この映画はマイナー路線(?)である関西・阪急今津線で起こる数々の日常エピソードをオムニバス形式で綴った小説の映画化版です。
この一般にはあまり馴染みの無い阪急今津線ですが、
私、中高校自体に5年ほど沿線に住んでいました。
門戸厄神駅(西宮北口から一駅目)が最寄りでした。
お袋がよく阪急電車は小豆色でオシャレでいいとか何とか言ってましたが、
当時まだ若造だった私はそんなババ臭い色のどこがいいのかと思ってました。
でもオッサンになってからは、阪急電車も今津線沿線も味があっていいなと、
なんとなく感じるようになってきました。
ですので知っている場面も多く、更に楽しく見れました。
ここの画面外に本屋がある!とか、ここの駅前の牛丼屋は俺の友達がやってる、とか・・・
嫁ハンは、それがどうしたというような視線でしたが。。。
さてそんなオシャレな阪急今津線で繰り広げられるプチエピソード集ですが、
一番良かったのが、孫連れのおばあちゃんでしたね!
常識・礼儀に厳く強いおばあちゃん、なかなか最近こういう人いなくなってしまいましたね。
孫にも礼儀となれば容赦なし、甘やかす事もなし、
常識しらずのオバタリアン(古い?)連中には怒りの説教、
そのくせ人生の酸いも甘いも知っているおばあちゃんは、辛い人には優しいです。
最初のエピソードで、彼氏を寝取られた中谷美紀が、復讐で純白のドレスを着てその彼らの結婚式に嫌がらせに行くという場面がります。
(花嫁より目立って、さらに美しい自分をみせて後悔させてやる、というやつですね)
帰りの電車にて、復讐をやり遂げたが虚しい感情も入り乱れている時に、おばあちゃんと孫(女の子)が電車に乗ってきます。
女の子が彼女を見て「お嫁さんだ、きれいだねー」と言ったとき、
即座におばあちゃんは状況を理解し、孫にお嫁さんじゃない事をそっと伝えます。
その上、感情が抑えきれなくなってきた中谷美紀に「で、討ち入りは成功したの?」
と、全てお見通しの言葉を投げかけてあげます。
そしてその行動を全部肯定してあげるんです。
そうしたい時はやってしまえばいい、その代わりその後は引きずらずに忘れなさい、と。
こういうおばあちゃんは理想ですねー、強く優しく理解がある。
躾ですとか、礼儀ですとか、優しさというのは日本の美点だと思います。
現在私日本にいないもので、特に日本ならではのこういった所はすばらしいと再認識しました。
(海外特に中華圏に行くとこの映画の礼儀のないオバチャンみたいな人が山ほどおりますので・・・)
その他のキャスティングも原作のイメージを崩さなくて良かったと思います。
(一部、原作で図書館に関わるエピソードは削除されてましたけど・・・)
久しぶりに昔を思い出し、ホッとする映画に出会いました。
PS
市立西宮高校、高校サッカーベスト8おめでとう!奇跡です・・・