今回の台風19号で被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

洗濯で役に立ちそうなことをまとめ直しましたので、お役に立てる部分があれば是非お使いください。

※追記 長野市のイラストレーターさんを長野市のクリーニング屋さんが紹介をしてくださり、パっと見てわかりやすように一枚のイラストにしてまとめてくださいました!

できる限り、想像できる範囲で、洗濯の情報を上げていますが、こうした災害時の家庭における衣類の取り扱いについては、これまで世の中に情報としてまとまっておらず、想定外の部分や足りない部分など、どうしてもあると思います。
 

今後のためにも、皆さんの知恵を集めて衣服の衛生や復旧方法についてもつくっていくことが大切と思います。

こんな方法が良いんじゃないか?などの情報提供、このイラストの必要な方へのシェア宜しくお願いします!
 

 

 

●泥で汚れた服の洗い方※2019.10.15追記

今回の台風で被災されて、泥をかぶってしまった服も多いかと思います。

濡れた泥をかぶってしまった服は、水がある程度自由に使える環境である場合には、濡れたまま水道やホースなどの流水で洗い流した方が良いです。高圧洗浄機などがあれば一番理想的です。
 

貯め洗いで、中途半端に水で洗うと泥が繊維の中に入り込み落ちにくくなってしまったり、大量の泥汚れは洗濯機も故障につながることが考えられます。ため洗いをする場合には洗剤の量をやや多めにしたほうが良いと思います。規定の2倍の量くらいの洗剤を溶かして濃いめの洗剤液を作り、そこに泥汚れの服を入れかき混ぜます。
(粉末洗剤がある場合は粉末洗剤もおすすめです。ただし、デリケートな服にはおすすめしないのと、すすぎは少し手間がかかります)
濃いめの洗浄液で、洗剤に泥よごれをしっかり捕まえてもらい、その後、何度か水を変えながらすすいで泥を取り除いていきます。
 

表面に乗っている泥は乾くと落ちやすくなりますが、濡れて奥に入った泥が乾くと、繊維の中に泥が閉じ込められてしまっている可能性が高いです。その場合、ただの流水や洗濯機だと繊維の中から泥を取り出すことが難しいと思います。
 

満足に水が使えない場合には、泥を乾かして払って、ある程度落とした段階で一旦置いておき、水が十分使える状態になったら高圧洗浄で洗うのもいいかもしれません。一旦乾いたものであっても、高圧洗浄であればまだかなり泥を取り除けると思います。
 

着物などデリケートな素材への高圧洗浄は注意してください。
 

多摩川近辺の浸水現場に行った東京 府中市のクリーニング屋さんからは「通常の泥ではなく粘土質の泥でかなり落ちにくい」という情報をいただきました。そういった場合、かなり取れにくいと思うので、やはり高圧洗浄機などで物理的に強く洗わないと難しいと思われます。
 

それでも難しいものは高温のお湯とアルカリ剤で強目の洗濯をすると良いそうです。(横浜のリネン屋さんが情報提供して下さいました。)

ただし、この方法だと少し熱いお湯を使うので家庭での洗い方としてはハードルが高いです。
 


また、服についた泥汚れを落とすときには、感染症などのリスクが出てくると思います。処理が難しそうな場合には、廃棄も致し方ないと思います。処理する場合には、マスクや手袋メガネなどで身体を守ってから洗うことをおすすめします。


消毒に推奨される次亜塩素ナトリウムなどのいわゆる塩素系の漂白剤は、除菌力は高いですが、衣類への影響も大きいので、元通りにしたい服の場合には使わないほうが良いです。着物等には厳禁です。

 

----下記からは、泥汚れではなく、普通の洗濯について---

 

 

●逆に、目立つ汚れがなければ、洗剤を使わずに洗濯するのもいい
給水や排水が満足に使えない方も少なくなく、節水を迫られる方も多いかと思います。
それほど汚れが目立たない普段着の洗濯場合、洗剤を使わずに水だけで洗うだけでも服はかなりさっぱりするはずです。
洗剤を流すために、余計なすすぎもしなくて良いですから節水には好都合です。

洗濯機を使える場合、洗濯機は、すすぎの設定を飛ばして、「洗い、すすぎなし、脱水」という設定ができるので、こういうカタチで洗濯機を設定して使うと良いです。

※もしお湯が使える状況であれば、40℃位のお湯で洗えばすすぎなしの洗濯でもさらに服がさっぱりとするのでおすすめです。

 

 

●洗濯機などが満足に使えない時にオススメなのは「つけ置き洗い」

最小限でなおかつ、汚れやニオイも取れやすくなり、オススメの洗濯方法が「つけ置き洗い」です。

 

・浸け置き洗いの方法
バケツなど何かお水を貯められる物に水をためたら洗剤を入れ、あとは漬けておくだけです。
洗濯機で回さなくても20分から30分位漬けておけばかなり汚れは溶け出してきます。
アドバイスをしていると、よく「洗濯機でグルグル回さないと汚れが落ちている気がしない・・・」と聞かれたりすることが多いのですが、大丈夫です。

洗剤液に漬かっていれば、洗剤の力と水の力で汚れは溶け出してきます。
特に汗などは元々水に溶けやすいですから漬けておくだけでかなりスッキリするはずです。
※上記で書いたとおり水やお湯だけでつけ置くのでも効果はあります。

 

部分的に目に見える汚れがあれば、その部分だけもみ洗いしてもいいですが、とりあえず汗などを流して服をさっぱりさせたいという場合は、とりあえず浸け置きしてみて下さい。
漬けておくだけなら体力的にも楽ですしね!

