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お弁当の猫きのこのkairuです🐾
先々週の土曜日、先週の土日と鬼滅漬け。
美形伊之助満載で嬉しかった~
アニメはガンダムあたりからすっかり遠ざかっていたのに、なんでしょう。
このはまり具合。
私のこどもの頃のアニメは設定がかなり雑でした。
例えば、最初はすごく面白かった『魔法のマコちゃん』
人魚姫が助けた人間に恋をして、自分も人間になってアキラのいる学校に通うと言う
どこかで聞いたことはあるものの、中々、乙女心をくすぐるお話。
だけど、一話一話脚本家が違ったせいか、話が分断されて辻褄が全然合わず(よく覚えてないけど、いきなり違う場所に住み着くことになったのに、次の回では元の家に戻っているような)、こども心に矛盾点ばかりで途中からなんとも話に入っていけなくなりました。
しかもアニメーターによってでしょうか、顔が回によっては肝心のマコちゃんが超おブスになったり、一言で言えば「こどもなめんなよ!」って感じ。
この頃はアニメとか漫画は子どもがみるもので、だから、辻褄が合わなくても多少顔が不細工でもまあいいや的な、技術不足もさることながら漫画に対してのリスペクトがあんまり感じられない時代だったのだと思います。
それが、私が初めてすべてのつながりを感じられたのが、「あしたのジョー」
この原作者の梶原一騎はすごい人だったと思います。
ホセ・メンドーサとの試合に昔の仲間が試合の応援に登場したり
ジョーによってアゴを砕かれて引退したはずのウルフ金串が後にヤクザの用心棒に落ちぶれた姿で出て来たりと、一話完結で分断が当たり前だった当時のアニメでは考えられなかった人と人とのつながりや空間の広がりがあったのです。
アニメで私がこれが感じられたのは、最近では進撃の巨人
そして鬼滅の刃くらいでしょうか。
進撃の巨人のあの躍動感、音楽、緻密な作画、あの巨人に支配された国がこの世界のどこかにあり、必死で彼らが戦っているかのような気持にさせられるのです。
さて、あしたのジョーに戻りますが、私があしたのジョーの一番好きだったところは試合のシーンではありません。
アニメ放映が漫画連載に追いついてしまい、なんとか間を持たそうと追加でいれたのだと思うのですが、ジョーが力石を死なせてしまってその重さに耐え切れずに落ちぶれてドサ回りに身を落としたり、そこで仲良くなったボクサーと一緒に山登りしている途中に足を踏み外し、足が治るまで牧場でお世話になったりと、普通なら描かれないジョーの生い立ちを想像させるような裏話があり、それがもうたまらなく好きでした。
このキャラクターの、ストーリーにさほど重要でないように見える肉付けがしっかりしているほど、人物像が浮き上がり、時代と空間の広がりがリアルと結びついて来ます。
鬼滅の刃がスゴいのはこの裏付けがそれぞれあってすごくしっかりしていること。
さらに敵役の鬼にまで背景が描かれていること。
これによって、年代や国を超えて本来有り得ないリアルとの連帯が生まれ、広がりを感じることが出来るのです。
それと、キャラひとりひとりを好きにさせる力もすごい。
私の好みは伊之助の顔。
しかし、遊郭編が終ったらまた伊之助はイノシシに戻ってしまう。
では、他に好みの顔は誰なのかと考えたら・・・この人以外に考えられませんでした。
無惨様~ッ!!
しかし、なんじゃこりゃと思っていた、煉獄さんも宇随天元も、そして今回なめとんかい!と思っていた甘露寺蜜瑠も
出て来て動き出した途端に活き活きと息を吹き込まれて、肉付けされてどんどん魅力的になって行くそのスゴさ。
前回の変な色になってひん曲げられた炭治郎の指は包帯を巻かれて、傷付いた体もしっかりベッドで寝て点滴を受けて治って行く様は見ている方に途方もない安心感と癒やしを与えてくれます。
刀鍛治の里で温泉に入り、美味しそうなご飯を食べて、少しずつ生き返る姿は今までの漫画にはないものでしたが、一番、視聴者が見たかったものではないのでしょうか。
そして、それと対照的なのは空気すら冷たい無限城の息をのむ美しさ。
醒めない悪夢のようなここにも空間の広がりがありました。
鬼滅の刃のクォリティを見ていると、制作者側のひとりひとりのキャラクターへの限りないリスペクトを感じます。
そして、制作に関わっている喜びと世界相手に日本のアニメを背負っていると言う矜持を感じます。
子どもの頃にぞんざいな扱いをされていた「どうせ子どもが見るアニメ」の姿はそこにはもうありません。
原作の方は終ってしまったらしいのですが、ここまで肉付けされた彼らはピノキオのように生命を与えられて、決していなくならない気がします。
日々、どこかで生活を送り、悲しみも苦しみも喜びも共有しているように思えます。
このまま、ず~っと戦ってはキズを治し、そしてまた立ち向かいとアタシが死ぬまでは延々やって頂きたいと思うのは我儘でしょうか。
鬼滅の刃 刀鍛冶の里編
毎週楽しみに見て行きたいと思います。
実際に使われていたアンティークを使った
船窓から覗いているのは