バッティングセンターで

右打席100キロマシンに入ると

小銭投入口の上にスマホの置き忘れがある。



大変!



だが、珍しいことではない。


今まで何度か見かけたことがあり

今回ももちろん、すぐに

受付カウンターに届けに行った。


そして再び打席に入って打ち始めると

ほどなくして視線を感じる。



後ろだ。誰か見てる。



しかし

ここで集中力を削がれてはならないと

頭を切り替えるよう試みるも


1球打つごとに

打撃フォームの確認を行うわたしの

視野の端っこに人が映り込む。



あ!もしかして忘れスマホの持ち主!



「スマホなら届けましたよ!」と

大きめの声で伝えると


見ていたその男性は手を振って

「違う」というジェスチャーをした。



え?違うの?



まいったなぁ。

見られていると気が散るなぁ。


急激に空振りが増え

ヘボい当たりを連発するようになる。


けれども、はっ!そうだ。

この男性は打つ順番を待ってるんだって

やっと気がついて

打ち終わって素早く打席から出てくると

彼の姿は、もうそこにはなかった。


別の場所にいた。



なんだ、待ってるんじゃなかったの。



そう。


おそらく50代くらいのこの男性は

ただ、わたしが打つのを見ていただけであった。


ガチで打ってる中年女性が珍しいのか

たまにこういうことがあるのだけど


修行が足りないわたしは

あからさまに人から見られることが

あまり得意ではない。



いわゆる “ゾーンに入る” 状態になっていれば

こんなことくらい

一切気にならないのだろうが

アスリートとしてまだまだの証拠である。




当然ながら、この男性はまったく悪くない。


なぜなら

『打ってる人を見るの禁止』という

決まり事などないからだ。


わたしだって結構人のを見てるし。


ただし上記の理由により

かなり、さり気なく見る演技はするけれど。







その後しばらくして

左打席の130キロ設定で打っていると

今度は20代と思われる

若いカップルがやってきた模様。


後ろから彼女の声が聞こえた。



「え!ちょっと!!すごくない!?

うまいんだけど!!!!!」



打ってる左打席はいちばん端であり

隣の打席は、今、誰もいない。


もしかして、わ、わたしのこと?

や、でも上手くはないしな…


更に会話は続く(集中しろよ



彼女「ねー!ほんと凄いんだけど!!」


彼氏「じゃあ教えてもらってこいよ〜!」





後ろをチラ見すると、彼女が可愛い。




瞬間、ゾーンに入りました。




彼女の姿を見るやいなや

V字回復を描くように集中力が復活。


すっかり日も暮れて

薄暗いマシンの奥から出てくる

ぼんやりとした白い球だけが視界に入り


いつもは気にしまくりの

打撃フォームのことも全部忘れて

バットに球を当てることだけに全神経を集中。


ホームランボードには当たらなかったものの

自分でも驚くほどの

近年稀に見る、いい打球(※自分比)を

連発したのだった。




人に見られると集中力を欠くという

前言を一部、撤回いたします。




後ろで見ているのが

キレーなチャンネーの場合に限って

逆に集中力が増すっぽい。


ってか、たぶんだけど

女性だったら平気なのだと思う。


わたしが、異常なほど自意識過剰なために

ギャラリーが男性であると

NGの可能性が高い。




差別的な意味合いはもちろんなく

それでも、おじさんと若いチャンネーによる心持ちの違いが

差別発言と受け取られ


読んでいて不快な思いをされたとしたら

誠に申し訳ありません。


しかしながら

わたし自身も立派なおばさんであるため

許していただきたいという気持ちが

正直なところであります。



尚、この出来事が本当に

“ゾーンに入った” と言うかどうかは

謎でしかない。





そう。最上級に神経質。



☆★☆



世界最速ピッチングマシン(240km/h)を擁する

福岡県北九州市の

三萩野バッティングセンターが

5/31(火) 朝、テレビ中継で出ます!!


って、ブログ(インスタ連携)で知りましたので

リブログします。