小売店でレジの仕事をしている、中年アルバイターです。
わたしのことを長年、推してくれている
海外出身の常連男性客がいる。
白人で、おそらく50代くらいだろうか。
常連客「元気ですかーーーー!!」
わたし「絶好調でーーーーす!!」
常連客「あやかりたいデ〜ス」
我々はレジだろうが売り場だろうが
会うたびに、決まってこの会話を交わす。
わたしが入店した9年前当時、彼はすでに常連で
日本語がうまい上
もっと日本語を深く学びたいという意欲にあふれ
珍しい名字の名札をつけた従業員を見かけては
読みかたをたずねたり
わたしが知らない
日本のことわざを教えてくれたりもする。
ある時期、わたしがテニス肘を患い
サポーターをしていたことをきっかけに
彼は会うたびに調子を聞いてくるようになった。
「元気ですかーーーー!!」
最近では言いかたに
心なしか猪木感が増してきた。
わたしは仕事中は
いつも元気にしているつもりだが
心の内はそうでない日もある。
特に先月からしばらくは
心身ともに好調とは程遠い日も多かった。
そんな日に彼が来店し
元気かと問われると答えざるを得ない
「絶好調でーーーーす!!」
しかし、不思議なことに
自分で発したこの『絶好調』の言葉は
正直言って、絶好調レベルまではいかないものの
気分を少しだけ上向きにさせる。
そして、そのあとの勤務をがんばれたりもする。
っていうことに、つい先日気づいたのだ。
単にわたしと喋りたいのだったら
「こんにちは」でいいはずなのに
敢えての「元気ですかーーーー!!」と言う彼。
それに対して「元気です」「絶好調」など
何かしら前向きな言葉を期待されているのは
こちらもなんとなくわかるから
ちょっとだけ、がんばる。
ただ、このやり取りによって
わたしが時に
本当に元気をもらえることに感謝したい。
ちなみに、彼に初めて教わったことわざは
【同病相憐れむ】
同じ病気や苦しみを持つ者は
互いのつらい気持ちがわかるので
いたわり同情し合うものだということ。
わたしのテニス肘(原因=バッティングセンター)を見て
ご自身の腱鞘炎(原因=ピアノ)と
思いを重ねたそうです…