バッティングセンター通いに
今のすべてを懸けている中年バッターです。
…
陽射しがあたたかく花粉激しく舞う
昼前のバッティングセンター。
120キロの右打席ケージから出てくると
「ナカニシさーーーん(わたしのこと)!!!」
え?
ぎゃあああああああああああああああああああああああああ
顔を上げると同僚が4人いた。
「見にきたよー」
ちょ、びびるっつーの!!
たまに同僚アルバイトの熟女たちが(熟女はわたし含む)
このバッティングセンターにやってきては
わたしを驚かせる。
毎回、絶対に来ることを予告しない。
とはいえ、最後の球まで打ち終えるのを待って
ひと呼吸置いてから
いつも声をかけてくれるのが嬉しい。
彼女たちは、わたしが喋りながら打つことなど
器用にできないのを知っている。
今在籍しているアルバイト従業員全員が
勤続10年以上で
ほとんどが40〜50代の中年女性。
コロナの影響でフリーターや学生など
若者アルバイトが大幅に削減された3年前あたりから
残った長期バイトの我々はよく話すようになった。
既婚未婚など、それぞれ家庭環境は様々であり
同年代は話していて楽しいと思う。
みんな優しく接してくれるし
ときには昭和から平成中期あたりまでのネタなんかで
盛り上がって笑う。
…
ふと、この前の週は
たぶん卒業式後の女子高校生たちが
このバッティングセンターに来ていたなと思い出した。
あのJKたちより
こちらは30歳くらい年上なんだけど
ちょっと似た光景じゃない?って。
ただ、JKたちが
きゃっきゃしている感じだったのに対して
熟女はちょっと姦しい感じ。
わたしに飲み物を買ってくれると
ほどなくして同僚たちは帰っていった。
最近、職場では
仕事の進めかたについて上司に呼び出され
社員たちからは後ろで
自分の動きを見張られているプレッシャー
それにこの先、契約し続けてもらえるのかという不安で
怖くて服用する抗不安薬が増えた。
ADHD薬のおかげでミスは減ったが
勤続10年ともなると
それだけでは済まされないのだ。
できる限り長く
同僚のみんなと働き続けたい。