この夏の終りは急に、ふっつりと途切れるように終わってしまいました。

9月半ばころまで暑さが続くと思ったら、突然冷たい風が吹き始め、季節の輪がカタン、と音を立てて回転したようでした。

このころに例年に比べて降雨量が多く、秋夕の名節を前に農産物被害が大きかったといいます。

しかし個人的には肺気が乾燥しているという事情があって、長雨のおかげでかえってよいコンディションを保つことができました。

しかし秋夕が過ぎて、大陸の秋特有の冷たく乾燥した風が朝夕吹き出すと、やはり例年のごとく気管支がここぞとばかりその存在感を主張し始めました。

咳嗽症(咳き)の始まりです。

なだめ、なだめてやっとこのごろ、季節変化に肺が遅ればせながら追い付いて、咳が落ち着いてきました。

 

雨が多く湿気も高かった今年のソウルの初秋の空気というか、気配は、しばしば東京で過ごしたの2006年の秋を懐かしく思い起こさせました。

それで、思い出に浸ってその当時のメモ書きを取り出し、開いて見ました。

 

 

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椿の元気+陽気+きれいライフ
 

 

夜空を見上げて明日の天気を予測することがこの国では難しい。

いつも湿度が高い。

しばしば、予告なく降り始める雨。

空気が粒にはならない雨を目一杯抱え込み、水を含んだスポンジのようにじっとりと重く感じられる様な、霧雨。

湿気の強さからいっそう身に堪える蒸し暑さ。

 

 

この湿気と蒸し暑さを克服する手段はまさにエアコンだ。

韓国の家庭ではそれほど使用頻度が高くないエアコンが、ここ日本ではどの家にも、2台、3台と設置されているようだ。

一日中窓を閉めきって、冷房、除湿、送風を繰りかえす。

 

湿気た布団を乾かすために、ベランダや物干し台に毎日日替わりで布団を干す。

今日は寝室の掛け布団、翌日は子供の敷き布団、といった具合いに。

ときどき掃除機をかける音が聞こえてくるのが唯一の騒音と言えば騒音で、住宅街のど真ん中なのに、隣近所は本当に人が住んでいるのかと疑いたくなるほど静かだ。

自分の話し声もこの国に来てからどんどんボリュームが抑えられていく。

 

 

人々はあまり個性や特徴をアピールしないような地味な服装(当時の私は、日本のファッションはおしなべて色合いが曖昧で柄物も好まず、どの人を見ても似たり寄ったりだという印象を受けました)。

会社員は毎朝自転車でわき目もふらずに疾走し駅前に駐輪、そのまま駅に吸い込まれるように各自の道を急ぐ。

 

高級輸入車を時々は見掛けても、運転しているのはカジュアルな服装をした若者だったりと、だれがお金持ちでだれが苦しい生活なのかが見た目で判別できない。

これは日本が「住みやすい国」といわれる条件のひとつだろう。

余裕のある人も派手な使い方をしない。

おおかたの人はそこそこの願いなら満喫できるほどの蓄えをもっている。

 

 


椿の元気+陽気+きれいライフ

 

 

椿漢方はソウルにある韓方クリニックです。

漢方と鍼治療健康と美容のお手伝いをさせていただいています。