誤解だらけのDeNA運営「ウェルク(WELQ)」の記事内容問題 | Webライティング・SEO集客 ~スキルアップで稼げる個人になろう!~

誤解だらけのDeNA運営「ウェルク(WELQ)」の記事内容問題

DeNAは、同社が運営する医療健康情報サイトの

「ウェルク(WELQ)」に掲載されているすべての記事を

いったん非公開にすると11月29日に発表した。

 

人の健康や生死に関わる情報について、誤った情報が
大量発信されているとして、多方面から非難を受けていた。


東京都も問題視しており、都福祉保険局は11月28日、
「WELQに問題がある」と判断し、DeNAの担当者に

来庁を依頼したという。
この東京都からの呼び出しが、DeNAの記事非公開を

決定づけた可能性がある。


従来は情報サイトに関しては薬機法

(医薬品、医療機器等法*旧薬事法)の監視
対象外と言われていたが、この問題を契機に
今後は情報サイトも取り締まる可能性が高くなった。


この「事件」に対して、ネットでは多くの意見が出されているが、
不正確なものや、誤解に基づくものが多いのでここで整理しておく。


論点を次の2つに絞って解説する。

 

1)DeNAはネットを荒らす悪か?

 

2)グーグルは理想的な検索エンジンか?

 


1)DeNAはネットを荒らす悪か?

 

WELQでは主にクラウドソーシング上で集めたライター

によって書かれた記事を掲載しているサイトだ。


約8000文字の記事を1日100記事ぐらい投稿していた

というから、規模が並外れている!
1記事4000円として計算すると、ライターに支払う報酬だけで
1日40万円。1ヶ月1200万円だ。


資金力のある大手企業だからできること。


ではなぜこれだけ一気に大量の記事を作成したかといえば、
短期でアクセス数を増やすため。
実際にWELQはサイト開設たった6ヶ月で600万アクセスを

生むという驚異的な成功を収めた。


アクセスが増えた原因は、WELQの記事はSEO的に強く、
非常に多くの重要キーワードで上位表示するようになったから。


今回、大きな問題になった最も大きな原因は、
目立ったから。
=======


短期で検索エンジンで上位表示し、爆発的なアクセスを
集めるようになった。その運営元が有名IT企業で、
他のサイトも同様の方法で成功しているため、
一気に注目を集めた。

 

そこで記事内容が良ければ問題はなかったが、
間違い記事が多数指摘され、炎上するまでに至った。


ではWELQは特別ずさんなことを行ったのか。


実はクラウソソーシング上で募ったライターに書いてもらう
こと自体はどこでもやっていること。

近年は質が低いのが多いと問題にはなってきているが、
それでも普通に行われており、世の中に存在する多くの
情報サイトがそのようにしてできあがっている。


すべての記事を専門家に書いてもらうことは、
コスト、労力の両面からいって難しいうえ、
そもそも専門家しか情報発信できないというのは

現実的ではない。


WELQは従来から行われている手法を
めちゃめちゃ大がかりにやったということ。


記事に盗作が含まれているなどの問題も
指摘されるが、それに関しても、WELQだけが
粗悪というのは説得力がないだろう。


私は決してWELQを擁護する気はない。
他サイトと同じことをやっているとしても、有名上場企業が
行うことは、より倫理が問われるものだし、
運営元を見て情報を信用する場合もあることを
考えるとDeNAの責任は重い。

影響力が大きいサイトになったことを考えればなおさらだ。

 

間違った記事に関してはチェックが甘かったということで、
責任を問われるのは当然だ。


しかし、DeNAの責任を問うだけでは真実が
見過ごされてしまう。


WELQが非公開にされたことにより、
表示される記事は良質なものになったかといえば、
全くそうではないということ。


むしろ、WELQは一定の倫理的基準を設けて
ライターに依頼しているだけまだ他より
ましかもしれないのだ。


ただ関連文章さえあればどうにでもなる、
といった無責任な運営者も少なからずいる。


ともかく、WELQの制作手法は規模の大小はあれど、
ごく一般的に行われていることだ。


重要なのはどこまで厳しく内容をチェックしているか
ということ。

もちろん、倫理、技能ともに優れたライターを雇うことこそが、
質の高いサイトにするうえで、極めて重要なこと。


人はとかく活字になったものを信用しがちだが、
ネット上にある情報には、ウソやデマも多い。
いや、ウソやデマはそこらじゅうに転がっている。


このようなネット環境である以上、情報に対して敏感になり、
そのウラを取ることが必要だ。

 


2)グーグルは理想的な検索エンジンか?


現在の検索エンジンはヤフー、グーグルともに、
グーグル製の検索エンジンを使用しているので、
日本で検索エンジンといえばグーグルと考えて良いだろう。


グーグルの検索エンジンが目指しているのはユーザーが

求めている役立つページを上位表示させること。


グーグルはクローラーというサイトの読み取り機能を使って、
大量のサイトを巡回して、様々な要素によって順位付けを

行っている。


つまり、順位の決定はほぼすべて機械が行っている。


だから順位は決して人気順ではないし、
検索エンジンは決して万能なものでもない。


「グーグルはなぜWELQを上位表示させたのか」という
論調の人がいるが、文章の内容の真偽や質まで
グーグルが正確に計れるものではない。

 

検索エンジンの種類は以前はたくさんあったが、
結局精度の高さから、グーグルが生き残ったという経緯がある。
数年前、日本でも国産の検索エンジンを開発しようという
動きがあったが、当然といえば当然だができなかった。


そのような中で、順位に対してグーグルの責任を
問うというのは、検索エンジンのことを知らなすぎる。

そもそも他サイトとの比較もせずに言うのは、
代案も出さずに文句を言うようなもの。


グーグルは究極的には、文章の内容の真偽まで
判別することを目指すだろうが、現時点ではできない。
世界最高の検索エンジンだが万能ではないし、
間違いも犯す。


その前提に立って、検索エンジンと
付き合わなくてはならないのだ。

 

 

3)まとめ

 

WELQ事件は、サイトの質とSEOの関係を考えさせられる
良い契機になった。
そして上位表示しているページでも間違い情報があることの
良い警鐘にもなった。


サイト運営者としては、
情報サイトの内容に対しても重い責任を求められるという
流れになったという意味で、象徴的事件になったと言えるだろう。
特に健康・医療系サイトには神経を尖らせる必要がある。

 

今後は、無責任な情報提供によって読者が何らかの被害を

被る場合は、サイト規模の大小に関わらず、

運営者責任になる可能性も出てきた。

 

逆にいうと、専門性、信頼性が高く、分かりやすい
サイトを作成すれば、今まで以上に人気サイトになるに
違いない。

 

ただし基本的に情報の真偽を判断するのは、読者自身。
常に「自己責任」の気持ちを持って
情報に接することが、自分を守る最良の方法だ。

 

 

以上