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滋賀解放同盟お弁当の猫きのこのkairuです🐾
誰しも、何が心の琴線に触れるのかよく分らないんだけど、なぜか、ふと思い出す日本映画ってのがあると思います。
これは監督がすごく優れているのか、それとも監督の感性と波長が合うのか・・・
子供だましみたいと思いつつも、ふと思い出す事が多いのが大林宣彦監督の映画。
そして一番好きなのがハウス
見た当時はホラー映画だと言うので怖さを期待して見たら、全然怖くなくて、お祭りとかにある馬鹿馬鹿しいちゃっちいお化け屋敷みたいで激怒したんだけれど、大人になって改めてみたら、キャピキャピしたわざとらしいヲタの理想のような少女達や(この映画観ながら、こんな女の子実在するかッ!!と吐き捨てたのを思い出します)おっさんのこうあって欲しいと言う少女の具現化美しい音楽、そしてなんとも不思議な映像美の虜になってしまいました。
当時から家フェチだったアタシは、この家が人を喰って綺麗に蘇って行くと言う描写がすごくツボでした。
ほぼ同時公開で上映された米国の家ってホラー映画があって、これも題材的にはなぜかほぼまるかぶり。
日本映画がハウスで米国映画が家ってのがツボでひとりでウケたものでした。
そして当時は理想の家に喰われてなんとか家と一体化出来ないものかと変な妄想を膨らませていました。
映画の話になると止まらなくなり、お話がどんどんそれてしまうのですが、本題に戻しますと、当時は好きな映画から監督を割り出して、その監督の映画を観れば当たりにたどり着けると言う知恵は無くて「あの映画、なぜか、思い出すな。不思議な魅力があって、もう一度観たいな。」ってだいぶ経って思い出す映画の監督が同じだって気付いた時に、ああ、この監督と波長が合うんだと思ったものでした。
少女が出てくる話は宮崎駿監督のアニメに出てくる少女が元気すぎて、それはそれでデフォルメされているなと感じるのですが、大林宣彦監督の少女もやっぱりデフォルメされすぎていて、最初は辟易が勝つのですが、それが段々とクセになり、独特の世界観がいくら抵抗しても脳裏に焼き付いて離れられなくなり、それが魅力に変わって行くんです。
異人たちとの夏は大人しか出て来ず、その辺はすっと入って行けました。
その分、大林宣彦監督だと思わなくて、何気なく先入観なく観て、以来、たまに脳裏に浮かんで来て忘れられない映画だったのが、調べたら監督は大林宣彦だったと言う映画。
根底に流れる昭和へのノスタルジー。
この人の映画にはこれは常にあるような気がします。
唯一不満を述べさせて頂ければ名取裕子はお化けにするには生々しすぎて線が太すぎるのでは?
その分、オチが分った時は怖かったですが・・・
それ以外はほぼ完璧でした。
暑い夏でもアスファルトじゃない道路から吹き込む風はからっとして涼しく、スモッグや農薬のない雲から降って来た雨の水たまりには産み付けられた蛙の卵が孵ってオタマジャクシがうじゃうじゃ泳いでおり、井戸に浸けて冷えたスイカは驚くほど甘くて美味しかった。
高い空に五月蠅いほど響き渡る蝉の声、あの時代の夏は生命に満ちあふれていました。
そんな昭和の良い所を凝縮したような異世界。
山田太一の小説を大林宣彦監督が映画化したもので、この山田太一が脚本を手がけた想い出づくりは面白すぎて夢中になったドラマでした。
リアルから抽出したそれらしいものをデフォルメする達人だった人達の作品。
それがイギリスやイタリアへの憧れしかないはずの私の中の昭和を刺激して、昔の日本の良さを懐かしい気持で思い出させてくれる。
そこが異人たちとの夏の魅力でした。
さて、それがなんと英国で映画化されて上映されているらしいのです。
「異人たちとの夏」アンドリュー・ヘイ監督が映画化!ミステリアスで美しい映画『異人たち』が英国インディペンデント映画賞を総なめに
しかもえらい評価されているらしい。
さぞや、美しい映画なんだろうと思ったら・・・
う~ん・・・ペット・ショップ・ボーイズのAlways On My Mindがはまりすぎ~
これは一旦リセットして観るなら観ないといけないわ。
てか、たぶん、テレビでしてもCTVでしても観ないかも・・・
いや、耐えられそうならみようかな。
ってことで評判待ちで思案しているところです。
ただひとつ言えるのは、私が好きだった異人たちとの夏の良い部分が占める割合は限りなくゼロに近いようだと言う事ですね。
このイギリスの監督が、この古き良き日本のノスタルジーを理解してこの映画を作ったとしても、それはイギリス人のノスタルジーであって果たして日本人がそれをどれだけくみ取れるか。
そこのとこ注目して、いつか地上波かCTVでやれば観たいと思います。
▇今日のにゃんこ
毎度!!