通っているバッティングセンターに、めずらしく女子高校生の姿があった。

制服からジャージに着替えて打席へ。

歓楽街という場所柄もあるんだろうけれど
JKがここにひとりで来て打ってるのなんて初めて見たかもしれない。



そのことを差っ引いても、なんだか存在が気になってしまう。

少しの間考えて、理由がわかった。

わたしが高校生だった頃の姿形、雰囲気に、彼女が少し似ているからだった。



顔ははっきり見ていないものの
小柄で黒髪のロングヘア、近眼? 地味にひとり黙々と何かをやる、その感じ。

昔のわたし、たしかこんなだったよなぁ

まぁその頃バッティングはやってなかったけど。








この日は湿気がすごすぎて、途中から1ゲーム打つたびに息切れする。

両打ちだから左右打席交互に打っていれば
永遠にバテるはずのないこのわたしが、あり得ない…!

結局ホームランなしでバッティングを終え、併設のゲーセンで涼んでいると
あのJKはまだ打ち続けているではないか。



やっぱわたしより30歳も若いんだもんな。

暑さへの耐性つけたいなぁ

あ、お嬢さん、あなたの30年後こうなってるかもよおばけ



などと、心の中で話しかけてバッティングセンターを出た。




お店のかたが2本差し出してくれた冷凍おしぼりが気持ちいい。

1本を溶けたネッククーラーに巻いたら
固まり復活してゆくさまがおもしろくて、ずっと見ていたかった。