 

●その後は、すすぎ。
手で捻るように絞ったり(伸びないように注意)、折りたたむなどして、できる限り絞って洗剤液をなくしてからすすぎに入れば、泡切れが良くなるので、すすぎやすく、水のムダが最小限になります。

洗剤を使わずに水やお湯だけなら、すすぎなしで脱水してしまってOKです。

 

●使う洗剤など

 

・一回すすぎタイプなど、すすぎやすい洗剤
こういったものがあればかなり使用量が少量でよいです。
漂白剤を配合したタイプであれば、不快なニオイに対してより効果が出やすいです。

 

・おしゃれ着用の中性洗剤
十分に濯げずに仮にすすぎ残しがあっても、トラブルになりにくい洗剤ですのでこれもオススメです。

 

・柔軟剤
柔軟剤の主成分の「カチオン系の界面活性剤」は殺菌作用を持っています。不快なニオイを抑えるのに有効でしょう。
(ドラッグストアに売っている、「オスバン」というのもこのカチオン系の界面活性剤で、中でも殺菌作用が強いやつです。)

柔軟剤は基本服に残して使うものなので、洗いやつけ置き時に使用した場合、すすぎなしで脱水でいいでしょう。

ただし柔軟剤を使う場合、香料が周りの人に不快になる可能性と、カチオン系の界面活性剤は肌への刺激になる場合があるので、肌の弱い方や小さなお子さんの服には注意してください。

 

・粉末の洗剤
粉末タイプはアルカリ度が高く、皮脂やタンパク質をよく落とします。泥汚れなんかにも強いですが、すすぎにくいので水を大量に必要とします、手であらうと手荒れもしやすいので非常時にはやや使いにくと思います。

 

●洗濯用の洗剤がない場合・・・・

・食器用のものなど
これでもいいのですが、使い過ぎると、泡が立ちすぎてすすぎが大変になったり、洗い上がった服がごわつく可能性があります。なので、ためた水にほんの数滴垂らすぐらいで使うのがいいと思います。
(ほんの数滴水に入れるだけで、繊維に水が浸透しやすくなります。)

 

・まったく洗剤がない場合は、重曹などの弱いアルカリ性のもので代用する事もできます。
(重曹とかの方がないかもしれませんが・・・)

アルカリ性での洗濯は、皮脂やタンパク質などが落ちやすくなります。重曹くらいのアルカリ度だと汚れ落ちはやや弱まりますが、粉末洗剤にくらべ、すすぎもそれほど大変ではないです。

 

●嫌なニオイには中和が効果的の場合も

嫌なニオイには漂白剤を使うのが有効な場合が多いですが、それ以外にも酸やアルカリを使った方法も効果的です。

生ゴミ臭や酸っぱいような臭いがしている場合は、どちらかと言うと酸性の場合が多いです。
その場合は、重曹などアルカリ性の物を使って中和をする。

 

逆に、硫黄っぽい臭いなどアルカリ性のものは酸性のクエン酸やお酢などで中和できます。

いずれも10Lに大さじ1弱位を溶かして使うといいと思います。

 

●最小限の水で洗濯するために。

 

・まず、洗剤の量を守ること。
最近の洗剤って使用量が少ないので、桶とかで洗う場合には「コレだけ!?」ってくらいちょっとしか使いません。

大体、洗剤入れすぎてすすぎに手間取り、水を大量に消費というパタ―ンが多いです。規定量守ればすすぎもかなりすすぎやすいはずです。洗剤の量を守るのは大事です。

 

・洗剤液を「上手に」使い回す。
洗剤を入れることで、汚れを落とす働きと同時に、汚れを繊維に戻さないと言う再付着防止作用を得られます。

 

そのため、洗剤を入れることで水がある程度使い回せます。お風呂の残り湯とか使う場合も、洗剤を入っていれば服に汚れがつきにくくなるので水の使い回しには洗剤を入れての洗濯がおすすめです。

(ただし、洗剤入れても少量だけの場合、この働きが弱くなります)

 

洗剤液の使いまわし時にオススメなのが、色の薄いものや汚れの少ないものから洗っていき、徐々に色の濃いものや汚れの多いものへ移っていく洗い方法です。

バケツでもオケでも何か水を貯められるものに、洗剤の入った水(A)とただの水(B)を用意します。

 

で、仮にこんな感じに、服があったとしたら・・・

 

 

まず①からAの桶に入れます。

 

・漬け置いた後、1を絞ってBの桶に入れ、2をAの桶に入れる。

・その後、1を絞って干す、2をBの桶に入れる、3をAの桶に入れる。

・あとは、同じように最後まで繰り返し。

 

途中で汚れたAの水は、今度はトイレ用などのお水にするというのもいいかもしれません。

Bの水は、途中から洗剤を入れて洗剤の入った水Aとして使うようにするのもありです。

こうすれば、Bの水を順次キレイなものに変えていけばいいので、節水になります。

 

 

 

以上、この内容がどこかで役立ちそうならぜひご自由にリブログやシェアしてお使いください!!

一日も早く、皆様の日常が戻りますように。。。