC】
昨シーズン、ACと暫定GMを務めたマイク・ダントーニがHCに就任。
現役時代はNBA、ABA、イタリアでプレイ。
引退後はそのままイタリア・リーグで7シーズンHCを務め、コーチ・オブ・ザ・イヤーを2度受賞。
97年にはイタリア・リーグの王者になっています。
ACにはジョン・ルーカス、マイク・エヴァンス、ルーイー・ダンピアー、キム・ヒューズを招聘。
ルーカスはNBAで4年のHC歴がありますが、ACはこれが初めて。カレッジその他のレベルでもコーチ経験はありません。
エヴァンスは5シーズン振りの帰還。イッセルに呼ばれたんでしょうか。
ダンピアー&ヒューズはこれが初めてのNBAコーチ業。
ダンピアーはABAのスターGでした。
ヒューズはダントーニと同じく、現役時代はイタリアで長くプレイしました(チームは別)。
ナゲッツでも短期間だけプレイしており、当時のチームにはイッセルがいました。
~ロックアウト終了~
【早速△トレード】
・ナゲッツは99年のドラフト1巡目指名権をラプターズ、ボビー・ジャクソン&ディーン・ギャレットをウルブズに放出。
・ウルブズはマイケル・ウィリアムス&ゼリコ・レブラチャとの交渉権&00年のドラフト1巡目指名権をラプターズに放出。
・ナゲッツはラプターズからチャウンシー・ビラップス&タイソン・ウィーラーを獲得。
ビラップスは昨年のドラフト1巡目第3位指名。
セルティックスに入団してまずまずのプレイをしていましたが、トレード期限にはラプターズに放出されてしまいました。
カレッジはコロラド大です。
ウィーラーは5フィート10インチ・165ポンドという小柄なPGで、ロード・アイランド大の出身。
ドラフト2巡目でラプターズに指名されていました。
【同日にもうひとつトレード】
00年のドラフト1巡目指名権をマジックに放出して、見返りにジョニー・テイラー&キオン・クラーク(ドラフト1巡目第13位)を獲得。
テイラーは6フィート9インチの大型SF。
昨シーズンのドラフト1巡目第17位指名ですが、肩を故障したためにルーキー・シーズンに出場したのは僅か12試合でした。
クラークはUNLV出身のサウスポーPF。
6フィート11インチ・220ポンドという数字だけなら一見普通?のビッグマンですが、この人は手足が長く、身体能力も高いです。
元々は2つのジュニア・カレッジを経て、UNLVに入学した苦労人。UNLVでは(3年次に)同大史上初となる「1シーズンに100ブロックを記録した選手」となりますが、4年次にはチームのルールに違反し、僅か10試合しかプレイできませんでした。
【FA】
アントニオ・マクダイスと契約。
ちょうど1年前のオフ、「FAになったら再契約できないんじゃないか?」という懸念からサンズに放出されたマクダイスを呼び戻すことに成功しました。
この古巣復帰にはちょっとした裏話?があります。
オフの間、マクダイスはナゲッツ、サンズの両方と交渉を進めており、一旦は「口約束でナゲッツ復帰が決まった」とされていました。
ところが、そこからどんな心境の変化があったのか、マクダイスの心はサンズに傾き出します。
マクダイスはコロラド・アバランチの試合にサンズでチームメイトだった選手たちを招待しました。
これを知ったGMのイッセルはセキュリティに頼んで、サンズの選手たちがマクダイスと会えないように画策。
そのままマクダイスとの契約に至ったと言われています。
どの程度、信憑性のある話かはわかりません。
【その他もろもろ】
ケリー・マッカーティ、モンティ・ウィリアムス、ローレン・マイヤー、マーク・ランドールと契約。
自チームのFAは、最古参のラフォンゾ・エリスもジョニー・ニューマンも引き留めず、コーリー・アレキサンダー&エリック・ワシントンだけ呼び戻しました。
マッカーティはサザン・ミシシッピ大出身のルーキー・スウィングマン。ドラフトには引っ掛かりませんでした。
ウィリアムスは中堅のSF。ここ2シーズンほどはスパーズでショーン・エリオットのバックアップを務めていました。
マイヤーは95年のドラフト1巡目指名でマブスに入団したC。シュートが上手です。
サンズに在籍した昨シーズンは、故障のために全休しています。
ランドールは95年以来のNBA。
ここ3シーズンはCBAでプレイしていたようです。