椿の元気+陽気+きれいライフ
平均寿命が延びるのと同時並行的に、well-being(「ほんとうにからだが求める心地良いものとは何か」について前向きな姿勢で探求し、心身ともに健康で豊かに生きようとするありかた)が、現代に生きる私たちにとって重要なテーマとして浮上してきました。

健康か、疾病人かという二分法で割りきれない、その境のグレーゾーンに位置する「亜健康」への関心が集まっています。

 

WHOの報告によると、全世界の人口を健康状態によって分類すると、非常に健康:5%、患者:20%,亜健康状態の人口が75%という研究報告がされています。

また日本の総合健康検診センターを訪問する成人を分析した結果、亜健康状態と判別される受診者が男性は3人に一人、女性では2.4人に一人だったという報告がされています。

 

東洋医学では、このような亜健康状態を「未病」と呼んで、重要な治療段階と考えてきた歴史があります。

2000年前に記された漢方医学の原典とも言える『皇帝内経』のなかに、「優れた医師はすでに疾病に進展してしまった対象を治すのではなく、未病を治す」というくだりがあります。

病が発症してから投薬することを、喉が渇いてから井戸を掘ったり、戦争に出陣することが決まってから武器を作り始めたりすることに例え、「もう遅い、手遅れ、愚鈍」と表現しています。

 

未病とは、まだ疾病にまでは進展していないけれども、人体の陰陽、気血、臓器の均衡が崩れた状態をいい、漢方医学では重要な治療対象(治療段階)です。

肩凝りや生理痛、慢性頭痛、疲労感や慢性の胃もたれなど、西洋医学では検査を通して病名で診断される段階ではないけれども、すでに本人は変調を自覚し、つらく感じている症状を言います。

 

未病は到達できる範囲の最良の健康状態を志向する治療概念であり、予防医学としても卓越した理論になります。

健康は健康状態にあるときに守るもの、という考え方や、実年齢よりも若々しくありたいとするアンチエイジングも、未病概念に包括されてます。

 

基礎体温が低くならないよう、持続的にお灸治療を受けることで抗病力と免疫力を維持する努力。

漢方薬を服用することで偏重のある体質の均衡を保とうとする試み。

少なくとも体質や体調にみあう漢方茶や薬膳的知識をもって食卓を構成する習慣。

これらが未病を理解し積極的に対処しようとする正しい姿勢であり実践だといえます。

 

伝染病が跋扈し、戦争で多くの人が負傷し、結核が死亡原因の上位にランクしていた過去一世紀の間に、西洋医学は東洋医学を押し退けて「主流医学」の座を確保したかに見えます。

しかしながらここ20ー30年の間に悪性腫瘍(ガン)や生活習慣病(成人病)が主たる死亡原因に変化してきたことからもわかるように、現在は再び東洋医学の役割に大きく期待できる時代がきたと考えます。

 

東洋医学が、みなさんの生き方の質を向上するのに大きな力を分けてくれるものと信じています。

 

 


椿の元気+陽気+きれいライフ

 

椿漢方はソウルにある韓方クリニックです。

漢方と鍼治療健康と美容のお手伝いをさせていただいています。