凸95年オフ:創設
93年9月30日、カナダのトロントに新チームの創設が決定。
チーム名は、46~47シーズンに1シーズンだけNBAに在籍したトロント・ハスキーズの名前を再利用する案が出ますが、「ハスキーは犬なので、ロゴがミネソタ・ティンバーウルブズに似てしまう」という理由で却下。
公募を募った結果、当時ヒットしたジュラシック・パークの影響も受け、”トロント・ラプターズ” となりました。
因みにボツ案には「ビーバーズ、グリズリーズ(あれ?)、ボブキャッツ(お?)、タランチュラズ、スコーピオンズ、ホッグス、テリアズ、Tレックス」などがあったんだとか。
初代オーナーはジョン・ビトーブというトロントのビジネスマンを中心とするグループで、この人とアラン・スレイトという2人で利権の9割近くを保持していました。
【主な人事】
94年5月末、チームのロゴと一緒に初代GMがアイザイア・トーマスであると発表されました。
トーマスはこの後、二度に分けてチームの利権も獲得します(つまりパートオーナーに)。
そして、そのトーマスは初代HCにブレンダン・マローンを採用(95年6月頭)。
長いことピストンズでACを務めていた人物で、5月にそれを解雇されたところでした。
トーマスとは88~94年まで共闘した仲で、ともに連覇を経験。
トーマスは、当初はHC候補として考えていなかったようですが、FAのためのキャンプでの仕事ぶりをみて心変わり。「完全に見過ごしていた」とコメントしています。
NBAでのHCはこれが初めてで、カレッジでもHCは2シーズンのみです(ロードアイランド大)。
ACにはジョン・シューメイト、ダレル・ウォーカー、ボブ・ザフェラートが就任。
シューメイトはサザンメソジスト大の元HC。75~81年にはNBAでプレイした経験があります。
ウォーカーは83~93年までNBAでプレイ。トーマス在籍時のピストンズでも1シーズン過ごしています。
ザフェラートはもうすぐ還暦のベテランコーチ。NBAではこれまで、ウォリアーズ、ウルブズ、マブスでAC経験があります。
また、5月末、トーマスはラプターズ第一号選手として、イタリア人のビンセンゾ・エスポシトと契約。
6フィート3インチのSGで、プロデビューは15歳。
84~93年を地元のチームで過ごし、93年からはスペインのチームでプレイしていました。
スペインではスコアラーとして活躍しており、NBAチームと契約した初のイタリア人選手です。
気性が荒かったとか。
【エクスパンション・ドラフト】
トーマスが指名したのは以下の14人。
BJ・アームストロング(ブルズ)
トニー・マッセンバーグ(クリッパーズ)
オンドレス・ギベアー(ウルブズ)
キース・ジェニングス(ウォリアーズ)
ドントニオ・ウィングフィールド(ソニックス)
ダグ・スミス(マブス)
ジェローム・カーシー(ブレイザーズ)
ザン・タバック(ロケッツ)
ウィリー・アンダーソン(スパーズ)
エド・ピンクニー(バックス)
エイシー・アール(セルティックス)
BJ・タイラー(シクサーズ)
ジョン・サリー(ヒート)
オリバー・ミラー(ピストンズ)
ジェニングス、ウィングフィールド、アームストロング、スミス、カーシーは残りません。
【初ドラフト】
1巡目第7位でディモン・ストウダマイヤー、2巡目第35位でジミー・キングを指名。
ストウダマイヤーはアリゾナ大出身のPG。
スピードとクイックネス、シュート力が武器で、所属カンファレンス史上2人目となる、カレッジ通算1800点・400リバウンド・600アシストをあげた選手(もう1人はゲーリー・ペイトン)
94年にはチームをファイナル4まで牽引しました。
5フィート10インチ・171ポンドというサイズの小ささと、シュート第一のスタイルが不安材料です。
この年のドラフトはラプターズの本拠地となるスカイドームで開催され、地元ファンは6位の指名が終わると “We want Ed(エド・オバノン)!”とコール。
そのため、指名直後のストウダマイヤーにブーイングが浴びせられました。
キングはミシガン大出身のSGで、ファブファイブの一員。
レイ・ジャクソンと2人になった昨シーズンは、得点アベレージこそ増えましたが、シュートの精度は4年間でワースト。TOも多かったです。
【初トレード】
アームストロングをウォリアーズに出し、カルロス・ロジャース&ビクター・アレキサンダー&ドウェイン・ウィットフィールド&マーティン・ルイス&マイケル・マクドナルドを獲得。
アームストロングは昨シーズンまでブルズのスターティングGを務めており、91~93年の3ピートに貢献。
この当時、まだ28歳でした。
エクスパンション・チームでのプレイについて、当初はトーマスの存在を理由に前向きな言葉を残していましたが、急転直下でトレードを要求。
それが叶ったかたちとなりました(ドラフト時に合意していたようですが、ロックアウトのために成立は9月)。
ロジャースは昨シーズンのドラフト1巡目第11位指名。
荒削りですが、6フィート11インチ・220ポンドのサイズと、ポジション度外視の身体能力の高さが魅力です。
アレキサンダーはキャリア4年のC。
プロ入り以来ウォリアーズ一筋でプレイしており、そこでは
チーム事情からスターティングCを務めることも少なくなかったです。
難点は体重の問題があること。
ウィットフィールド&ルイス&マクドナルドは、この年のドラフト2巡目でウォリアーズが指名したルーキー候補生たち(マクドナルドはCBAへ行くので割愛)。
ウィットフィールドは6フィート9インチのPFで、ジャクソン州立大の出身。ドラフト2巡目第40位指名です。
開幕前日に解雇されますが、シーズン中にまた合流します。
ルイスは6フィート5インチのスウィングマン。
カンザス州出身で、地元のコミュニティ・カレッジ2校を経てドラフト2巡目第50位で指名されました。
コミュニティ・カレッジから直接指名される選手は珍しいです。
【FAでの補強】
①カーシー&スミス&ウィングフィールドらをリリースor権利を放棄。
②10月頭、アルビン・ロバートソンと契約。
③開幕当日、トレイシー・マレーと契約。
ベテランのロバートソンはスパーズやバックスなどで活躍したSGで、ディフェンスのスペシャリスト。
ただ、フロントとのいざこざや故障で、ここ2シーズンはまったくプレイしていませんでした。
マレーは3P成功率でリーグ首位になったことのあるシューターなんですが、そのときも本数は少なく、出場機会を得られない状態が続いていました。
因みに、プレシーズン中、アレキサンダーをキャブスに放出し、ハロルド・マイナー&ドラフト2巡目指名権&金銭を受け取るというトレードが成立しかかりますが、アレキサンダーが健康診断に引っ掛かって破談になります。
【ホームコート】
本拠地のスカイドームは、MLBのトロント・ブルージェイズの本拠地で、他にはカナダのフットボール・チームが使用するなど、バスケット専用の場所ではありません。
ラプターズのためのアリーナはこの当時着工すらされておらず、暫くはドーム球場で試合を行うことになります。