山96年オフ
昨シーズン、3シーズン振りにプレイオフを逃したナゲッツ。
バーニー・ビッカースタッフはロスターを大幅に入れ替えます。
【オフに入ってすぐの話】
・マッムード・アブドゥル・ラウーフをキングスに出して、サルナス・マーシャローニス&96年のドラフト2巡目指名権(37位)を獲得。
・ジェイレン・ローズ&レジー・ウィリアムス&96年のドラフト1巡目指名権(10位)をペイサーズに出して、マーク・ジャクソン&リッキー・ピアース&96年のドラフト1巡目指名権(23位)を獲得。
マーシャローニスはリトアニア出身のG。かつては平均18点前後をあげる優秀な6マンでしたが、93年に膝を故障してからは失速していました。
ジャクソンはキャリア9年のPG。アシストを量産できるPGで、リバウンドも強く、ポストアップからオフェンスの起点となれるのも特徴です。難点はディフェンス。
このオフのうちに延長契約を結びます。
ピアースは37歳・キャリア14年の大ベテランSG。
キャリアの大半をベンチ・プレイヤーとして過ごしてきましたが、得点力があり、6マン・アワードを2度受賞しています。
ビッカースタッフによれば、これらは勝つためのトレード。
実績のあるベテランが欲しかったようで、また10位指名権では欲しい選手が取れないと判断したようです(この年、豊作だったんですけどね)。
ラウーフの放出については、昨シーズンの騒動と故障が理由ではないとしながらも、無意識に作用したかもしれないともコメント。
新加入組はみんな契約の最終年なので、失敗したら再建にも踏み出せるし、まぁいいのでしょうか。
【そしてドラフト】
先の2件のトレードで得た指名権を行使。1巡目第23位でエフティミアス・レンツィアス、2巡目第37位でジェフ・マキニスを指名しました。
レンツィアスは6フィート11インチ・260ポンドのCで、ギリシャ出身。
17歳の時から地元のプロリーグでプレイしており、95年の世界ジュニア選手権ではMVPを受賞。
当時のギリシャはアメリカをも破っており、最も才能のあるヨーロッパ選手のひとりとして考えられていました。
ただ、ビッカースタッフはレンツィアスのプレイを実際に見たことはなかったそうで(身長を勘違いしていたとも?)、指名されたこのときはまだギリシャのチームの契約下。
レンツィアスはNBAに来ない選択をします(02年に来ますが)。
マキニスはノースカロライナ大出身のPG。
ジェリー・スタックハウス、ラシード・ウォレスらと一緒にプレイしていました。
攻守両面でそれなりの評価は得ていた一方、それがNBAレベルで通用するか懐疑的にも見られていた様子。
感情的な一面もあり、ちょっと扱いが難しいかもしれません。
【そして大失態】
ディケンベ・ムトンボがホークスと契約(!)
オールスターが、無償でチームを去ってしまいました。
ナゲッツは当初、ムトンボをサイン&トレードでサンズに出し、サンズはチャールズ・バークリーをロケッツへ、ロケッツはサム・キャセール&ロバート・オーリーをナゲッツに出すという大掛かりな△トレードを画策していました。
しかし、この話が、契約交渉期間が始まるより前から流れていたことにリーグが難色を示し、交渉はご破算。
宙ぶらりんになったムトンボはナゲッツの対応に不快感を示し、さっさとホークスと契約してしまったということです。
ビッカースタッフはムトンボを、フランチャイズ・プレイヤーの器だとも、年800万ドル以上の価値があるとも考えていませんでした。
しかし、オーナーのチャーリー・ライオンズは「我々はムトンボを浪費した」と振り返り、元HCのダン・イッセルは見返りなくムトンボを失ったことを批判。「ナゲッツが再建を終える前に21世紀が来てしまう」とコメントしています(これは当たります)。
【FAその1】
・ブライアント・スティス、デイル・エリスと再契約。
・ムトンボがホークスと契約した直後、アービン・ジョンソンと契約。
ジョンソンは6フィート11インチ・245ポンドのC。
デビュー以来3シーズンをソニックスで過ごし、多くの試合で先発起用されるまでに成長しましたが、先に行われたファイナルでは機能せず。
リバウンドとブロックが武器ですが、スピードに欠けます。
【FAその2】
ダービン・ハム、キース・ジェニングス、エリック・マードック、リッチ・キング、ラサール・トンプソンと契約。
ハムはドラフト外のルーキーF。テキサス工科大出身。
目立った成績は残していませんが、96年のNCAAトーナメント、ノースカロライナ大戦で強烈なダンクでバックボードを粉砕!
これはスポーツ・イラストレイティッド誌の表紙を飾っています♪
マードックはキャリア5年のPG。かつてはMIP候補にも挙がったことがありますが、その後は今ひとつ。
昨シーズンはグリズリーズにいました。
キングは7フィート2インチ・260ポンドの巨漢C。91~95年までソニックスで過ごしましたが、役割は第3のCで目立つ実績はありません。
トンプソンは、ピアースと並んでキャリア14年の大ベテランC/F。キングスやペイサーズなどでプレイしてきましたが、4シーズンほど前から戦力外状態となっています。
ジェニングスは5フィート7インチ・160ポンドの小型PG。
これまでにウォリアーズで3シーズン、スペインで1シーズンプレイしていました。
残念ながらプレシーズンで膝を故障し、シーズン絶望が決まります。